三菱UFJフィナンシャル・グループ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/02 09:57 UTC 版)
概要
三菱グループの三菱東京フィナンシャル・グループ(MTFG)とUFJグループのUFJホールディングス[注釈 2](UFJHD)が2005年10月1日に合併して誕生した。資産規模は約386兆円で、世界最大級の金融グループである。
現在、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ証券ホールディングス、三菱HCキャピタル、三菱UFJニコスなど主要中核5社を中心とした「総合金融グループ」である。
三菱UFJ銀行の前身の旧三菱銀行・旧三和銀行・旧東海銀行はそれぞれ首都圏・京阪神・中京圏の三大都市圏を地盤としている。外国為替専門銀行であった旧東京銀行の流れを汲み、国際業務でも優位性をもつ。また、国外にタイのアユタヤ銀行を傘下に置いており、アメリカの投資銀行であるモルガン・スタンレーの筆頭株主でもあり、海外進出に積極的なのも特徴である。なお、かつてはアメリカの地方銀行であるユニオン・バンクも子会社としていたが、2022年12月に売却した[注釈 3][8]。
2015年3月期決算では、国内銀行グループにおいて初の純利益が1兆円を超えた[9][10]。また同6月25日付で委員会設置会社に移行した[11]。
コーポレートカラーは「MUFGレッド」。グループスローガンは「世界が進むチカラになる。」である。
発足の経緯
三菱東京フィナンシャル・グループ(以下「MTFG」)とUFJホールディングス(以下「UFJHD」)が合併およびグループ経営統合に至った背景は、UFJ側、特にUFJ銀行の不良債権が膨張し、健全な経営姿勢が困難になったことが挙げられる。そこでUFJHDは、傘下のUFJ信託銀行株式会社を一旦2004年6月に住友信託銀行株式会社(以下「住信」)に売却する方針を発表したが、2004年7月にUFJHDは一転してMTFGとの経営統合の方針を明らかにした。これに対し、住信は東京地方裁判所にMTFGとUFJHDの統合を禁止する仮処分の申請を行った。2004年7月27日、東京地方裁判所は住信の申請を認めたものの(UFJHDが申し立てた異議も8月4日却下)、8月11日、東京高等裁判所はUFJHDの抗告を認め住信の申請を退けた。これにより翌12日、経営統合に関する基本合意を発表した。住信は8月11日に特別抗告を行ったが8月30日最高裁判所は東京高等裁判所の決定は妥当としてこの申請を退ける決定がなされた。住信はUFJHDへの損害賠償請求に切り替えて控訴したが、2006年11月21日に東京高等裁判所の提案による住信に対して25億円の和解金を支払うことで和解が成立した。
2005年2月18日に正式に2005年10月1日付での合併が決定し、グループの名称を「三菱UFJフィナンシャル・グループ」とすること、合併に際しUFJHD1株に対しMTFG0.62株を割り当てることが発表された。グループ企業も、一部を除いて旧MTFG側を吸収合併存続会社とし持株会社と同一期日に合併する方針が採られたが、普通銀行の東京三菱銀行とUFJ銀行については合併に伴う大規模なシステム障害を懸念する金融庁の勧告を受けて、ネット証券のMeネット証券とカブドットコム証券の合併についてはカブドットコム証券が株式を上場したばかりで対処が遅れたため、共に2006年1月1日に変更された。リースとカード・信販はそれぞれ2007年4月1日に合併し[注釈 4]、消費者金融であるモビットの改編も進められた[12]。
歴代社長
代 | 氏名 | 在任期間 | 出身校 |
---|---|---|---|
1 | 畔柳信雄 | 2005年10月 - 2010年4月 | 東京大学経済学部 |
2 | 永易克典 | 2010年4月 - 2013年4月 | 東京大学法学部 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 |
3 | 平野信行 | 2013年4月 - 2019年4月 | 京都大学法学部 |
4 | 三毛兼承 | 2019年4月 - 2020年4月 | 慶應義塾大学経済学部 ペンシルベニア大学ウォートン校 |
5 | 亀澤宏規 | 2020年4月 - 現職 | 東京大学大学院理学系研究科 |
注釈
出典
- ^ コーポレートガバナンス方針 - 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
- ^ コーポレートガバナンス報告書 (PDF) 三菱UFJフィナンシャル・グループ 2021年11月12日
