UFD となる条件の言い換え
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/17 07:12 UTC 版)
「一意分解環」の記事における「UFD となる条件の言い換え」の解説
ネーター整域が UFD となる必要十分条件は、その高さ 1 の素イデアルがすべて単項イデアルとなることである。同様に、デデキント環が UFD となる必要十分条件は、そのイデアル類群が自明であることである。この場合は実際には主イデアル環となる。 ネーター的ではない整域についても、それが UFD となることに同値な条件の言いかえができる。A を整域として、以下の条件は互いに同値である。 A が UFD である。 A の任意の 0 でない素イデアルが素元を含む (Kaplansky)[要文献特定詳細情報]。 A が主イデアルに関する昇鎖条件 (ACCP) を満たし、S が素元の生成する A の積閉集合ならば局所化 S−1A が UFD となる(永田の判定条件)。 A が (ACCP) を満足し、かつ、任意の既約元が素元である。 A が分解整域(英語版)(零元でも単元でも無い任意の元が既約元の有限積に表すことができる)かつ任意の既約元が素元である。 A がGCD整域(つまり、任意のふたつの元についてそれらの最大公約数が存在する整域)であって、(ACCP) を満たす。 A がシュライヤー整域かつ分解整域である。 A が前シュライヤー整域かつ分解整域である。 A は任意の因子が単項生成であるという因子論 (divisor theory) を持つ。 A はクルル環で、任意の因子的イデアルが主イデアルとなる。 A がクルル環で、しかも高さ 1 の素イデアルはすべて主イデアルである 実用上は、2. と 3. の条件が UFD の確認にはもっとも有用である。たとえば PID において任意の素イデアルは素元によって生成されるから、2. から直ちに PID が UFD となることが従う。 他の例としては、高さ 1 の素イデアルがすべて主イデアルであるようなネーター整域が考えられる。実際、任意の素イデアルが高さ有限だから、それは(高さに関する帰納法で)高さ 1 の素イデアルを含み、それは主イデアルと仮定したから、2. によりその環は UFD になる。
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