過渡応答(振動)
定常状態にある振動系になんらかの外力が加わって、ほかの定常状態へ移行する途中の状態のこと。ある振動系を励振すると、その系の固有振動数の振動と、励振振動数の振動とが混ざった振動を生じ、時間とともに固有振動数の振動は消滅して、励振振動数の振動のみが持続する。この固有振動数の振動が消滅するまでの振動が過渡応答で、時間的に変化するものである。過渡応答には、励振の種類に応じてインパルス応答、ステップ応答などがある。
過渡応答(操縦安定性)
過渡的な操舵入力に対するクルマの応答をいう。おもな過渡応答にはステップ応答、パルス応答などがある。過渡応答試験では、このような過渡的な操舵入力のほか、加減速入力や外乱を加えて、これに対するクルマの過渡的な応答特性をヨー角速度、ロール角などで観察する。そのとき、応答のゲインとともに、応答遅れや入力後の収束が重要な評価項目になる。車速依存性が大きく、あらゆる車速で評価することも重要である。操縦安定性の定常応答は、当初からクルマの基礎的な特性として、また比較的取り扱いが簡単なことから研究されてきたが、最近は、より人間の感性にマッチしたクルマとするために、過渡応答の解析、改善が重視されている。
反対語 定常応答参照 過渡状態
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