ぷよぷよSUN
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ジャンル | 落ち物パズルゲーム |
---|---|
対応機種 |
アーケード (ST-V) セガサターン (SS) NINTENDO64 (N64) PlayStation (PS) Windows 95 (Win95) ゲームボーイ (GB) EZアプリ S!アプリ iアプリ ゲームアーカイブス (GA) |
開発元 | コンパイル |
発売元 |
コンパイル (AC, SS, N64, PS, Win, GB) セガ (PS再発売, 携帯電話, GA) |
人数 | 1 - 2人 |
メディア |
CD-ROM(SS, PS, Win95) 64Mbit ROMカートリッジ(N64) 8Mbit ROMカートリッジ(GB) |
発売日 |
1996年12月(AC) 1997年2月14日(SS) 1997年9月4日(SS SEGANET) 1997年10月30日(N64) 1997年11月27日(PS) 1998年4月17日(Win95) 1998年7月30日(SS サタコレ) 1998年11月27日(GB) 2001年4月12日(PS the Best) 2003年1月30日(PS セガ版) 2006年5月11日(EZアプリ) 2006年5月17日(S!アプリ) 2006年11月10日(iアプリ) 2014年3月12日(GA) |
売上本数 |
SS : 60万本[1] PS ![]() ![]() |
その他 | 機種やバージョンにより正式タイトルが一部異なる。 |
タイトルの「SUN(サン)」は「3」と掛けたもの。
主な特徴
前作まではアルル・ナジャのみが主人公だったが、本作では1人用モードのシナリオが難易度の異なる3つから選ぶことが可能で、それぞれで主人公が異なる。さらに、敵キャラクターにも独自の「連鎖ボイス」が導入され(2連鎖目以降はキャラクター毎のカットイン演出も出現)、対戦時は主人公以外のキャラクターも選んでプレイできるようになった。これに伴い画面レイアウトも変更され、それぞれのプレイフィールド内にはキャラクターの全身画像が大きく表示されている[注釈 1]。キャラクターの選択と個別連鎖ボイスは有名声優を起用したPCエンジン版『ぷよぷよCD』シリーズでは既に導入されていたが、コンパイル発売の作品では本作が初となる。
また、タイトルの『SUN』の名にちなんで独自の新システム「太陽ぷよ(たいようぷよ)」も導入された。本システムを採用したのは、既に『ぷよぷよ通』の段階で早積み及び連鎖テクニックが確立・固定化しており、「ド素人でもマスターに勝てる」「あらゆるファン層に楽しんでもらう」ことをコンセプトとしたためである[3]。また、本作から5色ぷよの表情(目つき)が明確に描き分けられるようになった(赤は怒り、青は悲しみ、緑は普通、黄色は笑顔、紫はニヤリになっている)。
ゲームシステム
基本的なルールは『ぷよぷよ通』をベースにしている。ここでは『ぷよぷよSUN』での追加ルールや変更点について述べる。ゲームボーイ版『ぽけっとぷよぷよSUN』のみ、ルールが一部異なる(後述)。
- 太陽ぷよ(たいようぷよ)
- 本作では、「太陽ぷよ」と呼ばれる特殊なぷよが相殺時および全消し時に出現する。太陽ぷよが消滅する条件はおじゃまぷよと同じであり、通常の色ぷよが消えるときに隣接していると同時に消滅するが、太陽ぷよを連鎖に巻き込んで消すと通常よりも多めにおじゃまぷよを相手に送ることができる。得点ぷよに特徴が似ているが、大きな連鎖の後半に巻き込むほど威力が上がる。小規模な連鎖でも上手に太陽ぷよを絡めると大きな破壊力となるため、本作ではいかに太陽ぷよを効率よく連鎖に巻き込むかが重要となる。
- おぷしょんで対戦時の太陽ぷよをOFFに設定した場合は、『ぷよぷよ通』と同様のルールに変化する。
