ドラッグオンドラグーン3 ストーリー

ドラッグオンドラグーン3

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/28 03:57 UTC 版)

ストーリー

プロローグ

遠い昔、世界は暴虐な領主たちによって圧政が敷かれ、多くの人々が苦しめられていた。だがある時、「ウタウタイ」と呼ばれる五人の女性が現れる。彼女たちは「ウタ」を歌うことで様々な魔力を行使できる特殊な力の持ち主だった。五人のウタウタイたちはその力で各地の領主を次々討伐し、やがて世界に平和をもたらした。彼女たちは人々から女神「ウタヒメ」として崇められ、領主に代わり各国を統治することとなる。

だがそれからしばらく経ったある日、ウタヒメたちの姉であるゼロが突如白いドラゴンと共に姿を現す。彼女は自分の妹たちを全員抹殺しようと目論んでおり、そのためにウタヒメの筆頭であるワンが治めている教会都市を襲撃する。しかしワンを始めとする妹たちのウタによってドラゴンの攻撃は防がれ、ワンが従える黒いドラゴン、ガブリエルによって白いドラゴンは致命傷を負い、ゼロも重傷を負ってどこかへと姿を消した。

本編

教会都市の襲撃から約一年後。白いドラゴンの転生体ミハイルと共に海の国に潜伏していたゼロは、再び妹たちを殲滅する戦へと臨もうとしていた。

最初の標的は同国を統治していた末妹ファイブ。ミハイルと協力して彼女を撃破したゼロは、彼女の使徒ディトを仲間として引き入れ、次なる標的フォウの元へと向かう。

フォウを探して山の国を訪れたゼロ一行は、同国にある要塞を襲撃する。しかしそこにフォウの姿はなく、彼女が既に飛空艇で脱出していたことを知る。ゼロはミハイルを駆って後を追い、フォウを撃破。彼女の使徒デカートを仲間として引き入れる。

次なる目標はスリイ。彼女が治める森の国へと入ったゼロ一行は、そこでスリイの使徒オクタと出会う。彼はスリイから離反し、ゼロの側に付くという。オクタを引き入れたゼロは、彼に案内されてスリイの元へとたどり着く。そうしてスリイを撃破するゼロだったが、突如としてミハイルが暴走。動揺しているゼロたちの前にトウの使徒セントが現れ、ミハイルを連れ去ってしまう。

ミハイルの奪還とトウの殺害を目指し、ゼロ一行は砂の国へと向かう。そこで無事にミハイルを救出した一行は、トウとセントを追って砂の神殿へ入る。神殿の奥で出会ったトウは精神を病んでおり、セントの力で無理やり戦うも、あえなくゼロに撃破される。トウを失ったセントはゼロ一行に加わる。

