ye 綴り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 09:16 UTC 版)
en:Ye Oldeも参照。 中英語の「þe」(「the」)はしばしば、上に小さい「e」を付けた「þ」(古英語のソーン。ルーン文字に由来)として略された。「that」が上に小さい「t」を付けた「þ」として表記されたのと同様である。中英語の後期から初期近代英語にかけ、「þ」はスクリプトや筆記体において「y」に似た形になった。そのため、「y」の上に小さい「e」を付けた略字が一般的になった。ヨーロッパの初期の印刷機に「þ」の文字がなかったため、それに最も近かった「y」で代用したものである。この[ð]音(有声歯摩擦音)の「y」表記は18世紀まで用いられた。現在でも、1611年版『欽定訳聖書』の再版本(「Romans 15:29」など)や『メイフラワー誓約』で確認可能である。なお、「the」は「ye」綴りでも「y」音で発音されたことはない。 「ye」綴りは19世紀の好古趣味で復活し、古体を模倣したYe Olde...という看板などで用いられている。この場合は、現代人によって「y」音で発音されることがある。
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