ヒストグラム ヒストグラムの概要

ヒストグラム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/25 05:16 UTC 版)

ヒストグラムの例。アメリカで1973年から1978年にかけて事故死した人数を月毎に集計したもの。横軸は各月に事故死した人数を500人毎に区切った階級を、縦軸は各階級に属する月の数(=度数)を表している。ヒストグラムからは(a)ひと月に事故死する人数の平均はおよそ8500人前後であること、(b)ひと月に事故死する人数は6500-11500人であること、(c)分布はおよそ対称であること、などが読み取れる。

工業分野では、パレート図チェックシート管理図特性要因図、層別法、散布図と並んで、品質管理のためのQC七つ道具として知られている。

語源

histogram (ヒストグラム)の語源は、定かではないが、古代ギリシャ語で「なにかを直立にする」(帆船マスト織機のバー、ヒストグラムの縦棒など)という意味の ἱστόςistos、イストス)と、「描いたり、記録したり、書いたりすること」という意味の γράμμαgramma、グラマ)を合わせた用語だといわれている。この用語は、イギリス統計学者カール・ピアソン1891年に historical diagram から創案したともいわれている[2]

定義

日本工業規格 JIS Z 8101-1:2015 (国際規格 ISO 3534-1:2006 と同等)の「1.61 ヒストグラム」では、次のとおりに規定している[3]

底辺の長さが級の幅(1.58)に等しく,その面積が級の度数に比例する近接する長方形からなる度数分布(1.60)のグラフ表現。

注記 1 級の幅が不均一な場合には,注意が必要である。級の幅が不均一な場合には,級の面積を級の度数に比例させるとよい。

注記 2 全ての級の幅を等しくし,長方形の高さを級の度数に比例させるのが一般的である。

同じデータから作られた一般的なヒストグラム(左)と累積度数図。このデータは平均 0、標準偏差 1 の正規分布から無作為に選んだ 10,000 点のサンプルを示している。

ヒストグラム

ヒストグラムは、各々が互いに素である区間・階級(カテゴリ、これをビン (bins) という。ヒストグラムのグラフの)のこと)に分類できる、観察結果の数を図にしたもの。計算する関数 mi である。ヒストグラムの図は、階級を一つ決めた時のヒストグラムを表現する方法である。階級の幅は一つの階級のデータ数が全データ数の平方根程度がよいとう見解をはじめ何種類か推奨がある(後述)[4]。基準点も0を含む場合には0を基準点にすることがある。それ以外の場合には、最小値、最大値を含む切りのよい値にする方法と、切りのよい数を中央値とする方法がある。すべての観察結果の数 n とすべての階級の数 k、ヒストグラム mi を与えて、これらには以下の式の関係が成り立つ。

図1.ウィキペディア日本語版の記事「ヒストグラム」の2013年1月における閲覧回数から作成されたヒストグラム

これを集計すると、次のようになる。上述の通り、階級の数と幅の設定には諸説あるが、ここでは階級の数を 8、幅を 100 とした。

閲覧回数 その回数を記録した日数
0 - 99 1
100 - 199 2
200 - 299 4
300 - 399 5
400 - 499 4
500 - 599 7
600 - 699 7
700 - 799 1

[表の見方] 400 - 499 の欄が 4 となっているのは、1 日の記事「ヒストグラム」の閲覧回数が 400 回から 499 回であった日が2013年1月に 4 日あったことを意味する。

したがって、これをヒストグラムにすると、図1のようになる。


  1. ^ a b ヒストグラム”. J-GLOBAL. 2020年11月27日閲覧。
  2. ^ Magnello 2006.
  3. ^ JIS Z 8101-1.
  4. ^ 西岡, 1.4 度数分布 p.8.
  5. ^ JIS Z 8101-1 : 1999, 2.5 累積度数.
  6. ^ 閲覧回数のデータはWikipedia article traffic statisticsによった。
  7. ^ たとえば Venables & Ripley 2002, § 5.6 "Density Estimation".
  8. ^ Microsoft Excelのヒストグラムやその他多数で採用されている。
  9. ^ Sturges 1926.
  10. ^ Scott 1979.
  11. ^ フリードマン=ダイアコニスの法則の出典は Freedman & Diaconis 1981
  12. ^ Shimazaki & Shinomoto 2007.


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