サッカー選手 サッカー選手の概要

サッカー選手

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 00:51 UTC 版)

リオネル・メッシ2022 FIFAワールドカップ アルゼンチン代表

全世界では、約2億5000万人のサッカー選手が存在すると推定されている[1]

概要

ジャン=ピエール・パパンは、サッカーを「世界共通語」と説明している[2]。サッカー選手は一般的に、ユースチームアマチュアチームでキャリアをスタートし、プロサッカー選手を目指す。

収入

ヨーロッパのプロリーグでは、非常に高い収入を得ることができる。プレミアリーグの選手は、平均で年間約100万ドルもの収入を得ている[3]。特に、強豪クラブの選手は、平均で年間600万ドルから800万ドル[4]、その中でもトップレベルの選手は7000万ドルもの収入を得ることができる[5]

しかし、実際にこのレベルでプレーできるのは、一部の選手のみであり、サッカー選手の多くはセミプロ選手である。上記のような収入の多いリーグ以外のリーグでプレーする選手の収入は、比較的一般的な額である。また、ポジションによって年俸に差があり、攻撃的なポジションの選手に比べて守備的なポジションの選手の年俸は低い傾向にある。例えば、アメリカの一部リーグに相当するメジャーリーグサッカー2013年の平均年俸は、148693ドルだったが、フォワードの選手の平均年俸が251,805ドルであったのに対して、ゴールキーパーの平均年俸は85,296ドルと、166,509ドルもの差があった[6]。また、女子サッカー選手の平均収入は、男子より圧倒的に低い[7]。例えば、アメリカの女子サッカーリーグ、ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグに所属する選手の年俸は、30,000ドルにも満たない[8]。この原因について、経済ニュースプラットフォームNewspicksは、「観戦する人が少ない上に、市場が小規模であることに起因している」と述べている[9]

ジネディーヌ・ジダンは、引退後、古巣レアル・マドリードの指導者に就任した。 1990年代後半から〜ドイツワールドカップがあった2006年まで 優秀な選手として活躍した。

引退後、一部のサッカー選手は、指導者など、サッカー界での仕事を続けることがある。1979年の研究では、より高いレベルのチームの選手の方が、引退後にサッカークラブの幹部の内の多くを占め、また、多くの所得が得られることが分かった[10]。それ以外のキャリアパスとしては、サッカー番組等でのコメンテータをはじめとするメディア業界での仕事、アパレルブランドや飲食業の経営や不動産投資などを引退後の道として選ぶ選手もいる。[11]

パフォーマンスの心理的側面

サッカー選手のパフォーマンスは、一般的にホームチームよりもアウェーチームの方が低下するとされている。これは、ホームアドバンテージによるものである。 この現象の原因は科学的には解明されていない[12]。また、別の研究では、審判ペナルティーキックのために0.2秒未満の短いホイッスルを吹いた後では、長く吹かれた後よりも、ペナルティーキックを失敗する可能性が高いことが分かっている[13]


