アイラ・ヘイズ アイラ・ヘイズの概要

アイラ・ヘイズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/22 14:23 UTC 版)

アイラ・ヘイズ
Ira Hayes
渾名 "Chief Falling Cloud",[1] "Chief"[2]
生誕 1923年1月12日
アメリカ合衆国
アリゾナ州ピナル郡サカトン英語版
死没 (1955-01-24) 1955年1月24日(32歳没)
アメリカ合衆国
アリゾナ州ピナル郡バプチュル英語版
所属組織 アメリカ海兵隊
軍歴 1942 - 1945
最終階級 海兵隊伍長
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生い立ち

アイラ・ヘイズ(以下「アイラ」と記す)は、1923年1月12日アリゾナ州ピナル郡サカトン英語版で生まれた。

保留地での小学校を卒業後、アイラは全寮制のフェニックス・インディアン学校に入学した。後年、『硫黄島の星条旗』の著者ジェームズ・ブラッドリー英語版がアイラの肉親にインタビューを行ったところによると、アイラは幼少の頃より寡黙で物静かな人物であったという。

入隊

1942年9月、19歳のとき、サン・ディエゴ海兵隊に入隊する。基礎訓練を行った後、海兵隊落下傘学校に入学し、11月30日に合衆国海兵隊落下傘兵記章を獲得する。そのため、アイラはピマ族として初めて落下傘学校を卒業した人物となった。

1943年3月14日、アイラはニューカレドニア島に到着する。ここで最終的な訓練を行った後、10月ベララベラ島12月3日にはブーゲンビル島に上陸した。これがアイラにとって初の実戦参加となる。その後アイラは1944年1月中旬にブーゲンビル島を離れ、2月14日にサン・ディエゴに到着している。サン・ディエゴでアイラの所属していた落下傘大隊は解散となり、全員に30日間の休暇が与えられたため、アイラはこの間に帰省している。

硫黄島の戦い

硫黄島での星条旗掲揚に関わった軍人の名前入り解説図。アイラは一番左。

1944年3月、休暇を終えて帰隊したアイラは第5海兵師団に転属となり、半年間ペンドルトン基地英語版で訓練を行った。部隊はその後9月19日にサン・ディエゴを出港し、10月ハワイ島タラワ基地英語版に到着して、ここで更に実戦的な訓練を行った。

1945年1月、アイラの部隊は硫黄島の戦いに参加すべくタラワ基地を出発した。途中のテニアン島で上陸演習を行った後、2月19日にアイラの部隊は硫黄島に上陸を果たした。上陸から3日後の1945年2月23日フランクリン・スースリー、ハロルド・ケラー、ハーロン・ブロックマイク・ストランク、ハロルド・シュルツの5名と共にアイラは硫黄島南部の摺鉢山山頂に星条旗を掲げた(5名の氏名は、2019年10月までの訂正後のもの)。

硫黄島の星条旗の写真がアメリカ本土で話題になっていることも知らないまま、アイラは3月26日まで硫黄島で一兵卒として戦い続けた。

身元判明まで

硫黄島の星条旗の写真を見たフランクリン・ルーズベルト大統領は、写真に写った6人の海兵隊員を国債のキャンペーンに使うことを考え、すぐに6人を呼び戻すよう大統領命令を出した。その結果、最初に身元が判明したのはレイニー・ギャグノン(以下「ギャグノン」と記す)であった。ギャグノンは残りのメンバーの身元も明かすように命令を受けたが、アイラは自分の名前が出ることを懸念してギャグノンを脅迫した。そのため、ギャグノンは自分を含めた5人の名前[3] を明かしたが、アイラに関しては言及しなかった。

しかし、4月7日ワシントンに到着したギャグノンはすぐに海兵隊司令部へ連行された。司令部でギャグノンは厳しい訊問を受け、最後の1人を言わないと軍法会議にかけると言われたために、ギャグノンはつらそうな様子[4] でアイラの名前を明かした。海兵隊司令部はこの翌日に星条旗を掲揚した6人の名前を公表し、6人の名前はアメリカ全土で大々的に報道された。4月9日にはアイラの部隊にもその報せが届き、4月12日にアイラの乗った輸送船がハワイ島のヒロに入港すると、アイラは部隊と別れて4月15日にワシントン行きの輸送機に搭乗した。

当時22歳のアイラ・ヘイズ伍長。

  1. ^ Chief Falling Cloud
  2. ^ Ira Hayes, Pima Marine, by Albert Hemingway, 1988, ISBN 0819171700.
  3. ^ このときギャグノンがあげた名前には間違いがあり、ハーロン・ブロックの名前は入っていなかった。
  4. ^ 『硫黄島の星条旗』、pp439
  5. ^ 『硫黄島の星条旗』、pp474
  6. ^ 『硫黄島の星条旗』、pp531


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