ライスボウル ライスボウルの概要

ライスボウル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 09:03 UTC 版)

アメリカンフットボール日本選手権
ライスボウル
今シーズンの大会:
第77回ライスボウル
会場となる東京ドーム
競技 アメリカンフットボール
開始年 1948
主催 日本アメリカンフットボール協会
チーム数 2チーム
加盟国 日本
前回優勝 富士通フロンティアーズ(8回目)
最多優勝 オービックシーガルズ
富士通フロンティアーズ(8回)
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2022年の第75回大会より、社会人アメリカンフットボールリーグのXリーグの優勝決定戦として開催されている。

概要

元々この大会は1948年から学生オールスターの東西対抗戦として1月15日の前後に行われてきたが、1983年度(1984年開催)から日本選手権として位置付けられ、学生代表と社会人代表が直接対決する形となり、併せて毎年1月3日に開催されるように変更された[1]。2019–20シーズンまでの選出方法は以下の通り。

  • 学生代表
    • 1983 - 2005年度と2009年度以降は甲子園ボウルの勝者。
    • 2006 - 2008年度は甲子園ボウルの勝者・東日本学生王者決定戦(シトロンボウル)の勝者・西日本学生王者決定戦(ウエスタンボウル)の勝者の3チームから学生代表決定委員会が選定する方式であった。
    • 2005年度までは甲子園ボウルが関東と関西の両連盟による対抗戦であったため、関東・関西以外の連盟の所属チームには出場権が無かった。2006年度より北海道・東北・中四国・九州の各学生アメリカンフットボール連盟の所属チームに対しても出場への門戸が開かれる形となり、制度上は全ての学生アメリカンフットボール連盟の所属チームに対してライスボウル出場の可能性が与えられることとなった。ただし、実際には上記3つのボウルゲームの出場資格を満たす北海道・東北・関東・関西・中四国・九州の各学生1部リーグ所属チームに限られていた(北陸及び東海学生1部リーグは関西学生Div.2〔2部〕に相当していたため、両リーグ所属チームは除外されていた)。2009年度から甲子園ボウルが「全日本大学アメリカンフットボール選手権大会」の決勝戦としてリニューアルされたため、これまで出場権が与えられていなかった地域を含めた全国8地区9チーム(関東のみ2チーム、他各地域代表1チームずつ、2016年度より関西のみ2チーム、他各地域代表1チームずつ、2019年度は関西の出場枠が1つ増え、計10チーム)のトーナメントで優勝したチームが出場する。
  • 社会人代表[2]
    • 1983 - 86年度は日本実業団リーグの優勝チーム。
    • 1987年度以降は日本社会人選手権(旧称 東京スーパーボウル。これ以降クラブチームの出場が可能となる。1989年度から日本社会人アメリカンフットボールリーグの決勝戦を兼ねる。2003年度からジャパンエックスボウルに名称変更)の優勝チーム。

試合会場は1990年度(1991年開催)までは国立霞ヶ丘競技場陸上競技場であったが、1991年度(1992年開催)以降は東京ドームに移されている[3]

ライスボウルの最優秀選手(MVP)には、ポール・ラッシュ杯(清泉寮を興し、アメリカンフットボールを日本に広めたポール・ラッシュにちなむ)が贈られる。

大会名称の「ライス」の由来は、アメリカ合衆国カレッジフットボールのボウル・ゲームの名称が開催地の特産品、名産品(例:ローズボウル=バラシュガーボウル=砂糖オレンジボウル=オレンジなど)の名をつけていることに倣い、日本では主食であるの英語名「ライス」を冠したものである[4]

以前は社会人が同好会のように活動していたため、練習量に勝る学生に勝つことがなかなかできず、ラグビーなどの他のスポーツと違い、学生チームの方が強いという状態であったが、オンワードオークスリクルートシーガルズなど、ある程度の練習時間を確保できるチームが出現し、次第に他のスポーツ同様、社会人チームが学生チームを上回るようになった。

1988 - 1990年度の日大3連覇以後、大学チームは1995年度の京大、その後も2001年度の関西学院大まで社会人チームに勝てず、90年代を通じて“学連はライスボウルを獲れない”、“社高学低”といった評価がなされたが、立命館大の台頭などもあり、学生・社会人の力量は以前よりは拮抗する時期もあった。

