ルジャンドル多項式
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ルジャンドル多項式(ルジャンドルたこうしき、英: Legendre polynomial)とは、ルジャンドルの微分方程式を満たすルジャンドル関数のうち次数が非負整数のものを言う。直交多項式の一種である。
定義
解析学においてルジャンドルの微分方程式
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n = 5 までのルジャンドル多項式のグラフ λ が非負整数 n = 0, 1, 2, … のときの解は x = ±1 の両点においても正則であり、かつ級数は途中で止まって多項式となる。さらに 、x = 1 において値 1 を取るという初期条件を課すと、解は一意に定まる。これを n次のルジャンドル多項式と呼び、普通は Pn(x) と記す[1]。また、全ての非負整数についての n次のルジャンドル多項式全体が成す関数族を総称的にルジャンドル多項式と呼ぶ。ルジャンドル多項式は後述する関数空間の内積に関して直交系を成す。ただし、この内積についての各 Pn(x) の大きさは 1 ではないため (これは Pn(1) = 1 という初期条件を課したためである)、正規直交系にはなっていない点は注意を要する。各ルジャンドル多項式 Pn(x) は n次多項式で、ロドリゲスの公式
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Figure 2 ルジャンドル多項式は、多重極展開で自然に現れる
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ずらしルジャンドル多項式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 02:21 UTC 版)
「ルジャンドル多項式」の記事における「ずらしルジャンドル多項式」の解説
ずらしルジャンドル多項式 (shifted Legendre polynomial) は P ~ n ( x ) = P n ( 2 x − 1 ) {\displaystyle {\tilde {P}}_{n}(x)=P_{n}(2x-1)} で定義される。ここで、ずらし写像(実はアフィン変換)x ↦ 2x − 1 は、区間 [0, 1] を区間 [−1, 1] へ写す全単射として選ばれたもので、それゆえ多項式系 ~Pn(x) の区間 [0, 1] 上での直交性 ∫ 0 1 P m ~ ( x ) P n ~ ( x ) d x = 1 2 n + 1 δ m n {\displaystyle \int _{0}^{1}{\tilde {P_{m}}}(x){\tilde {P_{n}}}(x)\,\mathrm {d} x={1 \over {2n+1}}\delta _{mn}} が従う。ずらしルジャンドル多項式の明示式は P n ~ ( x ) = ( − 1 ) n ∑ k = 0 n ( n k ) ( n + k k ) ( − x ) k {\displaystyle {\tilde {P_{n}}}(x)=(-1)^{n}\sum _{k=0}^{n}{n \choose k}{n+k \choose k}(-x)^{k}} で与えられる。ロドリゲスの公式のずらしルジャンドル多項式版は P n ~ ( x ) = 1 n ! d n d x n [ ( x 2 − x ) n ] {\displaystyle {\tilde {P_{n}}}(x)={\frac {1}{n!}}{\mathrm {d} ^{n} \over \mathrm {d} x^{n}}\left[(x^{2}-x)^{n}\right]} となる。ずらしルジャンドル多項式の最初の方のいくつかは以下のようになる。 n P n ~ ( x ) {\displaystyle {\tilde {P_{n}}}(x)} 01 1 2 x − 1 {\displaystyle 2x-1} 2 6 x 2 − 6 x + 1 {\displaystyle 6x^{2}-6x+1} 3 20 x 3 − 30 x 2 + 12 x − 1 {\displaystyle 20x^{3}-30x^{2}+12x-1}
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