X線表面分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 13:57 UTC 版)
マクロな大きさの試料に対してX線を当てる場合、X線はその表面の数百µmまでしか侵入しない。そのためX線回折法は物質表面に限定して結晶構造を調べる手法となる。 X線の波長をλ、2つのX線の光路の距離差をdとすると、ブラッグの条件によりnλ=dを満たすときに、X線の強度が最大になる。この条件を用いて、出力されたピークの位置から試料の格子定数を求め、表面の原子構造を導く。 試料の膜面垂直方向の格子定数を測定する場合を考える。格子を入射したX線と試料表面との角度がω=θχ、入射方向と反射方向との角度を2θχのとき、膜面垂直方向の格子面間隔をDとすれば、D=2dsinθχとなる。この場合はω=θχであるが、実際には散乱によりω=θχ以外の条件の角度にも散乱X線が出ており、ωとθχの条件を変えることで膜面面内方向の格子定数も測定することができる。このようにして測定した2次元の強度の分布を逆格子マップという。
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