しかし、2009年(平成21年)を最後に学生チームは10年程、社会人チームの後塵を拝していった。前述の通り、練習量を確保できる上に外国人選手の登録が各チーム4人(同時にフィールドに立てるのは2人)まで可能となり、スピードは辛うじて互角に渡り合えるとしてもスキル、特にフィジカルでは圧倒的に及ばなくなっており、開催そのものへの異議を唱える者がいることもまた事実であり、日本アメリカンフットボール協会側からも開催存続を前提にレギュレーションの見直しについて検討する旨言及されていた[5][6][7]

その様な中でも未だ正月の風物詩として、学生はどこまでやれるのかと注目度は高かった。当日には前座試合としてフラッグフットボール日本選手権大会決勝戦が、後座試合として女子タッチ・フットボールの全日本王座決定戦である「さくらボウル」が行われていた。2017年開催より、前座第一試合として「さくらボウル」が、前座第二試合として「関東中学生アメリカンフットボール オールスター戦」が開催されることになった。

しかし前述の通り、社会人チームと学生チームの実力差が顕著になったことを理由に、2020年度(2021年開催)を持って現行方式での大会を終了することになった[8]。2021年1月30日、日本アメリカンフットボール協会の臨時理事会に於いて2021年度より対戦形式を見直し、大学生チームの出場を取り止め、ライスボウルの名称は継続しつつ、2022年1月3日に社会人優勝決定戦を「アメリカンフットボール日本選手権 ライスボウル」として開催する旨が決議された[9]。これにより体裁上はジャパンエックスボウルをライスボウルに統合(大会の回次もライスボウルに引き継ぐ)・移譲させる形をとる。大学チームは甲子園ボウルで年間の日程を終えることとなった。

テレビ中継は2010年度(2011年開催)シーズンまでNHK教育テレビ、2011年度(2012年開催)シーズンよりNHK BS1で生中継されている。[注 1] なおNHK以外の中継は一時、Xリーグ中継局のスカイ・Aが録画中継を行ったこともあり、スカイ・A中継をKBS京都テレビ埼玉がネットしたこともある。また1990年開催以後、東京ケーブルネットワーク(TCN)製作を受けており、TCNの自主放送チャンネルでも放送されていたこともある。

試合方式

  • 15分4クオーター(計60分)、第74回大会より12分4クオーター(計48分)、第2・3クオーター間にハーフタイムを入れる。第77回大会は15分4クオーター、ハーフタイム30分で開催されることが、日本社会人アメリカンフットボール協会より大会実施要項として発表されている。
  • 同点の場合は延長戦コイントスはしないでそのまま試合終了とし双方の優勝とみなす。第75回大会よりタイブレークにて勝敗を決する(サドンデス方式ではない)。

注釈

  1. ^ 2009年度より学生代表決定戦の「毎日甲子園ボウル」、2012年度よりXリーグ決勝戦「ジャパンエックスボウル」の生放送が行われるため、日本の3大ボウルゲームを独占放送することとなる。

出典

  1. ^ ライスボウルとは コトバンク。
  2. ^ 社会人アメリカンフットボールの歩み - 一般社団法人日本社会人アメリカンフットボール協会 2021年3月6日閲覧。
  3. ^ 日本スポーツ振興センター『SAYONARA国立競技場56年の軌跡 1958-2014』朝日新聞出版、2014年、81頁。ISBN 978-4-02-190250-5 
  4. ^ 世相風俗観察会『増補新版 現代世相風俗史年表 昭和20年(1945)-平成20年(2008)』河出書房新社、2003年11月7日、20頁。ISBN 9784309225043 
  5. ^ 関学大・鳥内監督「次元が違いすぎる」社会人対大学の大会方式に疑問呈す - デイリースポーツ online 2019年1月3日。
  6. ^ 契約であと2年は社会人王者対学生王者という構図は変えられず…… - サンケイスポーツ 2019年1月6日、2019年1月9日閲覧。
  7. ^ ライスボウルの見直しなし 枠組みや出場制限などの変更なく継続 - サンケイスポーツ 2019年12月15日。
  8. ^ 現行のライスボウル消滅へ 実力差顕著で新方式協議”. 日刊スポーツ (2021年1月6日). 2021年1月9日閲覧。
  9. ^ ライスボウルの対戦方式を見直しへ ‐ Xリーグ 2021年1月31日、2021年2月19日閲覧。


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