オアシス (映画)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > オアシス (映画)の意味・解説 

オアシス (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/27 00:59 UTC 版)

オアシス
오아시스
監督 イ・チャンドン
脚本 イ・チャンドン
製作 ミョン・ゲナム
チョン・ヤンジュン
チョ・ミンチョル
イ・ジュンドン
出演者 ソル・ギョング
ムン・ソリ
音楽 イ・ジェジン
撮影 チェ・ヨンテク
編集 キム・ヒョン
製作会社 イーストフィルム
配給 CJエンタテインメント
シネカノン
公開 2002年8月9日
2002年9月6日VIFF
2004年2月7日
上映時間 132分
製作国 韓国
言語 朝鮮語
テンプレートを表示
オアシス
各種表記
ハングル 오아시스
発音 オアシス
英題: Oasis
テンプレートを表示

オアシス』(原題:오아시스)は、2002年公開の韓国映画。監督・脚本はイ・チャンドン(李蒼東)、主演はソル・ギョング。社会に馴染めないまま30歳を目前に出所してきたある青年と、脳性麻痺で体の不自由な女性との特異ながら純粋な恋愛と、周囲に理解されないその行方を描く。

2002年韓国MBC映画賞で最優秀作品賞、監督賞、脚本・脚色賞、主演男優賞、主演女優賞、新人女優賞を獲得。同年の第59回ヴェネツィア国際映画祭において、監督賞、新人演技賞、国際批評家協会賞などを受賞するなど高く評価された。

あらすじ

29歳の青年ホン・ジョンドゥは、ひき逃げによる過失致死で2年6か月の刑期を終えて出所した。入所したときの半袖シャツのまま、母の服を買って実家に帰ろうとしたが、家族は引越しをしてしまい、居場所も分からなかった。飲食店で無銭飲食をして警察に捕まった彼の元へ、ようやく弟のジョンセが迎えに来て、ジョンセの運転する車で新しい家へと向かい、家族と再会する。しかし、社会不適応者である彼に対し、家族は暖かい対応をしない。

2日後、挨拶しようとひき逃げ事故の被害者宅を訪ねたジョンドゥだったが、引越しの最中であった被害者の息子夫婦は怒って彼を追い返す。息子らは脳性麻痺である妹のハン・コンジュを置いて出て行ってしまい、ジョンドゥは残されたコンジュを再び訪ね、果物の入ったバスケットを置いて帰る。ジョンドゥは兄であるジョンイルの口利きで得た中華料理店の配達の帰り、遅くなって店を締められてしまい、そのまま配達用のオートバイでソウル郊外にあるコンジュのアパートに向かうが、訪ねずにそのまま帰ってくる。そして帰り道で転倒し、交通事故を起こしてしまう。兄からは諭され、兄嫁からははっきり邪魔者だと告げられる。

翌朝、ジョンドゥは花束を持ってコンジュの家へ行く。そこでコンジュの世話を任されている隣家の主婦に出くわし花を渡してくれるよう頼んだものの、鍵のある位置を盗み見て再び取って返し、コンジュの家に忍び込む。コンジュに対する好意を表したジョンドゥは、そのままコンジュの体をまさぐり、体を奪おうとするが、コンジュは必死の抵抗と緊張のあまり気絶してしまう。驚いたジョンドゥは彼女に水をかけて起こした後、退散する。

コンジュの兄夫婦は、コンジュの名義で障害者向けの住宅に入居しながら、コンジュは古い家に置いたままで隣家の女性に金を渡して世話を任せていた。行政の検査があるときだけコンジュを障害者向け住宅に連れて行き同居を装う。検査が終わった後、再び古い家に戻されたコンジュは、ジョンドゥが残していった電話番号に電話をかけ、ジョンドゥは再びコンジュの家を訪れる。コンジュが朝鮮語で公主(=「お姫様」の意味)と同じ音であることを面白がるジョンドゥに対しコンジュは心を開き、ジョンドゥを「将軍」と呼ぶようになる。そしてジョンドゥは定期的にコンジュの家を訪ねるようになるのだが・・・。

キャスト

エピソード

  • 出所したジョンドゥが小さな食料品店の店先で豆腐にかぶりつく場面があるが、これは韓国の風習で刑期を終えて出てきた人間が、身も心も潔白になるようにと白いもの(豆腐や牛乳)を食することによるものである。本来なら迎え出る人間が用意しておくものだが、ジョンドゥは誰にも迎えに来てもらえなかったため自ら買って食べた。
  • 映画の中で、二人でのドライブ中に渋滞に巻き込まれたジョンドゥがコンジュの体を抱えあげ、車の外に出て踊る場面は、ソウル市内の清渓川高架道路で行われた。エキストラとして、同じイ・チャンドン監督、ソル・ギョング主演による映画『ペパーミント・キャンディー』のファンクラブのメンバーが百台近くの車で集まり監督の指示に従って、高架道路の交通を遮断して撮影が行われたという。その後、この高架道路は撤去され、現在は親水施設が造設されて市民の憩いの場となっている。
  • 仲野太賀に勧められて見た菅田将暉が、その後自分の役者としての演技に大きな影響を与えられた一本にあげている。

脚注

[脚注の使い方]

外部リンク


「オアシス (映画)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オアシス (映画)」の関連用語

オアシス (映画)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オアシス (映画)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオアシス (映画) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS