JCHカップリング定数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/26 23:44 UTC 版)
炭素-水素結合のs性を測定する方法の1つに核磁気共鳴分光法で測定された1H−13Cカップリング定数を測定する方法がある。この方法ではJCH値が大きいほどs性が大きくなる。特に13C-1Hカップリング定数1J13C-1Hは結合に関与する炭素の混成軌道のs性の値は経験則的に 1 J 13 C − 1 H = ( 500 H z ) χ s ( i ) {\displaystyle \ ^{1}J_{^{13}\mathrm {C} -^{1}\mathrm {H} }=(500\ \mathrm {Hz} )\chi _{\mathrm {s} }(i)} の関係にある。例えば、メタンにおいて炭素-水素結合の純粋なsp3混成軌道は25%のs性を持ち、カップリング定数は500 Hz × 0.25 = 125 Hzとなり、この値は実験値とほぼ一致する。 分子メチルプロトンのJCH値 メタン 125 Hz アセトアルデヒド 127 Hz 1,1,1-トリクロロエタン 134 Hz メタノール 141 Hz フルオロメタン 149 Hz 置換基の電気陰性度の増加により、置換基へと向かう軌道のp性は増加する。これにより、メチルプロトンへの結合にs性が残り、JCHカップリング定数は増加する。
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