ブルキニ
イスラム教徒の女性向けに考案された水着。イスラム教の戒律に則り、顔や手を除く身体の肌を露出しないよう全身を覆い、また身体のラインが強調されないように余裕を持たせたデザインとなっている。
ブルキニという呼称はイスラム圏の女性の伝統的衣裳である「ブルカ」をもじったもの。
ブルキニは2000年代前半に考案された。2010年代半ば現在では一般ムスリム女性にも浸透しつつある。他方、移民問題などでイスラム文化との軋轢が生じているヨーロッパの国・地域ではブルキニが文化的軋轢の一端にもなっている。
2016年現在、フランス南部の町ニース等の複数の浜辺ではブルキニの着用が禁止されており、ブルキニを着用していた女性に罰金が課されるなどして、議論を呼んでいる。
ブルキニ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 07:03 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ブルキニ (burkini, burqini) とは、イスラームの女性信者向け水着の一種で、「ビキニ」と「ブルカ」から成る造語である。
オーストラリアで活動しているレバノン系オーストラリア人のデザイナー、アヘダ・ザネッティ (Aheda Zanetti) が考案し、商標登録をしたもので[1][2]、2004年にオンライン販売を開始した[1]。特徴はイスラームの戒律に合うように手足の先と顔だけしか露出しない、体に密着しないデザインにある。
オーストラリアのイスラーム指導者(ムフティー)であるシェイク・タージ・アルディン・アル・ヒアリ (Sheik Taj Aldin al-Hilali) はブルキニをイスラーム法において合法(ハラル)であるとの宗教的見解(ファトワー)を出した。
ザネッティのブルキニは販売開始から2008年までに世界で約70万着を売り上げたといい[1]、世界中のイスラームの女性信者の間で広まっているが、ヨーロッパの一部の国では、様々な理由をつけられてブルキニを着た女性が公共の場から追い出される事態が起きて社会問題化している[3][4][5][6][7]。
2016年、フランス国務院はブルキニ着用禁止を「基本的自由を侵害する深刻かつ明白な違法行為」に当たると判断した[8]。
備考
- イスラム教徒女性向けの水着はザネッティの発案以前からあるが、ザネッティの「ブルキニ」はヘッドカバー付きのツーピースタイプのデザインの点で新しいという[2]。「ブルキニ」の語はイスラム教徒女性向けの水着一般を指して使われるようになっており[9]、ザネッティが商標権を主張している[2][9]。
- ブルキニの利用者はイスラム教徒に限らず、日焼け防止のために着用したり、皮膚がんの元患者で着用したりする人もいる[2][10]。
脚注・出典
- ^ a b c “「ブルキニは女性を解放」 デザイナーが込めた思いとは”. 朝日新聞デジタル (2016年9月2日). 2016年9月4日閲覧。
- ^ a b c d “禁止のブルキニに注文殺到...「生みの親」が明かす意外な支持者”. AFP (2016年8月25日). 2016年9月4日閲覧。
- ^ “仏のプールでブルキニ禁止令、イスラム教徒の女性がこれを差別だと訴え”. HEAVEN (2009年8月13日). 2013年10月27日閲覧。
- ^ “イスラム女性の水着イベント中止=「挑発的」と批判受け-仏”. 時事ドットコム (2016年8月9日). 2016年8月20日閲覧。
- ^ “フランス南部でイスラム教徒用の水着「ブルキニ」禁止、これって性差別じゃないの?”. ハフィントンポスト (2016年8月18日). 2016年8月20日閲覧。
- ^ “フランス : “イスラム水着”リゾート地禁止 人権団体反発。”. 毎日新聞 (2016年8月19日). 2016年8月20日閲覧。
- ^ “イスラム水着ブルキニ、仏で禁止相次ぐ 人権侵害と物議”. 朝日新聞デジタル (2016年8月19日). 2016年8月20日閲覧。
- ^ “仏リゾート地、ブルキニ着用認めた決定に反発 国連などは歓迎”. AFP. (2016年8月17日)
- ^ a b “The surprising Australian origin story of the 'burkini'”. The Washington Post. 2016年9月5日閲覧。
- ^ “仏ブルキニ禁止、あきれるムスリム女性 「実用的だから着る」”. AFP (2016年8月29日). 2016年9月4日閲覧。
関連項目
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