  1. ^ ブリタニカ百科事典 2018年7月7日閲覧
  2. ^ アンネ=セシーレ・ジャラッセ; K・ユリア; アンドリュー・ブルジェス (2007年3月30日). “ジャン=ピエール・パパン「サッカーは世界共通語だ」”. cafébabel.com. http://www.cafebabel.co.uk/article/20539/jean-pierre-papin-football-is-a-universal-language.html  2018年7月7日閲覧[リンク切れ]
  3. ^ ニック・ハリス (2011年1月20日). “週給£20から£33,868まで:イングランドサッカーと収入の歴史”. Sporting Intelligence. http://www.sportingintelligence.com/2011/01/20/from-20-to-33868-per-week-a-quick-history-of-english-footballs-top-flight-wages-200101/  2018年7月7日閲覧
  4. ^ ヨーロッパの裕福なクラブの収入 - soccermommanual.com 2018年7月7日閲覧
  5. ^ クリスティアーノ・ロナウドの平均収入 - forbes.com 2018年7月7日閲覧
  6. ^ MLSの選手の平均年俸 - everydaylife.globalpost.com 2018年7月7日閲覧
  7. ^ 「なでしこ」だけではない女子サッカー選手の低賃金 - newsweekjapan.jp 2018年7月7日閲覧
  8. ^ アメリカの女子サッカー選手の収入 - oureverydaylife.com 2018年7月7日閲覧
  9. ^ なぜ女子サッカー選手の給料は安いのか - Newspicks.com 2018年7月7日閲覧
  10. ^ アレン・L・サック; ロバート・チール (January 1979). “大学サッカーと社会的流動性:ノートルダム大学のサッカー選手の例”. ソーシャルジー・オブ・エデュケーション英語版 (SAGE英語版) 52 (1): 60–66. doi:10.2307/2112594. JSTOR 2112594. 
  11. ^ Bailey, Mark (2014年8月15日). “What do footballers do when they retire?” (英語). ISSN 0307-1235. https://www.telegraph.co.uk/men/active/11028666/What-do-footballers-do-when-they-retire.html#:~:text=Many%20former%20players%20seek%20new,to%20working%20in%20financial%20services. 2020年8月31日閲覧。 
  12. ^ リチャード・ポラード (June 2008). “サッカーのホームアドバンテージ:未解決のパズルの現在の状況”. The Open Sports Sciences Journal (ベンサム・サイエンス・パブリッシャーズ英語版) 1: 12-14. doi:10.2174/1875399X00801010012. https://doi.org/10.2174/1875399X00801010012. Pdf.
  13. ^ ゲイル・ジョーデット; エスター・ハートマン; エイナー・サイモンスタッド (November 2009). “代表戦におけるPK戦でのプレッシャー”. Psychology of Sport and Exercise (エルゼビア) 10 (6): 621–627. doi:10.1016/j.psychsport.2009.03.004. https://doi.org/10.1016/j.psychsport.2009.03.004.  PKを蹴るのを急ぐ選手は失敗しやすい。2016年10月
  14. ^ A・ストラドウィック; T・レイリー; D・ドラン (June 2002). “優れたサッカー選手のフィジカルデータ”. The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness (ヨーロッパ・パブメッド・セントラル英語版) 42 (2): 239–242. PMID 12032422. http://europepmc.org/abstract/MED/12032422/reload=0;jsessionid=NPCiMZG7kKrWxI4wXOL0.4. 
  15. ^ T.L.シュベンク; D.W.ゴレンブロ; R.R.ドップ; E.ヒップル (April 2007). “元サッカー選手のうつ病発生率”. Medicine and Science in Sports and Exercise 39 (4): 599–605. doi:10.1249/mss.0b013e31802fa679. PMID 17414796. http://www.medscape.com/viewarticle/555786. 
  16. ^ セルジ・ブランド; ヨハネス・ベック; Gerber, Markus; マルティン・ハッツィンガー; ホルスベア=トラッシュスラー。ガーバー、マルクス;, Edith (November 2009). “サッカーはあなたの睡眠に良い影響を与える。”. ジャーナル・オブ・ヘルス・サイコロジー英語版 (SAGE英語版) 14 (8): 1144–1155. doi:10.1177/1359105309342602. PMID 19858334. https://doi.org/10.1177/1359105309342602. 
  17. ^ オリバー・キス、アレクサンダー・クルティグ、カリン・H・グレイザー「サッカー選手の寿命」『Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports』第21巻第6号、ワイリー・ブラックウェル英語版、2011年12月、e260–e265、doi:10.1111/j.1600-0838.2010.01269.x. Pdf.
  18. ^ イジー・コーマック; アストリッド・ユンゲ; ラース・ペーターソン; イジー・ドヴォルザーク (September 2000). “サッカー選手の怪我の要因”. アメリカン・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン英語版 (SAGE英語版) 28 (s5): s58–s68. doi:10.1177/28.suppl_5.S-58. https://doi.org/10.1177/28.suppl_5.S-58. 
  19. ^ a b ヤン・エクストランド (2012). “UEFAによるプロサッカー選手の怪我に関する研究”. Sports Injuries prevention, diagnosis, treatment and rehabilitation (Heidelberg New York: Springer-Verlag Berlin Heidelberg): 871–875. doi:10.1007/978-3-642-15630-4_111. ISBN 978-3-642-15629-8. 
  20. ^ アドリアーノ・キオ; ジャンマルティーノ・ベンジ; マウリジア・ドッセーナ; ロベルト・ムターニ; ガブリエレ・モラ (January 2005). “イタリアのプロサッカー選手における筋萎縮性側索硬化症のリスク”. ブレイン英語版 (オックスフォード大学出版局) 128 (3): 472–476. doi:10.1093/brain/awh373. PMID 15634730. https://doi.org/10.1093/brain/awh373. 
  21. ^ O.ソートランド; A.T.ティッシャー (March 1989). “元サッカー代表選手の脳損傷:コンピュータ断層撮影による検査”. Neuroradiology (シュプリンガー) 31 (1): 44–48. doi:10.1007/BF00342029. PMID 2717003. https://doi.org/10.1007/BF00342029. 
  22. ^ a b サッカーのヘディング、脳の機能や記憶力に大きく影響 - afpbb.com
  23. ^ ヘディングが記憶障害を起こす? 脳への悪影響が英の大学研究で判明 - soccer-king.com
  24. ^ 米で禁止令。ヘディングは害悪か?健康被害だけでなく、競技そのものに影響をもたらす可能性も - footballchannel.jp
  25. ^ 10歳以下のヘディング禁止、サッカー協会が新規定 - cnn.co.jp
  26. ^ 少年サッカー 米でヘディング禁止 - news-postseven.com
  27. ^ クート・B・クリュンダー; ブジャーン・ルダ; イェルゲン・ハンセン (December 1980). “元サッカー選手における変形性関節症”. Acta Orthopaedica Scandinavica (テイラー・アンド・フランシス) 51 (1–6): 925–927. doi:10.3109/17453678008990896. PMID 7211298. https://doi.org/10.3109/17453678008990896.  Pdf.
  28. ^ コリン・W・ファラー; アストリッド・ユンゲ; イジー・ドヴォルザーク (January 2012). “サッカー選手の健康を維持するためのFIFAのアプローチ”. ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン英語版 (BMJ英語版) 46 (1): 11–17. doi:10.1136/bjsports-2011-090634. https://doi.org/10.1136/bjsports-2011-090634. 


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