大仏餅とは? わかりやすく解説

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だいぶつ‐もち【大仏餅】

読み方:だいぶつもち

大仏の形を焼き印押した餅菓子江戸時代京都誓願寺門前方広寺大仏殿前の餅屋売り出したのが始め奈良名物のものは東大寺にまつわり、鎌倉時代から伝わる。


大仏餅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/01 05:54 UTC 版)

大仏餅(だいぶつもち)は古典落語の演目の一つ。大看板、三遊亭圓朝の創作落語(三題噺)とされている。

主な演者には、8代目桂文楽などがいる。

お題

  • 「大仏餅」
  • 「袴着の祝い」
  • 「新米の盲目乞食」

あらすじ

まずは、マクラでよく使われる小噺から。

大仏の目

奈良の大仏様』の片目がはずれ、腹の中に落っこちた。

人々がパニックになる中、一人の男が「修繕しましょう」と申し出る。

身軽な動きで大仏様に上り、目に開いた穴から中に入ると、腹の中に落ちている目玉を取ってきて眼窩にすぽっ!

「大仏様は直ったけど、あの人は閉じ込められちゃったよ!!」

如何するのかと見ていると、男が鼻の穴からにゅっと出てきた。

ここから、利口な人を『目から鼻へ抜ける』と呼ぶようになったのだとか。

本筋

ある冬の日。御徒町に店を構える、河内屋金兵衛の店先に襤褸をまとった少年がやってきた。

「おとっつぁんが怪我をしました。血止めにするので、煙草の粉を少々ください」

その父親と言うのは目が不自由らしく、息子にすがり辛うじて立っている。
同情した金兵衛は、親子を店の奥に上げ、傷薬を渡してあげた。

「ところで、息子の歳は何歳かね?」
「六つです」
「そうかい…」

金兵衛にも息子がいるが、甘やかして育てたせいか、我侭な性格に育ってしまっている。

「さっきも、子供の『袴着の祝い』をしていたんだが、好き嫌いが多くて大変だったよ。そうだ、残り物で申し訳ないのだが…もらって行くかね?」
「有難うございます。では、ここに…」

そういって乞食が差し出してきたのは、何と『朝鮮鈔羅(ちょうせんさはり)の水こぼし』という高級品。

「これを面桶の代わりに? 恐れ入ったな…」
「これは秘蔵品でございまして、零落しても売る気になれませんでした…」

その場で食事をすることになり、金兵衛の指示でお膳が運ばれてきた。

八百善ですか。私も以前は、よく食べていました…」

味付けに文句ばかりをいい、料理人を困らせた報いでこのザマです…と乞食は笑う。

「しかし…。零落しても、家宝だけは手放さないとは。貴方は真のお茶人だ。何処の門人だい?」
「川上宗治の門人でした」
「貴方の名前は?」
「大変いいにくいのですが…」

意を決した乞食が話し始める。

「私は、芝片門前に住まいおりました、神谷幸右衛門と申すものでございます」
「え!? あの神幸さん? お上のご用達をなさっていた…」  

変われば変わるものだ…と、金兵衛はしみじみとなった。

「そうだ。神幸さんには敵わないが、私も茶道をやっております。いかがでしょうか、一服立てますので、飲んでいただけませんか?」 「それは有難うございます」

『お茶請けに』と用意してもらった大仏餅を、息子に一つ取ってもらい、感涙に咽びながら一口…喉につかえた。

「つかえた? 大変だ…」

慌てた金兵衛が、幸右衛門の背中をドンと一突き。

「ウプッ…有難うござヒました…」
「お!? 貴方、目が開きましたよ!」
「本当だ。でも、代わりに鼻が…」
「無理もありませんよ。食べたのが大仏餅、目から鼻へ抜けたんです」

巨匠、最後の高座

落語家・8代目桂文楽が引退したきっかけは、1971年8月31日、国立劇場小劇場における第五次落語研究会でのある出来事だった。

その時、彼が演じていたのがこの噺である。詳しくは桂文楽 (8代目)#最後の高座を参照。


「大仏餅」の例文・使い方・用例・文例

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