キッコーマン
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過去に行っていた事業
水道
1922年5月、野田市内で上水道の供給事業を始めた。当時、キッコーマンの工場が市内に17ヶ所あり、それぞれが仕込み水などに井戸水を使用していたが、製品にムラが出てきた。そこで当時の金額で420万円を投じて深井戸を2本掘り、1日4000リットルを供給できる水道網を作り上げた。これは工場の使用量を大きく上回るものであったため、社内に水道課を設けて市内2500世帯に有料で供給を始めることとなった。供給当初の使用量の比は、会社と一般家庭で8:2であった。次第に一般家庭への供給量は増加、1965年には5億円以上をかけて江戸川から取水施設も建設したが、供給量が追い付かなくなることが見えてきた。1972年、野田市がキッコーマン側に施設の有償譲渡を働きかけたこともあり、キッコーマンの上水道事業は1975年に野田市へと移管された[44]。
給水所は2007年に経済産業省の近代化産業遺産に認定されている。当初作られた水道施設の中で高さ22mで円筒形の給水塔は老朽化のために使用されなくなり、キッコーマンも歴史的建造物なので耐震補強工事を検討したが、結局は2010年に解体されている。
バス
昭和時代から平成初期にかけて、系列企業「むらさき観光」で貸切バス事業を展開していたが、1998年7月に日の丸自動車興業グループに事業譲渡されている[45]。
図書館
1908年(明治41年)には野田町民有志によって野田戊申会が設立されている。野田戊申会は1918年(大正7年)頃に図書館の設置を企画し、高梨・茂木一族の協力を受けて1921年(大正10年)に戊申会簡易図書館を開館させた。これは板の間12畳、座敷5畳という小さな図書室であったが、各界から本の寄贈を受けて蔵書も増えていった。
有志での運営に限界があったことで、1923年(大正12年)、野田町は戊申会簡易図書館を買収して野田町図書館に改称した。1925年(大正14年)には千葉県から優良図書館として表彰され、1926年(大正15年)には文部省からも優良図書館として表彰されている。しかし、1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災では野田町にある醤油工場も大きな被害を受け、野田町は図書館経営に充てる余力に乏しくなった。一方、野田醤油は社会事業を計画し、昭和天皇の即位を機に合名会社千秋社(現株式会社千秋社)、財団法人興風会などの傘下団体を通じて、教育や育英、厚生、および図書館事業を進めることにした。
1929年(昭和4年)、野田町は野田町図書館の蔵書を興風会に移管し、興風会館の1階に財団法人興風会図書館が開館した。野田町の図書館は野田醤油の資金で運営されることになった。民間企業が行政に代わって図書館事業を行ったのである。1941年(昭和16年)には独立施設が完成して興風会館から移転した。
1979年(昭和54年)4月には興風会設立50周年を記念して、興風会図書館の施設・蔵書の一切が野田市に無償譲渡され、野田市立興風図書館に改称した[46]。1998年(平成10年)には野田市役所跡地に欅のホールが完成し、野田市立興風図書館は欅のホールに移転した。
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- ^ 『キッコーマン株式会社百年史』キッコーマン、2017年、91頁。
- 1 キッコーマンとは
- 2 キッコーマンの概要
- 3 沿革
- 4 歴代社長
- 5 海外展開
- 6 過去に行っていた事業
- 7 CM出演者
- 8 音楽
固有名詞の分類
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