画筆
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/14 00:39 UTC 版)
画筆(がひつ、英: Paintbrush)は、絵画を描くために用いられる筆の総称。絵筆とも呼ばれる。
形状と材質
画筆の形状には、フィルバート(平型)、フラット(平型)、ラウンド(丸型)、ファン(扇型)などがある。原毛には天然毛(獣毛)と合成毛(合成繊維)が用いられ、毛の硬さによって剛毛と柔毛・和毛(にこげ)に大別される。同じ形状の筆であっても、毛質によって描き味が異なる。
使い分け
油彩画:粘度の高い油絵具を塗布するため[1]、主に剛毛筆が用いられ、形状は平型(特にフィルバート)が好まれる。ただし、繊細な細部描写には腰のあるイタチ毛などの柔毛筆も使用される。
水彩画:絵具の操作に強い力を必要としないため、含みがよく極めて柔らかいリス毛が重宝される。一方で、適度な弾力を備えたイタチ毛は緻密な表現に適しており、特にコリンスキーの毛は最高級品として区別される。
原毛に採用される主な動物
- ブタ - 白豚毛は、油彩用として最重要の原毛。
- リス - 黒色のリス毛は、極めて柔らかくしなやかで含みが良い。白色のリス毛は日本画筆の金泥刷毛などに使われる。
- クロテン(Sable) - ロシアンセーブル(Russian sable) などと呼ばれる。揃いが良く、弾力があり、高価。
- チョウセンイタチ - レッドセーブル(Red sable、コリンスキー) などと呼ばれる。揃いが良く、弾力があり、高価。
- ヨーロッパケナガイタチ(European polecat) - ブラック セーブル(Black sable)、フィッチ(fitch)、ポールキャットの名で知られる。毛はレッド セーブルよりは固く太いが、揃いは良く、弾力もある。
- マングース
- アナグマ
- ムジナ - 主にアナグマを指すが、タヌキやハクビシンを指したり、これらの種をはっきり区別することなくまとめて指している場合もある。
- オロンピ - パーミー。
- タヌキ
- ウマ - 日本ではイミテーションオックスの主要原毛として採用されて重宝されている。単独で採用される場合もある。「熊毛」はウマの毛を指すことがある。
- ウシ
- ヤギ - 「羊毛」はヤギの毛を指す。
- ネズミ - 和筆にはネズミの毛を用いたものもある。
- ジャコウネコ - 2000年前後に、世界最大のブラシ専門メーカーであるラファエルのラインアップから消滅した。また、それ以前から重要な原毛ではないという指摘はされていた。
- ネコ - 白猫の背筋毛のみが使用される。
その他の原毛
脚注
- ↑ マックス・デルナー『絵画技術体系』ハンス・ゲルト・ミュラー改訂、佐藤一郎訳、美術出版社、1980年10月。ASIN B000J840KE。
参考文献
- 『油彩画の技術 増補・アクリル画とビニル画 』 グザヴィエ・ド・ラングレ 著 黒江 光彦 訳 美術出版社 1974.01 ISBN 4568300304 ISBN 978-4568300307
- 『絵画技術体系』 マックス・デルナー 著 ハンス・ゲルト・ミュラー 著(改訂) 佐藤一郎 訳 美術出版社 1980.10 ASIN: B000J840KE
- 『絵画技術入門―テンペラ絵具と油絵具による混合技法 (新技法シリーズ) 』 佐藤 一郎 著 美術出版社 1988.11 ISBN 4568321468 ISBN 978-4568321463
- 『絵画技術全書』 クルト・ヴェールテ(Kurt Wehlte) 著 ゲルマール・ヴェールテ(Germar Wehlte) 著 佐藤一郎 監修翻訳 戸川英夫 訳 真鍋 千絵 訳 美術出版社 1993.03 ISBN 4568300460
- 『カラー版 絵画表現のしくみ―技法と画材の小百科』森田 恒之監修 森田 恒之ほか執筆 美術出版社 2000.3 ISBN 4568300533
- 「da Vinci Watercolour brushes made from natural hair」da Vinci Künstlerpinselfabrik DEFET GmbH 2002年12月
- 『2006 ARTISTS' MATERIALS』 株式会社 名村大成堂 2006年1月
関連項目
- paint-brushのページへのリンク