ハンナ・バーベラ・プロダクション
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沿革
創業とヒット作
1957年7月7日、MGMのアニメーション部門の監督だったウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラの個人事業としてH-B エンタープライズ(H-B Enterprises)が設立された。テレビコマーシャルなどのフリーランスの仕事をMGMのアニメ制作の片手間に行っていた。1957年5月15日にMGMがアニメーションスタジオを閉鎖しアニメーターが解雇されると、ハンナとバーベラは H-B エンタープライズを拠り所にして再出発した。
彼らは独自のテレビ向けアニメーションなどを制作し、1960年にハンナ・バーベラ・プロダクションと社名変更した。30年以上にわたり、ハンナ・バーベラ・プロダクションは『原始家族フリントストーン』、『宇宙家族ジェットソン』、『珍犬ハックル(ハックルベリー・ハウンド)』、『クマゴロー(ヨギ・ベア)』、『JQ(ジョニー・クエスト)』、『弱虫クルッパー(スクービー・ドゥー)』、『森のスマーフ』などの人気シリーズを制作し、そのいくつかはアメリカン・ポップカルチャーの象徴的存在となった。
ターナー傘下とカートゥーン ネットワーク
1991年、ハンナ・バーベラ・プロダクションはCNNの創業者テッド・ターナーが率いるターナー・ブロードキャスティング・システムの出資を受けた。これにより、既に過去のワーナー・ブラザースやMGMの短編アニメ映画のライブラリを所有していたターナーはハンナ・バーベラのアニメも手に入れ、アニメーションのライブラリをさらに増やすことができた。これらは翌1992年に開局した新しいケーブルテレビチャンネル、カートゥーン ネットワークの基礎となった。1992年にはハンナ・バーベラは社名をH-B プロダクション・カンパニー(H-B Production Company)に、1993年にはハンナ・バーベラ・カートゥーン(Hanna-Barbera Cartoons)に変更したが、アニメーション制作は続行した。ただしウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラは半分引退し、新作制作にはたまに関与するものの、もっぱらスタジオの顔としての活動を行っていた。
1990年代後半を通じ、ターナーはハンナ・バーベラの第一の活動目標をカートゥーン ネットワークのための新作制作へと変えた。1994年にはハンナ・バーベラの子会社として、カートゥーン ネットワーク向けの新作を制作するカートゥーン ネットワーク・スタジオ(Cartoon Network Studios)が設立され、『パワーパフガールズ』(The Powerpuff Girls)などの制作にあたった。
吸収合併
1996年、ターナー・ブロードキャスティング・システムがタイム・ワーナー(現:ワーナー・ブラザース・ディスカバリー)に買収され、2001年3月22日にウィリアム・ハンナが没すると、ハンナ・バーベラはワーナー・ブラザースのアニメーション子会社、ワーナー・ブラザース・アニメーション(Warner Bros. Animation)へ吸収され、消滅した。ジョセフ・バーベラは2006年12月18日に没するまでワーナー・ブラザース・アニメーションの象徴として在籍し続けた。
「ハンナ・バーベラ」のブランドは現在、ワーナー・ブラザース・アニメーションのライブラリ資産の名称や、過去の作品(『フリントストーン』『スクービー・ドゥー』『ジョシー・アンド・ザ・プッシーキャッツ』)をワーナー・ブラザースが実写映画化する際の宣伝用としてのみ使われている。
一方、カートゥーン ネットワーク・スタジオは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのグループ企業ながらワーナー・ブラザース・テレビジョン・スタジオの下で存続しており、現在もカートゥーン ネットワークのために『ビリー&マンディ』(The Grim Adventures of Billy and Mandy)や『サムライジャック』(Samurai Jack)などを制作している。
日本での人気
1960年代前半の日本では、国産テレビアニメ黎明期であったことから、ハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品を日本語吹き替えしたものがテレビで毎日のように放送されていた。これらのほとんどは、音響監督の高桑慎一郎によって日本独自の邦題とコミカルな歌詞の主題歌が付けられローカライズされた[2]。1990年頃には日本コロムビアがバーベラと提携し、ソフト販売を行った[注 3]。この際に使用された吹替版は『チキチキマシン』シリーズを除いて高桑を再登板させて制作した新録版となっており、キャラクターの名前などは原語版に沿った物になっている[6]。2018年1月30日にサービスが開始するライブ配信サービスのdTVチャンネルにて「ブーメラン」としてチャンネルが開局され、2022年3月31日まで、ハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品が放送された。2022年11月13日にカートゥーン ネットワークでハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品における地上波放映時の日本語吹き替えを再開した。
注釈
- ^ ディスカバリーチャンネル、アニマルプラネット、カートゥーン ネットワーク、MONDO TV、旅チャンネル、ムービープラス、女性チャンネル♪LaLa TV。
- ^ 2022年4月現在、ターナージャパンも含むターナー・ブロードキャスティング・システムの資産はワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)が所有し、同年6月22日にワーナーメディア・ジャパンは、ディスカバリー・ジャパンと統合し、ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパンとして新体制に移行した[3]。その後、2023年8月1日、ディスカバリー・ジャパンは旧ワーナー系のターナージャパンとJCOMが運営していたジュピターエンタテインメントを統合。計7チャンネル[注 1]を運営することになったため[4][5]、日本コロムビアにおけるハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品のソフト販売提携を終了することになった。
- ^ ただし、日本コロムビアにおける一部のハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品のソフト販売によっては「ターナー・ホーム・エンターテイメント・インターナショナル」レーベル及び「ターナー・ピクチャーズ・ワールドワイド・ディストリビューション」レーベルとして取り扱っているため、提供はターナージャパンが担当している。これは、2019年1月1日にターナージャパンがターナー・エンタテインメント・ジャパン・ホールディングスを吸収合併したからである[注 2]。
出典
- ^ Ramachandran, Naman (2021年4月7日). “WarnerMedia Reinstates Iconic Hanna-Barbera Brand With London-based European Studio” (英語). Variety. 2021年4月7日閲覧。
- ^ ハンナ・バーベラ歴代アニメの主題歌は、2002年4月24日に『ハンナ・バーベラ同窓会[トムとジェリー~チキチキマシン猛レース]』としてCDが発売されたため、現在のハンナ・バーベラ歴代アニメの主題歌における音楽制作は、ワーナーミュージック・ジャパンが担当している。
- ^ “WBDiscoveryより新体制のご案内”. ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン (2022年6月22日). 2022年7月1日閲覧。
- ^ “J:COMとワーナー・ブラザース・ディスカバリーが日本での戦略的提携を拡大ディスカバリーチャンネル、アニマルプラネット、カートゥーン ネットワーク、MONDO TV、旅チャンネル、ムービープラスおよびLala TVの7チャンネルを合弁会社で一括運営へ”. JCOM株式会社 (2023年8月8日). 2023年8月16日閲覧。
- ^ “JCOM、米ワーナーと提携拡大 「放送+配信」模索”. 日本経済新聞 (2023年8月8日). 2023年8月16日閲覧。
- ^ 今の子供はカタカナの方が馴染み易いという判断による物である。なお、『クマゴロー』『宇宙家族』『原始家族』『どら猫大将』の4作に関しては後にテレビ放送時の音源を使用したVHSソフトが発売されている。
固有名詞の分類
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