レトロニム
レトロニムとは
レトロニム(retronym)とは、たとえば携帯電話の登場によって旧来の「電話」が「固定電話」と呼ばれ直すように、新しい技術や概念と区別する目的で命名され直した言葉のことである。レトロニムは、新たな技術や概念が登場したことで、既存の言葉では対象を示すことが十分にできなくなったという場合に、既存の語に置き換わる形で登場する。既存の語は、新語とレトロニムを包含する上位概念に位置づけられるのが普通である。
レトロニムの例
カメラ
デジタルカメラが登場したことにより従来のカメラは「アナログカメラ」「銀塩カメラ」と呼ばれるようになった。
テレビ
テレビが登場した当初はモノクロ表示であったが、「カラーテレビ」が登場し普及したことで、旧来のテレビは「白黒テレビ」というレトロニムで呼ばれるようになった。テレビ放送もデジタルテレビの登場によって旧来の方式が「アナログテレビ」と呼ばれるようになった。
電話
電話は、戦前から1970年代頃まではもっぱら黒色のダイヤル式の端末を指して用いられていたが、その後さまざまな形・機能を備えた電話機が登場したことにより、従来の電話機は「黒電話」と呼ばれるようになった。携帯電話が登場したことで、黒電話を含む従来の電話機は「固定電話」と呼ばれるようになった。
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