マルキョウ 歴史・概要

マルキョウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 09:49 UTC 版)

歴史・概要

1964年(昭和39年)12月3日に[1]斉田弥太郎と鍋島市右衛門が共同で「株式会社丸共ストアー」を[5]資本金で400万円で福岡県福岡市博多区銀天町に設立し[3]、第1号店として[4]同月に雑餉隈店を開店した[2]

1973年(昭和48年)に本部を現在地に変更した。 1985年(昭和60年)5月に現社名の「株式会社マルキョウ」に変更した[4]。(雑餉隈店は現在も営業している)。

創業者の一人である鍋島市右衛門が魚市場の買参権を保有していたことから、創業時から鮮魚の鮮度や安さを強みとして売り上げを伸ばした[6]

ユニード寿屋が福岡市周辺での多店舗展開を強化し始めたことを受けて[6]1978年(昭和53年)春に営業時間を朝8時から深夜である午前1時までの17時間へ延長し[6]、長時間営業する営業戦略を展開して売り上げを伸ばした[7]

また、大規模小売店舗法の規制強化に対しては、売り場面積500m²以下の小型店舗の運営ノウハウを開発する方針を採り[6]、売り場面積約150坪の店舗を福岡の都市部で集中出店してドミナントの構築を図った[7]

さらに、グロサリーなどは粗利益率を16%台に抑え[7]、低コスト運営で低価格を売りにする「ディスカウントストア型スーパーマーケット」を[8]長時間営業する業態へ発展させて売り上げを伸ばした[7]

しかし、この低価格志向は一方で、2008年(平成20年)5月23日に公正取引委員会から「納入業者との取引で、優越的地位を乱用した不公正な取引方法があった」として排除措置命令を受けることになった[9]

九州北部(福岡県・佐賀県長崎県大分県熊本県)でチェーン展開している。またかつては別会社がFC運営する「マイチェリー」も展開していたが(店舗ロゴマークや販売品目はマルキョウと同一)、[要出典]2010年(平成22年)1月1日に全店舗がマルキョウにより直営化されて屋号が「マルキョウ」に変更され「マイチェリー」は消滅した[広報 2]

プライベートブランドも開発しており、しょうゆなどが展開されている。[要出典]

1989年(平成元年)度に売上に占める食料品の比率が約83%と食品主体の営業をしていた[10]

1996年(平成8年)、佐賀県で事業展開していた日祐(ニチユー)から創業地店舗を除く9店舗を譲り受け[11]一旦子会社により「マルユー」として運営していたが、その後子会社を吸収合併、直営に切り替えた。それまでは食品主体であったが、当該譲受後は日祐が扱っていた衣料品の販売にも進出した。[要出典]

2013年(平成25年)9月4日に西日本鉄道と資本・業務提携に基本合意したと発表した[12][13][14][15]

この時点では西日本鉄道は、創業者一族で[14]筆頭株主だった斉田キミヨから[12]、発行済み株式の15%を取得し[12][13][14]、筆頭株主となるとされていた[12][14][15]

しかし、西日本鉄道が取得する株式は、9月4日時点の15%・235.2万株を約11.97億円[14]から 12月19日の合意では10%・156.8万株を約9.4億円へ縮小し[16]、 西日本鉄道は3位の株主になると共に創業者家が引き続き当社の筆頭株主に留まることになった[16]。 また、取得は12月25日付けで行われることになった[広報 3][広報 4][広報 5]

2017年(平成29年)3月1日、丸久山口県)、マルミヤストア(大分県)などを傘下に持つリテールパートナーズ(山口県防府市)との株式交換により、同社の完全子会社となった[広報 6]。同時に、西日本鉄道との資本提携は解消した。