- ^ 株式等の状況|株式の状況|三菱UFJフィナンシャル・グループ
- ^ 2019年3月期有価証券報告書 (PDF) - 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
- ^ 「TOPIXニューインデックスシリーズ」の定期選定結果及び構成銘柄一覧 (PDF) jpx.co.jp 2020年10月7日公表 2021年10月8日閲覧。
- ^ JPX日経400・JPX日経中小型 jpx.co.jp 2021年10月8日閲覧。
- ^ a b 高橋諒子 (2022年12月2日). “三菱UFJ、ユニオンバンクの売却完了 取引総額は約156億ドルに”. 朝日新聞. 2023年1月22日閲覧。
- ^ “三菱UFJ、邦銀初の純利益1兆円超 3月期決算見通し”. 朝日新聞. (2015年4月28日). オリジナルの2015年7月26日時点におけるアーカイブ。
- ^ “大手銀、純利益が3・4%減 三菱UFJは初の1兆円超”. 共同通信. (2015年5月15日). オリジナルの2015年5月18日時点におけるアーカイブ。 2015年6月26日閲覧。
- ^ “三菱UFJ、委員会設置会社に移行 チーフオフィサー制も導入”. 日本経済新聞. (2015年6月25日) 2015年6月26日閲覧。
- ^ “モビット事業、分割合意を発表 三菱UFJ・三井住友”. 日本経済新聞. (2012年9月27日) 2015年6月26日閲覧。
- ^ カブドットコム証券株式会社の資本異動について, カブドットコム証券プレスリリース(2015年2月25日), 2016年1月6日閲覧
- ^ MORGAN STANLEY MS(ニューヨーク証券取引所 2019年2月2日確認)
- ^ 三菱UFJとMスタンレー提携、大型案件で実結ぶ(ウォール・ストリート・ジャーナル 2019年1月6日08:49配信) 配信日に確認
- ^ 2018年3月期 有価証券報告書 (PDF) 20頁~21頁(三菱UFJフィナンシャル・グループ 2018年6月公表)2019年2月1日確認
- ^ 三菱UFJフィナンシャル・グループによるモルガン・スタンレーへの出資実行について -グローバル・アライアンス戦略の展開を目指して- (PDF) , 三菱UFJフィナンシャル・グループ プレスリリース(2008年10月13日), 2008年10月13日閲覧
- ^ “モルガン・スタンレーの普通株式の取得と非転換型優先株式の一部償還について”. 株式会社三菱UFJフィナンシャルグループ (2009年5月11日). 2010年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月30日閲覧。
- ^ “モルガン・スタンレーによる公募増資の増額修正への対応について”. 株式会社三菱UFJフィナンシャルグループ (2009年5月13日). 2010年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月30日閲覧。
- ^ “モルガン・スタンレーの普通株式の取得について”. 株式会社三菱UFJフィナンシャルグループ (2009年6月3日). 2010年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月30日閲覧。
- ^ “株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループとモルガン・スタンレーの日本における証券会社の統合について”. 株式会社三菱UFJフィナンシャルグループ (2009年3月26日). 2010年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月30日閲覧。
- ^ “モルガン・スタンレーへの取締役派遣について”. 株式会社三菱UFJフィナンシャルグループ (2009年3月11日). 2010年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月30日閲覧。
- ^ a b c d Our Brand(三菱UFJフィナンシャル・グループ)
- ^ 三菱UFJグループ CIデザイン(日本デザインセンター)
- ^ a b 三菱東京UFJのロゴマーク 三菱の意向が色濃く反映されている(NEWSポストセブン 2014年6月17日 2021年8月20日閲覧)
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