ベタ ベタの概要

ベタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/24 14:20 UTC 版)

ベタ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
: オスフロネムス科 Osphronemidae
亜科 : ゴクラクギョ亜科 Macropodusinae
: ベタ属 Betta
学名
Betta
Bleeker1850
タイプ種
Betta trifasciata
Bleeker1850
シノニム

広義には、ベタ属に含まれる50種ほどのをベタ、ベタ類と総称する。「ベタ」は属の学名 Betta で、タイの方言に由来する。

特に、その中の1種であるベタ・スプレンデンス Betta splendens が、古くから特に観賞魚として世界中で広く親しまれており、狭義には、この種のことだけを指してベタと呼ぶ場合も多い。ただし、他種との繁殖行為がおこなわれることもあり、区別は曖昧である。

和名が同じタイワンキンギョおよびチョウセンブナとは近縁種 タイメコン川流域原産の熱帯魚で、大きな川から、水田、ときには洪水によって一時的にできた水溜りなどにも生息する。動物性プランクトンやボウフラなどの昆虫の幼虫類などを食べる。

もともとオスが縄張りを持つ種で、縄張り内に入る他個体を威嚇、攻撃する性質がある。飼育下でも、オス同士を混泳させると喧嘩を始めてしまうことから、2匹のオス同士を戦わせる遊戯のために飼われるようになった。品種改良の結果、より気性が荒い、強い品種ができていった。「闘魚」、「シャム闘魚」の名がある。また2匹を瓶などで仕切りにいれると互いに背ビレや尾ビレやエラを最大限まで広げて体を震えさせてに威嚇し合う(これは雄雌に関わらない)。これを「フレアリング」と言う。闘魚としての品種改良のための交配を重ねた副産物として、鮮やかな体色をもつものがあらわれ、美しさを求めてさらに品種改良が加えられ、目の覚めるような青や赤の体色で、ヒレの長い品種が誕生し、流通するようになった。

ベタ類の繁殖であるが、まず、雄が水草などの浮遊物を集め、そこに泡をつけた浮き巣(泡巣)をつくる。そして、多くの場合、雄は激しく雌を追い回す。雌が激しい求愛行動に疲労すると、雄は雌の体に巻き付いて雌に産卵を促す。雌がポロポロと産卵すると、雄はその卵に射精して、落ちた卵を泡巣に集める。このように、ベタの生殖活動は激しいので、産卵後の雌は瀕死状態であることが少なくない。他方、雄は生まれた稚魚を守る行動をとり、場合によっては、母親である雌にも攻撃をすることがある。縄張り行動や、生殖行動、巣作り、子育てなどの本能行動研究のための実験動物としても用いられている。

ラビリンス器官をもち、低酸素状態に強い。


  1. ^ Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2014). Species of Betta in FishBase. February 2014 version.
  2. ^ Species Complex Management”. International Betta Congress Species Maintenance Program. 2006年7月1日閲覧。
  3. ^ "Betta" (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2006年6月30日閲覧
  4. ^ Tan Heok Hui (2009). “Betta pardalotos, a new species of fighting fish (Teleostei: Osphronemidae) from Sumatra, Indonesia”. The Raffles Bulletin of Zoology 57 (2): 501–504. 


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