中村栄助 中村栄助の概要

中村栄助

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/01 10:26 UTC 版)

京都の財界の有力者で同志社の理事でもあった中村栄助

経歴

京都松原通西洞院東薮下町に生まれた[6]。先代栄助の長子[1][2]。本姓は高山で、後中村と改めた[1][2]。幼名は栄三郎で、家を継いで父の名を襲名して栄助と名乗った[2]。生家は商(油仲買[7]、あるいは油問屋及び鰹節商河内屋[2][5])を営む。1864年蛤御門の変の戦禍により五条大橋東に移転した[6]

父に従い近畿、東山北陸の諸道を跋渉して商業を実地に練習した[2][5]清国豆油を輸入しその販売を試みた[2]。儒者・三国幽民に就き漢学を修め、後山本覚馬に従い政治経済学を研鑽した[2]。1876年頃新島襄に出会い[3]キリスト教の真理を講究し同志社に入って英学を修めた[2][5]1883年、同志社社員(理事)となり、J.D.デイヴィスから洗礼を受けた[3]

1881年京都府会議員に当選。1889年京都市会初代議長[8]1892年に京都府会副議長、1894年には府会議長に就任(98年まで)[9]。府議として北垣国道府政を支え、琵琶湖疏水事業を完成に導いた。衆議院議員として2期にわたり国政にも参画した[10]。実業家としては電気、鉄道など新しい京都づくりに貢献し、平安建都千百年事業(1895年)を推進した[11]1891年京都商業会議所会員に選ばれ、その副会頭に推された[2]

後半生は政財界から引退し、キリスト教と同志社教育のために身を捧げ、4度にわたって同志社社長(総長)代理を務めた[3]。墓は京都市左京区の同志社墓地にある[12]

人物

同志社大学開校記念撮影(1912年5月、中列右から4人目が中村栄助)

信仰

1885年には、アメリカンボードの宣教師M・L・ゴードンの影響を受け、村田栄次郎らと一緒に四条基督教会(日本基督教団京都教会)を設立し、1903年には京都基督教青年会の再建創立にも参画した[6]

人柄

明治初期の最新人、京都の教会の礎である[7]。住所は京都五条橋東である[5][7]。栄助の職業は『日本紳士録 第24版』によると「鰹節商」[13]、『日本紳士録 第32版』によると「乾物商」である[14]


  1. ^ a b c d 『日本現今人名辞典』な36 - 37頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年8月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 『衆議院議員列伝』277 - 278頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2016年4月30日閲覧。
  3. ^ a b c d 『同志社山脈』 8 - 9頁。
  4. ^ a b 中村 栄助とはコトバンク。2017年10月27日閲覧。
  5. ^ a b c d e 『大日本人物誌 一名・現代人名辞書』な64頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2021年8月22日閲覧。
  6. ^ a b c 『日本キリスト教歴史大事典』995頁。
  7. ^ a b c 『同志社五十年裏面史』103 - 105頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年2月16日閲覧。
  8. ^ 歴代議長|京都市会
  9. ^ 京都府議会/歴代議長・副議長
  10. ^ 総選挙衆議院議員略歴 第1回乃至第20回』 322頁
  11. ^ 京都市上京区役所:平安建都千百年事業
  12. ^ 建学の精神と新島襄(同志社墓地の案内)
  13. ^ 『日本紳士録 第24版』京都なの部55頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年8月2日閲覧。
  14. ^ 『日本紳士録 第32版』京都ナの部85頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年8月2日閲覧。


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