③計画 ③計画の概要

③計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 04:29 UTC 版)

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計画内容

昭和十二年度より同十七年度までの六ヵ年計画(航空隊整備計画は同十五年度まで)だったが、後に完成予定が一ヵ年繰り上げられ、昭和十六年度までの五ヵ年計画に修正された。計画の内容は8億0654万9千円(昭和十六年度の追加要求により8億6421万8千円)の予算で艦艇66隻を建造、7526万7千円の予算で航空隊14隊を整備することである。

艦艇

  • 戦艦 - 2隻(3万5000t、9800万円→1億0793万3075円×2)
    第1号艦(大和 [II])、第2号艦(武蔵 [III])
  • 航空母艦 - 2隻(2万4500t、8085万円→8449万6983円×2)
    第3号艦(翔鶴 [III])、第4号艦(瑞鶴
  • 敷設艦(甲) - 1隻(1万1600t、2494万円→2605万9982円) ※ 後に水上機母艦
  • 敷設艦(乙) - 1隻(5000t、975万円→1048万1573円)
  • 急設網艦 - 2隻(2000t、450万円→473万2622円×2)
    第7号艦(初鷹)、第8号艦(蒼鷹 [II])
  • 海防艦 - 4隻(1200t、306万円→321万6528円×4)
    第9号艦(占守)、第10号艦(国後)、第11号艦(八丈)、第12号艦(石垣
  • 砲艦(甲) - 2隻(1000t、330万円→347万4301円×2)
    • 橋立型
    第13号艦(橋立 [II])、第14号艦(宇治 [II])
  • 砲艦(乙) - 2隻(270t、117万4500円→121万8111円×2)
    第15号艦(伏見 [II])、第16号艦(隅田 [II])
  • 駆逐艦 - 18隻(2000t、900万円→967万9191円×18)
    • 陽炎型 ※ 第32〜34号艦は建造せず
    第17号艦(陽炎 [II])、第18号艦(不知火 [II])、第19号艦(黒潮)、第20号艦(親潮)、第21号艦(早潮)、第22号艦(夏潮)、第23号艦(初風)、第24号艦(雪風)、第25号艦(天津風 [II])、第26号艦(時津風 [II])、第27号艦(浦風 [II])、第28号艦(磯風 [II])、第29号艦(浜風 [II])、第30号艦(谷風 [II])、第31号艦(野分 [II])、第32〜34号艦
  • 潜水艦(甲) - 2隻(2600t、1456万円→1553万0044円×2)
    第35号艦(伊9)、第36号艦(伊10
  • 潜水艦(乙) - 7隻(2100t、1218万円→1306万2460円×7)
    第37号艦(伊15 [I])、第38号艦(伊17)、第39号艦(伊19)、第40号艦(伊21 [II])、第41号艦(伊23 [II])、第42号艦(伊25)、第43号艦
  • 潜水艦(丙) - 5隻(2100t、1218万円→1306万2460円×5)
    第44号艦(伊16)、第45号艦(伊18)、第46号艦(伊20)、第47号艦(伊22 [II])、第48号艦(伊24 [II])
  • 掃海艇 - 6隻(600t、213万円→223万0823円×6)
    第49号艦(第7号掃海艇)、第50号艦(第8号)、第51号艦(第9号)、第52号艦(第10号)、第53号艦(第11号)、第54号艦(第12号
  • 運送艦 - 1隻(1万t、440万円→473万6852円)
  • 測量艦 - 1隻(1600t、376万円→403万5745円)
  • 敷設艇 - 5隻(700t、245万円→254万0064円×5)
    第57号艦(測天 [II])、第58号艦(白神)、第59号艦(成生)、第60号艦(巨済)、第61号艦(浮島
  • 駆潜艇 - 9隻(300t、150万円→157万8585円×9)
    第62号艦(第7号駆潜艇)、第63号艦(第8号)、第64号艦(第4号)、第65号艦(第5号)、第66号艦(第11号)、第67号艦(第12号)、第68号艦(第10号)、第69号艦(第9号)、第70号艦(第6号)

注釈

  • 建造されなかった第32〜34、43号艦の予算は大和型に流用された。従って戦艦の単艦金額は1億1759万円→1億3551万4321円である。
  • 大和型戦艦の排水量と予算を偽ったのは予算の規模から大和型の規模(基準排水量6万t超、主砲口径は世界最大)が類推されるのを防ぐ防諜上の理由である。
  • 上記の他、極秘裏に第71号艦が建造された。
  • 因みに当時は一万円あれば一軒家が買えた時代である。

計画策定の背景

帝国海軍は海軍休日の終了に伴って自主的国防に要する所要兵力標準の第三次改訂を行い、以下の兵力を今後十年で整備する方針を立案した。

艦種 所要定数 現有隻数 増勢隻数 代換隻数 前期整備分 後期整備分 単艦排水量
主力艦 12 10 2 2 2 2 60,000t
航空母艦 10 6 4 1 2 3 20,000t
甲巡 20 18 2 4 0 6 10,000t
乙巡・旗艦巡 21 17 4 17 0 21 6,000t
駆逐艦 96 80 16 46 14 48 2,000t
潜水艦(旗艦) 7 - 7 0 2 5 2,800t
潜水艦(巡潜) 27 - 19 4 11 12 2,000t
潜水艦(海大) 36 - 12 16 0 28 1,400t

なお、潜水艦は各種合計33隻を現有隻数として扱う。

この整備構想は無条約時代突入後、最初の十年で整備するべきものとされ、前期計画(四ヵ年)、後期計画(六ヵ年)と予定された。③計画はこの内前期計画に相当するものである。実際に建造された数量と構想との差異を比較すると以下のようになる。

艦種 計画 実際 差異
主力艦 2 2 0
航空母艦 2 2 0
甲巡 0 0 0
乙巡・旗艦巡 0 0 0
駆逐艦 14 15 +1
潜水艦(旗艦) 2 2 0
潜水艦(巡洋) 11 11 0
潜水艦(海大) 0 0 0

以上のように③計画は想定された整備構想を完全に実現したものであり、無条約時代最初の建艦計画としては上々の滑り出しであった。


  1. ^ 昭和16年度戦時編制案。昭和10年2月策定。防衛省戦史研究室所蔵資料。


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