NDPの勧告とOFTの創設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/20 09:14 UTC 版)
「米軍再編」の記事における「NDPの勧告とOFTの創設」の解説
米軍再編の基本概念は、国防諮問委員会(National Defense Panel, NDP)が1997年に発表した「国防の転換: 21世紀の国家安全保障」(Transforming Defense: National Security in the 21st Century)において確立された。この報告書においては、RMAによって防衛技術は急速に刷新されつつあり、また非対称戦争や戦争以外の軍事作戦へのニーズ増大など軍がおかれている環境も激変しているにもかかわらず、アメリカ軍はこれに対応しきれていないことが指摘されるとともに、これらの情勢変化に対応して、運用・編制・装備のすべてを統合的に刷新する改革の必要性が提唱された。 そして、2001年9月に発表された四年ごとの国防計画見直し2001(QDR2001)において、従来の「脅威ベースのアプローチ」から「能力ベースのアプローチ」への転換が発表された。前者においては、冷戦構造のもとで特定の脅威(ワルシャワ条約機構など)への対処を目的としていたのに対し、後者においては、従来は知られていなかったものも含む多様な脅威に対して、いかなる時間・場所においても対処できる軍組織が目標とされる。QDR2001の発表直前に発生したアメリカ同時多発テロ事件により、能力ベースのアプローチに基づいた米軍再編の重要性は火急のものとなった。これを受けて10月には、NCWの創案者であるセブロウスキー提督(この直前に退役)を部長として、アメリカ国防総省長官府戦力変革局(OFT)が創設された。OFTは、現在に至るまで、米軍再編の中核的推進力として活動している。
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