ローカルタレント 概要

ローカルタレント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/14 14:36 UTC 版)

概要

バブル経済期に、当時の郵政省(現在の総務省)が、大都市圏を抱える都道府県とその他の県との情報格差の是正のために、全国で少なくとも民放テレビ4系列が視聴できることを目標とした「民放テレビ全国四波化」を推進した(地域によっては3局化または5局化)。また、同様の方針の下、全国に県域放送民放FM放送局の開設を推進した。他方、大都市圏内の情報寡占の是正や、地方の地域圏ごとの情報流通の活性化のため、コミュニティFMも多数開局され、重層的な情報流通が促進された(東京でも独立UHF局TOKYO MXテレビが開局)。

このような情報流通の拡大は、放送の寡占が崩れて選択の自由度が上がった一方、同じ時間帯に多数の番組が存在することになり、局毎の平均視聴率の低下も見られた。特に、在京キー局の土日の昼から夕方の時間帯の番組や実験的な深夜番組は、地方では充分な視聴者実数を得られず、より高い視聴率が得られる2時間ドラマ映画、在局の人気番組、ブロックネット番組、ローカル番組などに差し替えられた。

1990年代前半のバブルの余韻が残る時期は、バラドルに見られるような「アイドルの大衆化」の時代であったため、ローカル番組に出演する者は身近なタレントとして人気を博する場合もあり、「ローカルタレント」化した。この時期は、バブルの余韻で金余りな地元企業もあったため、中央のタレントが起用され、UJIターン型ローカルタレントが生まれた。また、番組制作予算が少ない深夜帯ローカル番組では、地元のタレント(ノーターン型)を起用した。

1990年代末から2000年代初頭にかけてのデフレ経済期には、地方経済も不景気に陥ってローカル番組の減少傾向が顕著になり、制作費も低下した。そのため、UJIターン型タレント(中央のタレント)は一気に減少し、出演料の低下に耐えたUJIターン型タレントと、ノーターン型地元タレントやローカルアイドルインディーズバンドなどによる「地域密着型ローカルタレント」が出現することになった。

現在は、インターネットの発達によって情報発信が簡便になったため、三大都市圏関東広域圏近畿広域圏中京広域圏)では大量の地下アイドルや地下タレントが生まれているが、「地域密着型ローカルタレント」は地域で実績を持つタレントとしてその上位に位置し、場合によっては全国放送で紹介、または活動する機会が増加し、地方圏からの情報発信の担い手ともなっている。全国のローカルアイドルが集結したユニット「ROLLING GIRLS」も2004年6月に結成された。また、ローカル番組のアイドル創出プロジェクトや、タウン情報誌のミス&ミスターコンテスト、地域限定ファッション誌の専属モデルオーディションなどを通じて新たなローカルタレントの生産も行われている。また、全国に多くの支部を持つプロダクションの場合、ローカルタレント、ローカルアイドルで活動させた後に関東で活動させ、全国的にデビューさせるケースも稀にある。

なお、UJIターン型タレントの1つの型として、プロ野球選手Jリーガーや一般会社員と結婚した女性タレントやアナウンサーが、夫の所属チームのフランチャイズや勤務地でローカルタレントとして活動するケースも見られる。例として、家森幸子福元英恵緒方かな子林恵子高橋基子らが挙げられる。

近畿や中京のローカルタレントが全国的に有名になることは比較的多いが、それ以外の地方からはなかなか現れなかった。しかし、2000年代からは地方で長らく活動するローカルタレントが全国区のタレントとなるケースも見られるようになった。例として、北海道では大泉洋などTEAM NACSのメンバー、福岡では博多華丸・大吉などが挙げられる。


  1. ^ 大泉洋プレゼンツ 地タレ?大集合ふるさと大好き宣言!』でタイトルに用いられている。






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