Riemann sphereとは? わかりやすく解説

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リーマン球面

(Riemann sphere から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/27 14:02 UTC 版)

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リーマン球面は、複素平面で包んだ球面(ある形式の立体射影による ― 詳細は下記参照)として視覚化できる。

数学においてリーマン球面(リーマンきゅうめん、英語: Riemann sphere)は、無限遠点 ∞ を一点追加して複素平面を拡張したものである。このとき、関係式

1/0 = ∞

を、意味を持ち、整合的であり、かつ有用となるように構成できる。 19 世紀の数学者ベルンハルト・リーマンから名付けられた。 これはまた、以下のようにも呼ばれる。

  • 複素射影直線と言い、CP1 と書く。
  • 拡張複素平面と言い、
    複素数 A をリーマン球面上の一点 α に写す立体射影

リーマン球面は、3 次元実空間 R3 内の単位球面 S2 = { (x, y, z) ∈ R3 | x2 + y2 + z2 = 1 } として視覚化できる。 そのため、点 (0, 0, 1) を除いた単位球面から平面 z = 0 への立体射影を考え、ζ = x + iy により複素平面と同一視する。 直交座標 (x, y, z) と球座標 (φ, θ) (φ は天頂角、θ は方位角) により、立体射影は、以下のとおり書ける[1]

立体射影により球面上および平面上に作用する一次分数変換

あらゆる数学的対象の研究は、自己同型群、つまりその対象から自身への写像であって、同対象の主要な構造を保存するものがなすを理解することにより促進される。 リーマン球面の場合、自己同型は、リーマン球面から自身への可逆な双正則写像である。 このような写像は、メビウス変換(英:Möbius transformation)とも呼ばれる一次分数変換のみであることが知られている。一次分数変換は

なる形に書かれる関数である。ここに a, b, c, dadbc ≠ 0 を満たす複素数である。一次分数変換には、伸縮と回転(ζ → aζ)、平行移動(ζ → ζ + b)、相似・実軸対称(ζ → 1/ζ)等がある。実際のところ、任意の一次分数変換はこれらの合成により記述できる[2]

一次分数変換は複素射影曲線上の変換と見るとわかり易い。変換 f は射影座標により

と書くことができる。 この様に、一次分数変換は、2-次複素正則行列により記述することができる。 ここで、二つの行列は、それらが非零定数倍だけ異なるとき、かつその場合に限り、同一の一次分数変換を表す。したがって、一次分数変換の全体は射影線型変換の全体 PGL2⁡(C) に完全に一致する。

リーマン球面にフビニ・スタディー計量を入れると、全ての一次分数変換が等長になるとは限らない。 例えば、伸縮と平行移動はそうでない。 等長写像全体は PGL2⁡(C) の真の部分群 PSU2 を形成する。この部分群は回転群 SO⁡(3), つまり R3 内の単位球面の等長変換群と同型である。

応用

複素解析で、複素平面(またはリーマン球面)上の有理型関数とは、正則関数 fg の比 f/g である。 複素数全体への写像としては、g = 0 である限り、これは定義されない。 しかし、g = 0 であっても、複素射影直線への正則写像 (f, g) は整合的に定義され、これを含む。 この構成法は正則および有理型関数の研究に有用である。 例えば、コンパクトなリーマン球面上には定数でない複素数値正則写像が存在しないが、複素射影直線への正則写像は沢山存在する。

リーマン球面は物理学で多くの応用を有する。 量子力学において、複素射影直線上の点は、光子偏光状態、スピン 1/2 の有質量粒子のスピン状態、および一般に 2 状態の粒子の自然な値を示す。 リーマン球面は、天球相対論的モデルに使用することも推奨されてきた。 弦理論 では、弦の世界面 (worldsheet) はリーマン球面であり、最も単純なリーマン面としてのリーマン球面は重要な役割を演じる。 これは、ツイスター理論においても重要である。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Jones & Singerman 1987, p. 2.
  2. ^ Jones & Singerman 1987, p. 21, Theorem 2.3.1.

参考文献

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