IERSの設立
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1985年にデリーで開催された国際天文学連合 (IAU) 第19回総会において、決議B1号(時の責任)と決議B2号(基準座標系)により、時刻の中央局である国際報時局 (BIH) と極運動の中央局である国際極運動観測事業 (IPMS) を廃止して、BIH と IPMS を統合した新しい組織として国際地球回転観測事業(IERS、現国際地球回転・基準系事業)を1988年1月から発足させることになる。そして、国際報時局 (BIH) が管理していた国際原子時 (TAI) を、国際度量衡委員会 (CIPM) と国際度量衡総会 (CGPM) の責任の元で国際度量衡局 (BIPM) に移管することを認め、新組織の国際地球回転観測事業(IERS)の中央局が世界各地の観測値をもとに、ΔUT1 (UT1-UTC) や極運動を決め、閏秒の決定も行うことになった。地球回転の観測は、1988年から国際的に従来の光学による方位・位置観測(写真天頂筒 (PZT) など)から電波・レーザーを使用した高精度の距離観測(VLBIや月・人工衛星レーザーなど)に移行することになる。
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