- 日輪相殺(にちりんそうさい)
- 自分若しくは相手がフィールドにおじゃまぷよが予告された状態でぷよを消して相殺すると、画面中央の太陽マークに光が蓄積され、相殺が起こった回数分(自分と相手の双方が相殺を行なった場合は、両者の合計の個数)の太陽ぷよが両プレイヤーのフィールドに降る。太陽ぷよの落下位置は光の柱で予告され、おじゃまぷよの予告よりも優先されて降る。
- おじゃまぷよの保留
- 「日輪相殺」を行った場合は太陽ぷよが降ってくるが、その代わりに通常のおじゃまぷよの落下が1ターン保留される。ただし、ぷよを相殺してから太陽ぷよが発生するまで僅かなタイムラグが存在するため、相手の連鎖中に連続で相殺しても一度に防げるのは1ターン分のみとなっている(連続して太陽ぷよが降ることはない)。
- 日輪相殺そのものは継承されなかったが、おじゃまぷよの保留システムは形を変えて『ぷよぷよフィーバー』など後の作品にも継承された。
- 全消しによる太陽ぷよボーナス
- 本作では全消しを行ってもおじゃまぷよの追加ボーナスが無い代わりに、全消し完了直後にその時の連鎖数に応じた数の太陽ぷよが自分のフィールドにまとめて降る(例:4連鎖全消し→太陽ぷよ4個発生)。
- おじゃまぷよ・太陽ぷよの落下法則
- 本作ではおじゃまぷよと太陽ぷよの落下位置が、前作のようなランダムなものから法則性を持った順序へ変更され、6で割った余りのおじゃまぷよは特定の順番(機種により異なる)に、太陽ぷよは左から1列目より右に1つずつ向かって順番に、それぞれ規則的に降るようになっている。このため、特定の列に偏っておじゃまぷよが溜まるということが少なくなった。おじゃまぷよの規則的な落下法則システムは、後に一部の作品でも採用されている。
- 画面外の扱い
- ぷよぷよシリーズでは、画面上に見える12段の上に、画面上には見えない段があり、これを画面外と呼ぶが、前作までは画面外は1段(13段目)しかなかったのに対し、本作では2段(13段目・14段目)に増えた。これにより、最大83個のぷよが置けることになり(敗北条件との関係上左から3列目の14段目は使えない)、理論上20連鎖まで可能となる。
- 予告ぷよの変更
- 前作のキノコ、星、王冠に変わり星ぷよ(180個に変更)、月ぷよ(360個)、彗星ぷよ(720個)、土星ぷよ(1440個、SS版での名称はぷよサターン)になった。また、「岩ぷよ」を「隕石ぷよ」と呼ぶようになった。これにより隕石ぷよ(岩ぷよ)より上位の予告ぷよの表す数は全てその整数倍となった。
- ダメージボイス形式の変更
- 前作まではダメージボイスは2Pの連鎖ボイスという扱いであったが、今作からは個別の連鎖ボイスが導入されたこともあり、PCエンジン版『ぷよぷよCD』シリーズのようなおじゃまぷよを食らった時のボイスに変更された。おじゃまぷよ6個以上30個未満(次作『ぷよぷよ〜ん』以降は6個以上18個未満)の場合「弱(中)ダメージ」、30個(次作『ぷよぷよ〜ん』以降は18個以上)の場合「強(大)ダメージ」になる。
- 乱入
- 前作から引き続き搭載。ゲームボーイ版、携帯端末版以外の「ひとりでぷよぷよ」をプレイ中、対戦型格闘ゲームのように別プレイヤーが「乱入」して対戦をすることができる。決着後は勝利した方のプレイヤーが「ひとりでぷよぷよ」を引き継いでプレイすることになる。エキシビジョン扱いのカーバンクル戦では、「乱入禁止」と表示され乱入する事が出来ない。なお、NINTENDO64版では「かちぬきぷよぷよ」においても「乱入可能」の表記が出ているが、実際は乱入する事が出来ない。
- ゲームモードの追加
- NINTENDO64版やプレイステーション版では「とことんなぞぷよ」と「かちぬきぷよぷよ」が追加されている(詳細は後述)。
