シーズ・ア・ウーマン シーズ・ア・ウーマンの概要

シーズ・ア・ウーマン

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シーズ・ア・ウーマン
ビートルズ楽曲
英語名She's a Woman
リリース
  • 1964年11月23日
  • 1964年11月27日
  • 1965年1月5日
規格7インチシングル
A面アイ・フィール・ファイン
録音
ジャンル
時間3分
レーベル
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
チャート順位
後述を参照
ビートルズ シングル U.K. 年表
ビートルズ シングル U.S. 年表
ビートルズ シングル 日本 年表
パスト・マスターズ Vol.1 収録曲
アイ・フィール・ファイン
(14)
シーズ・ア・ウーマン
(15)
バッド・ボーイ
(16)

ビートルズは、アルバム『ビートルズ・フォー・セール』のセッション中である1964年10月に「シーズ・ア・ウーマン」のレコーディングを行なった。マッカートニーは、レコーディング直前のスタジオで曲の大部分を書いた。シンプルなアレンジで、ジョン・レノンリズムギターオフビートで演奏し、ベースがレコーディングの軸となる機会を与えている。本作はその後、『レアリティーズ』(イギリス盤)、『パスト・マスターズ Vol.1』、『モノ・マスターズ』などのコンピレーション・アルバムに収録された。

「シーズ・ア・ウーマン」は、マッカートニーの力強いボーカルやバンドの派手な伴奏により、複数の音楽評論家から肯定的な評価を得ているが、「歌詞が弱い」と評価する評論家も存在する。ビートルズは、BBCラジオ用に本作を2回録音したほか、1965年と1966年のツアーで定期的に演奏していた。1965年8月のハリウッド・ボウル公演でのライブ音源が、1977年に発売された『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!』に収録され、1966年6月の日本武道館公演でのライブ音源が、1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』に収録された。また、マッカートニーもソロ・ライブで演奏しており、1991年に発売されたライブ・アルバム『公式海賊盤』に収録された。また、本作はチャールズ・リヴァー・ヴァレー・ボーイズ英語版ジェフ・ベックスクリッティ・ポリッティらによってカバーされている。


注釈

  1. ^ 「キャント・バイ・ミー・ラヴ」は、五音音階のヴァース-リフレインと長音階のコーラスを特徴としている[15]
  2. ^ ディランは「抱きしめたい」を初めて聴いたとき、「I can't hide」というフレーズを「I get high」と勘違いしていた[23][24]
  3. ^ このジャムを含むテイクは、マーティンが「テイク5。いや、テイク7」と紹介していることから、テイク7とされることもある。ビートルズの伝記作家であるジョン・C・ウィンは、何度か曲の冒頭での演奏ミスを繰り返したため、マーティンが混乱した可能性が高いと述べている[26]
  4. ^ スタインウェイ・ハーディグランドは、「アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー」、「ペニー・レイン」、「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」、「レディ・マドンナ」、「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」でも使用された[30]
  5. ^ アメリカでは、キャピトル・レコードがビートルズのアルバムから一部収録曲をカットし、シングル曲を加えるなどの再構成を行なって、イギリスよりも多くアルバムが発売されていた[39]
  6. ^ 「ホワット・ユー・アー・ドゥーイング」の「オーバードライブしたギターとドロップインするピアノ」、「エイト・デイズ・ア・ウィーク」の「先駆的なフェード・イン」が例として挙げられる[52]
  7. ^ 1964年に発売されたビートルズの楽曲で、チョーキングが含まれているのは「シーズ・ア・ウーマン」、「ベイビーズ・イン・ブラック」、「カンサス・シティ」の3曲。エヴェレットは、これらの例が1965年に発売された「涙の乗車券」、「アナザー・ガール」でマッカートニーがエピフォン・カジノで弾いたギター・パートを予見させると書いている[16]
  8. ^ 『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』には、1965年のシェイ・スタジアム公演でのライブ音源が収録予定となっていたが、こちらは未収録となった[70]
  9. ^ このカバー・バージョンは、2007年にエレクトラ・レコードから発売されたコンピレーション・アルバム『Forver Changing: The Golden Age of Elektra 1963-1973』にも収録されている[74]
  10. ^ エヴェレットとウィンは、リードギターの演奏者としてハリスンの名を挙げているが[11][28]、マクドナルドは、サウンドや演奏スタイルから、最終レコーディングでハリスンは演奏しておらず、代わりにマッカートニーがリードギターをオーバー・ダビングしたのではないかと推測している[80]。伝記作家のジーン・ミシェル・ゲドンとフィリップ・マーゴティンは、マクドナルドの推測に対して、ギターソロはチェット・アトキンスから影響を受けており、「確実」にハリスンの演奏スタイルであると反論している[81]

出典

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  2. ^ a b Riley 2002, p. 118.
  3. ^ a b O'Grady 1983, p. 56, Both "I Feel Fine" and "She's a Woman" are heavily rhythm and blues influenced pop-rock songs.
  4. ^ a b Ingham 2009, p. 72.
  5. ^ a b c The Hot 100 Chart”. Billboard (1964年12月26日). 2020年8月29日閲覧。
  6. ^ a b Lever hit parades: 24-Dec-1964”. Flavour of New Zealand. 2020年8月29日閲覧。
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  11. ^ a b c d e f Everett 2001, p. 266.
  12. ^ a b c d Pollack 1992.
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  15. ^ a b Everett 2009, p. 170.
  16. ^ a b c d Everett 2001, p. 267.
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  20. ^ Everett 2001, p. 261.
  21. ^ Hertsgaard 1995, p. 103, She's a Woman' hinted at ... the Beatles' initiation (courtesy of Bob Dylan) into smoking marijuana. ... Paul sings that his lover 'turn(s) me on when I feel lonely.' It was the Beatles' first explicit reference to drugs; Hertsgaard 1995, p. 195, The Beatles' first musical reference to marijuana came a mere six weeks after their hotel room encounter with Dylan, when John and Paul inserted the line 'turns me on' into the song 'She's a Woman'; Everett 2001, p. 266, For all the celebrated conjecture as to references to recreational drugs in the Beatles' lyrics, the earliest example, recorded two months after the group's first exposure to marijuana, has escaped most attention, as ['She's a Woman'] is hardly a drug-based song;
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  85. ^ Cash Box YE Pop Singles - 1965”. tropicalglen.com. 2022年2月20日閲覧。






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