カプリ島 歴史

カプリ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/25 20:47 UTC 版)

歴史

元々はテレボアイ人が住んでいた島だったが、後にアウグストゥスが気に入り、別荘地として島全体と対岸の土地を購入した。アウグストゥス自身は利用する機会に恵まれなかったが、その後を継いだティベリウス西暦26年からこの島に居を移し、隠棲しながら政務を行なった。ティベリウスは島内に12の別荘を持っていたとされ、そのなかでも「イオの別荘」は有名である。

観光

周遊ボートより
ファラリョーニと呼ばれる海岸の海食柱
青の洞窟内部の眺め。洞窟の入り口は波が引いたときに海面に顔を出す。
碧き輝き

マリーナ・グランデには、ナポリやソレントなどからの観光船が発着する島で唯一の商港、観光客用のハーバーとドックがある。また、島の周囲にはファラリョーニという奇岩が存在する[2][3]。島の周囲の大部分は断崖絶壁となっているので、海岸近くに存在する奇岩に陸から近づくのは難しいものの、島を周遊する観光船が運行されている。マリーナ・グランデと高台にある島の中心地カプリとは、ケーブルカー(フニコラーレ)のカプリ鋼索線 (la funicolare di Capri) が所要5分弱で結んでいる。ケーブルカーが到着する広場からは、プラダグッチブルガリなどの高級店が軒を連ねるほか、ホテルやレストランが点在する。

なお、島の高台を中心として島内随所には各界著名人などの別荘が点在している。また、島の特産品としてレモンが有名だが、このためリモンチェッロなどのレモン酒やレモンチョコレートなどの土産品が販売されている。

青の洞窟

カプリ島の周囲はかなりの部分が断崖絶壁に囲まれており、波打ち際には半ば水中に埋もれている海食洞の「青の洞窟」(Grotta Azzurra) がある。この洞窟には、洞窟のある入り江から手漕ぎの小船に乗って入って行くことができる。入り口は狭く、くぐる際に乗客は船の舳先より下に頭を沈めなければならない。天候や波の状態により、進入不可能である場合もある。

内側に入ると外からは予想もできない数十メートルの広大な空間が広がり、水中に伸びている穴を通して水面から洞窟全体が紺碧の光を帯びて、神秘的な雰囲気を持つため、人気ある観光スポットとなっている。

アンデルセンの出世作となった恋愛小説『即興詩人』では、この洞窟が重要な舞台となっている。森鷗外の翻訳では「琅玕洞」(ろうかんどう、琅玕=翡翠のこと)と訳された。

その他

青の洞窟は気象条件その他の理由で進入できない時があるが、そういった場合でも行くことができるケースがある「緑の洞窟」「珊瑚の洞窟」や「白の洞窟」といった名所も存在する[4]

文化

食文化

カプリ島の名産としてはレモンが知られており、カプリ島は「レモン島」とも言われる。なお、イタリア発祥のリキュールの一つとして、レモンの香味を蒸留酒に移したリモンチェッロという酒が存在する。そしてこのカプリ島も、そのリモンチェッロの主要な産地の一つとして知られている。

スライスしたトマトモッツァレッラチーズバジリコなどを添えたサラダは、インサラータ・カプレーゼ(カプリ島風のサラダ)と呼ばれる。


  1. ^ 伊カプリ島「組織的に感染対策」衛生管理し観光復興へ着々『日経産業新聞』2021年7月26日グローバル面
  2. ^ "Capri - Faraglioni"(カプリ島のファラリョーニについて) Capri Online
  3. ^ 池上英洋『美しきイタリア 22の物語』光文社、2017年、57頁。ISBN 978-4-334-04303-2 
  4. ^ デノーラ砂和子『カプリ島 緑の洞窟と白の洞窟クルーズAllAbout、2006年https://allabout.co.jp/gm/gc/77958/ 


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