- ゲームボーイ版には「かちぬき」は収録されていないが、追加キャラクターを含む任意の敵キャラクターとフリー対戦可能な「トレーニング」がある。また、前作『ぽけっとぷよぷよ通』・次作『ぽけっとぷよぷよ~ん』との通信対戦も可能となっている。『通』との通信対戦時は『通』のルールが適用され、ルール選択は『通』側で行うことになる。4人対戦や形状設置は選択不可能。
ゲームボーイ版のルール変更点
ゲームボーイ版は一部のルールが他機種と異なっている。
- 日輪相殺での太陽ぷよの発生にタイムラグがなくなり、相殺直後に必ず太陽ぷよが落下するようになった[注釈 2]。これを受け、太陽ぷよの落下位置の予告は行われなくなり、間髪入れずに落下する。このため、連続して相殺すればおじゃまぷよをずっと防ぎ続けることができるようになった。『ぷよぷよBOX』に収録された「SUNスタイル」では、太陽ぷよの発生タイミングのみこのGB版と同様のものが採用されている。
- おじゃまぷよと太陽ぷよの落下位置に規則性が全く無くなり、前作のようにランダムなものに変更された。
- 全消し時に発生する太陽ぷよの個数が「(連鎖数-1)×2」に変更され、さらに前作『ぷよぷよ通』と同じく次にぷよを消した時に相手に送り込むおじゃまぷよの数も上乗せされる。また、全消し時に溜まっていた分の日輪相殺分の太陽ぷよも加算されて一緒に落下する(例:1連鎖全消し→太陽ぷよ無し&全消しボーナス、4連鎖全消し&相殺1回→太陽ぷよ7個発生&全消しボーナス)。一度に発生する太陽ぷよは最大30個(5段)までで、それ以上は切り捨てられる。
このGB版でのルールは、続編であるゲームボーイカラー版『ぽけっとぷよぷよ〜ん』にそのまま受け継がれた。また、『ぷよぷよ!! Puyopuyo 20th anniversary』・『ぷよぷよクロニクル』に収録された「ぷよぷよSUN」ルールは通常はアーケード版準拠のものだが、隠しコマンドで選択した場合はこのGB版準拠のルールに変化する。
注釈
- ^ この要素は、『ぷよぷよ! Puyopuyo 15th anniversary』以降の作品にも適用されている。
- ^ すなわち、相殺をすることによって相手の攻撃を必ず保留できるようになった。
- ^ アーケード版のオープニングと交互に流れる。PS版も同様。
- ^ アーケード版のオープニング・エンディング・プレイリザルト・カーバンクルの乱入効果音がこれに該当。これらのBGMはサウンドテストでは、CD-DA音源で流れる。
- ^ 「ドラコの休日」のちょっぷん戦、「アルルの冒険」のキキーモラ戦、サタン戦、「シェゾの逆襲」のコドモドラゴン戦など。
- ^ ただし、セガサターン版でふきだしが表示されていなかった台詞やデモ中の効果音が、一部カット・変更されている。
- ^ コンパイル版では当時コンパイルの社長だった仁井谷正充
- ^ コンパイル版ではGB版を除いて、それぞれの機種の本体の画像が存在した。
- ^ 他機種版で漫才デモ時やプレイリザルト、「むずい」のエンディングの前半に流れていたBGMなどが該当。
- ^ 『BEEP! メガドライブFAN2』での開発者の秘話によれば、当初はアーケード版などと同様の「ひとりでぷよぷよ(ストーリーモード)」も搭載される予定だったが、CPUの思考ルーチンを再現出来なかったなどといった諸事情から没となり、対人戦専用で搭載される形となったことが明かされている。
- ^ なお、ボイスはアーケード版のものではなく、N64版以降のものが流用されている。
- ^ ゲーム開始からサタンを倒すまで、1度もコンティニューせずにクリアした場合のみ出現。
- ^ ゲーム開始からサタンを倒すまでに、累計20回以上コンティニューしていた場合のみ出現。携帯電話アプリ版ではこれに加えて、1度もコンティニューせずにクリアした場合でも出現する。
- ^ SS版・N64版・PS版・Win95版はオプションの設定により、1P側をアルル、2P側をシェゾに固定する事が可能で、この場合はキャラクター選択がカットされる。
