WFL自動気象台
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 09:23 UTC 版)
この状況を改善するため、ドイツのエルンスト・プロエッツェ博士とエドウィン・ストーベは自動気象台 Wetter-Funkgerät Land (WFL) を開発し、シーメンス社により26台が製造された。WFLは遠隔操作が可能であり、出力150ワットのローレンツ(英語版)社製の150 FM型送信機を備えていた。この送信機は10個の円筒で構成されており、それぞれの円筒のサイズは長さ1メートル、円周1.5メートルで、重量100キログラムだった。円筒の1つには計器が入っており、高さ10メートルのアンテナ柱に接続されていた。また、風速計、風向計にも接続されていた。別の円筒には動力源としてニッケル・カドミウム蓄電池が入っていた。WFLは3940キロヘルツで3時間ごとに2分間の間、気象情報を送信した。バッテリーに充電機構は備わっていなかったが、最大で6ヶ月分程度の電力があった。 この装置は、北極、亜北極地域(グリーンランド、ノルウェー領ビュルネイ島、スピッツベルゲン島、ロシア領フランツヨシフ諸島)に14局、バレンツ海に5局が配置された。 北米にも設置が進められ、1つは1943年にUボートU-537により成功したが(後述)、もう一つはWFLを輸送中だったU-867が1944年9月にノルウェーのベルゲン北西部でイギリスの空爆を受けて沈没した。
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