ルジャンドル多項式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/07 03:16 UTC 版)
物理学における応用
ルジャンドル多項式は初め、1782年にアドリアン=マリ・ルジャンドル[4]により、ニュートン・ポテンシャル
ルジャンドル多項式は、多重極展開で自然に現れる
なる形の関数(記号を少し変えてあるが、上で述べたものと同じ)の展開においても有用である。等式の左辺はルジャンドル多項式の母関数の閉じた形である。
例として、(球座標系での)電位 Φ(r, θ) が z-軸上の点 z = a にある点電荷によるものとすれば、
と書くことができる。観測点 P の半径 r が a より大きければ、電位はルジャンドル多項式を用いて
と展開することができる。ここでは η = a/r < 1 および x = cosθ と置いた。この展開は通常の多重極展開を行うのに用いられる。
逆に、観測点 P の半径 r が a より小さいならば、電位を上記のようにルジャンドル多項式展開することはできるが、a と r とは入れ替わる。この展開は内部多重極展開 (interior multipole expansion) の基本となる。
- ^ 永宮健夫 『応用微分方程式論』、共立出版社、1967年、pp46-52。
- ^ Courant & Hilbert 1953, II, §8
- ^ George B. Arfken, Hans J. Weber (2005), Mathematical Methods for Physicists, Elsevier Academic Press, p. 743, ISBN 0-12-059876-0
- ^ M. Le Gendre, “Recherches sur l'attraction des sphéroïdes homogènes”, Mémoires de Mathématiques et de Physique, présentés à l'Académie Royale des Sciences, par divers savans, et lus dans ses Assemblées, Tome X, pp. 411-435 (Paris, 1785). [注: ルジャンドルは彼の発見を1782年に科学アカデミーに提出したが、出版されたのは1785年であった。]
- ^ Jackson, J.D. Classical Electrodynamics, 3rd edition, Wiley & Sons, 1999. page 103
- ^ George B. Arfken, Hans J. Weber (2005), Mathematical Methods for Physicists, Elsevier Academic Press, p. 753, ISBN 0-12-059876-0
- ^ 日本測地学会 2004