- ^ 「ひとりでぷよぷよ」の乱入戦は、通常ルールで固定となる。
- ^ キャラクターは、サタン・カーバンクル以外からランダムで選ばれる。ただし、プレイヤーが選択したキャラクターと重複する事はない。
- ^ 通ではSS版からの追加キャラクターで、一部機種のみに登場する。
- ^ わあくん本田はコンパイル公式ホームページのコラムの中で、この人物を「M」と呼んでいる[7]。
- ^ 開発スタッフの一人・あかままさおはコンパイル公式ホームページのコラムの中で、購入時期について、FIFAワールドカップで日本代表の予定落ちが確定したころだと説明している[5]
出典
- ^ “Puyo Puyo Sun(SegaSaturn)”. 2014年11月26日閲覧。
- ^ “Puyo Puyo Sun Ketteiban(PlayStation)”. 2014年11月26日閲覧。
- ^ 「仁井谷社長インタビュー」『ぷよぷよSUN決定盤 公式ガイドブック』コンパイル、1998年1月1日、102頁。ISBN 978-4-906659-03-6。
- ^ 『コンパイルクラブ』77号。[要ページ番号]
- ^ a b c d e f g h i j k 開発者の声「あかままさお」さん - ウェイバックマシン(2001年7月16日アーカイブ分) - 2022年1月8日閲覧。
- ^ 『ファミ通』 No.423、アスキー、1997年1月24日、206-208頁。
- ^ a b c d 開発者の声「わあくん本田」さん - ウェイバックマシン(2001年7月16日アーカイブ分) - 2022年1月8日閲覧。
- ^ 開発者の声「かむひき」さん - ウェイバックマシン(2001年4月8日アーカイブ分) - 2022年1月6日閲覧。
- ^ “コンパイルが広島地裁に和議申請、今後はイベントを縮小しゲーム制作を柱に”. ASCII.jp. 角川アスキー総合研究所 (1998年3月19日). 2022年1月8日閲覧。
- ^ a b “波乱万丈の『ぷよぷよ』30年の歴史を振り返る──社会現象になるほど大ヒットするも、経営破綻で権利がセガに。思い切って世界観を一新したのが功を奏し、ついにはeスポーツ化へ”. 電ファミニコゲーマー – ゲームの面白い記事読んでみない? (2021年11月16日). 2021年11月16日閲覧。
- ^ ぽけっと ぷよぷよSUN まとめ (ゲームボーイ) / ファミ通.com
- ^ a b c d e “Puyo Puyo Sun64”. IGN (1997年12月30日). 2018年7月24日閲覧。
- ^ a b c d e f 電撃NINTENDO64 1997年12月号 125ページ
- ^ a b “上坂すみれ、人生ベストゲームは『ぷよぷよSUN決定盤』!「自分の萌えるキャラクターの雛形がすべてこのゲームに詰まっている」 - music.jpニュース”. music.jp (2021年4月15日). 2022年1月8日閲覧。
- ^ 『【一曲のみ】ボツBGM【ぷよぷよSUN】』2009年2月28日 。2022年1月29日閲覧。
- ^ DiscStation Vol.15、コンパイルクラブ70号
固有名詞の分類
プレイステーション用ソフト |
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携帯電話アプリゲーム |
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セガサターン用ソフト |
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ゲームボーイ用ソフト |
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