こうして四人の妹を撃破したゼロは、最後の標的ワンが治める教会都市へと向かう。

分岐

過去作同様に本作もマルチエンディング方式を採用しており、物語は複数の分岐と結末を見せる。

A分岐
四人の妹を殺したゼロ一行は、最後の一人、ワンのいる教会都市に辿り着く。ゼロは最後の決戦を前に使徒達を「元の姿」へと戻して解放し、たった一人と一匹になってワンの待つ聖堂へと突入する。
聖堂にてワンとガブリエルと戦うゼロたちだったが、強大な力を振るう2人の前に苦戦を強いられる。ミハイルも重傷を負ってしまい窮地に陥るが、ゼロから転生を命じられていたはずのミハイルがそれに使うはずの莫大なエネルギーをガブリエルへの攻撃へと使う。結果としてミハイルは死亡してしまうもののガブリエルを瀕死へ追い込むことに成功し、ゼロはミハイルを失った悲しみに苛まれながらもガブリエルを、そしてワンを葬ることに成功する。
全てが終わり、背後で息絶えているミハイルのもとに近寄ろうとするゼロ。しかしその時、背後から無傷のワンに突き刺される。その正体は、ワンがこの時のために用意した容姿が瓜二つの「弟」だった。ドラゴンの体組織から作られた剣で刺されたゼロは、再生することもできず死に至る。
一人残され生きる意味も希望も失った弟は、新たにワンを名乗り、姉を称える組織「天使の教会」の設立を呟きつつ聖堂から去っていく。そんな彼らの有様を、一人の女性が見つめていた。
結果として姉妹は全滅したものの、微弱ながら「花」の力を宿したワン(弟)が生存してしまったことで、「花」の脅威を排除しきれずに終わる。
B分岐
オクタを仲間にした時点から分岐した物語。ファイブとフォウは既に殺害されており、ゼロがスリイを求めて森の国を進んでいるところから始まる。A分岐とは違ってセントが既に一行と行動を共にしており、かつトウのことを知らない。なお、そのことについてゼロは「本来ならトウとセントは共に行動しているはずなので、知らないのはおかしい」と違和感を覚えていた。また森の国の雰囲気も大きく違っており、生物の気配が消え、毒の瘴気に満ちている。
スリイを探して森の国へと入ったゼロ一行は、森の奥でスリイを発見する。しかし彼女は既に瀕死の状態だった。スリイは森の異変の原因をワンだと考え、彼女を殺害しようと行動している折に何者かの襲撃に遭ったという。間もなく死亡したスリイを置いて森を進むと、今度はワンが串刺しになって死亡していた。そして同時に、2人を殺害した犯人だと思われるウタヒメ、トウもそこに居た。
トウと相対するゼロ。トウに襲いかかるディトを前に、セントは持っていないはずの「トウとの記憶」を思い出す。そしてゼロを裏切ってトウの元へ付き、トウと共にゼロへと襲いかかる。
全ての使徒を失いながらもトウとセントを撃破するゼロだったが、トウたちが最期の力で召喚した魔獣「ラファエル」の猛毒によってミハイルが大きなダメージを受け、転生を行うこともできずに死亡する。
ゼロはミハイルの喪失を拒み、「花」の「リ・プログラム機能」を利用して「契約」という新たな概念を創造。己の心臓たる「花」をミハイルに宿すことで復活させることに成功する。しかし、その代償としてゼロは幼い少女となってしまう。
結果としてゼロは「花」を失いつつも生存し、ミハイルは駆逐対象たる「花」と共存するという異例の事態となった。観測者「アコール」は、この世界の動向を記録していく判断を下す。
C分岐
スリイ殺害後、攫われたミハイルを救出した時点から分岐した物語。この分岐のセントはA分岐と同様にトウの使徒であったようだが、彼女とは袂を分かち、ゼロに同行している。またミハイルがトウと接触したことが原因で変調をきたし、衰弱している。
ミハイルが衰弱した原因をウタウタイによってかけられた呪いだと推測したゼロたちは、元凶だと思われるトウを探して教会都市へと向かう。情報通りトウは教会都市におり、ゼロたちはミハイルにかけられた呪いの解除を求めてトウと戦う。戦闘の末にトウを下すことに成功するゼロたちだったが、トウが事切れる寸前に「花」の力を開放して自爆。使徒達は全員跡形もなく消滅してしまう。
トウが死んでもミハイルの呪いは解けず、仕方なく2人はそのままの状態でワンとの決戦へと突入する。その結果ミハイルはガブリエルを打ち倒すことに成功するも、相打ちとなって死亡してしまう。また残されたゼロもワンの撃破に成功するが、「花」を駆逐する術であり心の支えでもあったミハイルを失ったことで精神が崩壊。自分を殺せる新たな竜を求めながら、覚束ない足取りでどこかへと消えてしまう。
その様子を見ていたアコールは、イレギュラーが多発したこの分岐にはもう未来がないことを悟り、分岐の閉鎖を決める。
D分岐
フォウを探して森の国を探索している時点で分岐した物語。ファイブに加えてトウが既に死亡しており、使徒たちは既に全員仲間として加わっている。また他の分岐以上に「花」の力が強まっており、もう後がないということをアコールから警告される。
「花」の力が強まったことにより魔獣化したドラゴンを召喚できるようになったフォウ、殺したはずがソンビと化して復活したファイブ、そしてエンシェントドラゴンをも召喚できるようになったスリイなどと戦うゼロ一行。ゼロは彼女らの強大な力を前に苦戦するも、使徒たちがその身を呈して召喚した天使の力もあってその全てを倒す。
オクタを除く全ての使徒が力を使い果たして「元の姿」へと戻り、ゼロはオクタと、そしてミハイルを連れてワンとの決戦へと挑む。戦いの末ミハイルがガブリエルを倒すことに成功するも、限界近くまで「花」の力が増大したワンにはオクタの犠牲を伴ってなお届かず、ゼロたちは追い込まれてしまう。しかし、そこで観測者の役割を半ば放棄したアコールが割って入る。新たな未来へと到達するため、その権限ギリギリの干渉を行うことでワンを倒す糸口を示し、とうとうゼロは全ての妹たちの抹殺に成功する。
残す「花」とウタウタイはただ一人。ゼロはその抹殺をミハイルに託し、ミハイルはそれを静かに受諾する。教会都市に巨大な「花」が現れ、最後の歌が鳴り響く。ミハイルはたった一人でその歌を防ぎ切り、渾身の炎によって「花」を異界へと封印する。最後の最後、暗闇の中でゼロと「楽しかったよ」という会話を交わしながら。
この分岐において「花」の脅威は消滅した、と他の「観測者」によって語られる。なお、封印が解かれる危険性も同時に言及された。