出典

  1. ^ a b c d e f g h 『流通会社年鑑 1979年版』 日本経済新聞社、1978年10月20日。 pp291
  2. ^ a b c d e f g 『流通会社年鑑 1978年版』 日本経済新聞社、1977年10月25日。
  3. ^ a b c 『流通会社年鑑 2001年版』 日本経済新聞社、2000年12月11日。
  4. ^ a b c d e f g h i 『流通会社年鑑 1990年版』 日本経済新聞社、1990年11月24日。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay 『流通会社年鑑 1979年版』 日本経済新聞社、1978年10月20日。 pp292
  6. ^ a b c d e 『流通会社年鑑 1979年版』 日本経済新聞社、1978年10月20日。
  7. ^ a b c d “九州地区で異彩放つスーパーマーケットマルキョウ。年商900億に迫る”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1992年10月9日)
  8. ^ “待ったなしの生存をかけたSM大競争時代に突入(下)”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1995年10月9日)
  9. ^ a b “公正取引委員会、マルキョウに排除措置命令 不当返品・値引き・従業員使用で”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2008年5月28日)
  10. ^ “新たな成長に挑む食品スーパー”. 三菱銀行調査 1991年6月号 (三菱銀行調査部) (1991年6月).pp23
  11. ^ a b 「スーパー日祐、マルキョウ傘下に 【西部】」『朝日新聞』、1996年5月16日、13面。
  12. ^ a b c d e 小原擁 (2013年9月5日). “西鉄:スーパーのマルキョウと提携 「効率化目指す」”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  13. ^ a b c “西鉄、食品スーパーのマルキョウに15%出資”.日本経済新聞(日本経済新聞社). (2013年9月5日)
  14. ^ a b c d e f “西鉄、マルキョウの筆頭株主に 資本・業務提携で合意”. 西日本新聞(西日本新聞社). (2013年9月4日)
  15. ^ a b 堀江勝(2013年9月6日). “西鉄ストア親会社、マルキョウと資本・業務提携 事業効率向上目指す”.日本食糧新聞(日本食糧新聞社)
  16. ^ a b 中山裕司(2013年12月20日). “西鉄:スーパーのマルキョウと提携 株式取得は10%に”. 毎日新聞(毎日新聞社)
  17. ^ a b c d e f g h i j 『流通会社年鑑 1980年版』 日本経済新聞社、1979年11月12日。pp138
  18. ^ a b 『日本スーパー名鑑'20 本部編』商業界、2019年11月20日、242頁。 
  19. ^ a b c d e f 『流通会社年鑑 1980年版』 日本経済新聞社、1979年11月12日。pp139
  20. ^ a b c d e f g h i 『全国食品スーパー名鑑 1973年版』 食品新聞社、1973年1月20日。pp215
  21. ^ “全国大規模小売業地域別・店別売上高ランキング(No.7)”. ヤノニュース 1980年7月15日号 (矢野経済研究所) (1980年7月15日).pp52
  22. ^ a b c d 『流通会社年鑑 1978年版』 日本経済新聞社、1977年10月25日。 pp266
  23. ^ a b c “マルキョウ佐賀店、来月閉店 中心市街地活性化に影響も”. 朝日新聞(朝日新聞社). (2013年10月30日)
  24. ^ a b c d e f g “マルキョウ佐賀店閉店へ 11月にも、人口減や高齢化響く”. 西日本新聞(西日本新聞社). (2013年10月29日)
  25. ^ a b c d e f g h i j “マルキョウ佐賀店19日閉店、高齢化や郊外店影響”. 読売新聞(読売新聞社). (2013年11月6日)
  26. ^ a b c d e f g h i “マルキョウ佐賀店、11月19日で閉店”. 佐賀新聞(佐賀新聞社). (2013年10月30日)
  27. ^ a b c d 田中韻(2014年2月1日). “バルーン博物館:整備へ 旧スーパー建物に佐賀市、熱気球資料など展示”. 毎日新聞(毎日新聞社)
  28. ^ a b 山中由睦 (2014年2月1日). “マルキョウ跡にバルーンミュージアム 佐賀市”. 朝日新聞(朝日新聞社)
  29. ^ a b c “旧・商工会館跡ぽっかり 旧・県病院も解体急ぐ”. 佐賀新聞(佐賀新聞社). (2014年10月13日)

広報など1次資料

  1. ^ a b c d e f g h 第56期決算公告” (PDF). 株式会社マルキョウ (2020年6月3日). 2021年5月11日閲覧。[リンク切れ]
  2. ^ a b 有限会社ポテトの事業一部譲受けに関するお知らせ”. マルキョウ (2009年11月13日). 2021年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月4日閲覧。
  3. ^ 西日本鉄道株式会社との資本・業務提携に関するお知らせ (PDF) - マルキョウ、2013年12月19日[リンク切れ]
  4. ^ 株式の売出し、主要株主の異動の予定に関するお知らせ (PDF) - マルキョウ、2013年12月19日[リンク切れ]
  5. ^ 株式会社マルキョウとの資本・業務提携に関するお知らせ (PDF) - 西日本鉄道、2013年12月19日[リンク切れ]
  6. ^ a b 株式会社リテールパートナーズと株式会社マルキョウの株式交換による経営統合に向けた基本合意書締結に関するお知らせ(PDF) - マルキョウ、2016年7月21日[リンク切れ]
  7. ^ 会社情報 > 沿革”. マルキョウ. 2021年10月10日閲覧。


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