ヴィラ・アルメリコ・カプラ 外観

ヴィラ・アルメリコ・カプラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/23 14:36 UTC 版)

外観

ポルチコからは周囲の素晴らしい風景が見渡せる。元々このヴィラは周囲の風景と調和するよう設計されている。この点はたった16年前に建てられたヴィラ・ファルネーゼとは対照的である。したがって、この家は完全な対称形に見えるが、それぞれのファサードが周辺の地形に溶け込むよう微妙な差異が施されている。そのため、各ファサードの階段の幅や擁壁などに微妙に違いがある。このようにして、周囲の景色の非対称性を考慮して設計することで、全体の景観が対称性を感じさせるようになっている。そのランドスケープは地平線上に見える遠くのヴィチェンツァと周囲の木や草地や森のパノラマである。

北西のポルチコは主門からの真っ直ぐな車道に正対している。この車道は1591年にこのヴィラを取得したカプラ兄弟が建設させた作業区画を通る道である。彼らはヴィンチェンツォ・スカモッツィに依頼してヴィラを完成させたと同時に、農業に必要な各種建物も周囲に建設させた。この道を通ってヴィラに向かうと、普通の場所から高所にある神殿に向かっているような感覚を生じさせる。同じ道の方をヴィラ側から眺めると、ヴィチェンツァの端にある古いチャペルが目立って見え、ヴィラと町の一体感を醸し出している。

現状

1994年、UNESCO世界遺産の一部とした[3]

このヴィラの現在の所有者は Mario di Valmarana で、ヴァージニア大学の建築学の教授だった。このヴィラは2世紀以上にわたって彼の一族の家だった。彼はこのヴィラを後世に残すために保存することを宣言している。内部は毎週土曜日(2011年4月より)に一般公開されているが冬の間は公開されない。庭は毎日一般公開されている。

ギャラリー


  1. ^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説”. コトバンク. 2018年12月16日閲覧。
  2. ^ A. Palladio, I Quattro Libri dell'Architettura, Venezia (Venice) 1570, libro (book) II, p. 18 (イタリア語)
  3. ^ 1996年、それまで "Vicenza, City of Palladio" と呼ばれていた世界遺産が拡張され "City of Vicenza and the Palladian Villas of the Veneto" と改称された。[1]






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