注釈

  1. ^ その様子は本編ではほぼ描かれておらず、公式小説や派生作品にて確認することができる。
  2. ^ 『ドラッグオンドラグーン 死ニ至ル赤』2巻83頁に記載されている対談において、「『DOD』の世界は我々(プレイヤー)の世界と地続きである」ということが、同書145頁に記載されている対談では「『DOD1』に登場した女神の城はルーマニアのあたりにある」ということが語られている。
  3. ^ 『DOD1』は西暦1090年代、『DOD2』は西暦1110年代の物語である。
  4. ^ 公式小説『オクタ All You Need Is Joy』において、オクタがディオゲネス・ラエルティオスの『ギリシア哲学者列伝』に酷似した内容の本を手にする様子や、本から得た知識として現実に実在した偉人の言葉を引用する場面がある。
  5. ^ それらが「分岐した世界であること」や、分岐を引き起こしている「特異点」について把握していたかは不明である。
  6. ^ ゼロの左腕が治らず義手となっているのも、それがドラゴンであるガブリエルから受けた傷だからである。
  7. ^ 「ワン 鏡よ、鏡」のみ、本編のA分岐後の物語となっている。
  8. ^ タイトルは『終わりの雨と始まりの花』となっている。
  9. ^ タイトルは『鏡よ、鏡』となっている。

出典

  1. ^ a b PS3「ドラッグ オン ドラグーン3」は10月31日発売。豪華アイテムを同梱した「DRAG-ON DRAGOON 10周年記念BOX」の予約受付がスクウェア・エニックス e-STOREでスタート”. 4Gamer.net. 2013年6月27日閲覧。
  2. ^ ついにシリーズ再始動! 「ドラッグ オン ドラグーン3」がPS3で2013年に発売。ヨコオタロウ氏を始め,制作にはお馴染みのスタッフが集結”. 4Gamer.net. 2013年3月14日閲覧。
  3. ^ 「ドラッグ オン ドラグーン3」クオリティアップのため,発売日が12月19日へと変更に”. 4Gamer.net. 2013年8月22日閲覧。
  4. ^ 『NieR:Automata Strategy Guide ニーア オートマタ 攻略設定資料集 ≪第243次降下作戦指令書≫』287頁。
  5. ^ 「見えない壁」に取り囲まれたゲーム業界への想い。ヨコオタロウ氏が「ドラッグ オン ドラグーン3」やゲームの未来を語ったインタビューを掲載4Gamer.net 2014年02月28日
  6. ^ 『ドラッグオンドラグーン3 設定資料集+ザ・コンプリートガイド』157頁。
  7. ^ 『ドラッグオンドラグーン3 設定資料集+ザ・コンプリートガイド』158頁。
  8. ^ 『ニーア ザ・コンプリートガイド+設定資料集 GRIMOIRE NieR』165頁。
  9. ^ 『ニーア』のエアリーな楽曲とは異なる『ドラッグ オン ドラグーン3』の音楽性とは? サウンド担当・岡部氏インタビュー【電撃DOD3】”. 電撃オンライン. 2013年7月29日閲覧。
  10. ^ a b Drakengard 3 for PlayStation 3”. Metacritic. 2014年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月20日閲覧。
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  20. ^ a b GEIMIN.NET/2013年テレビゲームソフト売り上げランキング(ファミ通版)” (Japanese). 2014年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月29日閲覧。
  21. ^ a b 2013年度ゲームソフト販売ランキングTOP100! 1位は2バージョン合計で411万本を販売した3DS『ポケットモンスター X・Y』が獲得”. 電撃オンライン (2014年5月12日). 2014年6月8日閲覧。
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