FOXP2 とヒトの病気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 01:02 UTC 版)
「FOXP2」の記事における「FOXP2 とヒトの病気」の解説
ヒトの発達性言語協調障害のいくつかのケースは、FOXP2 遺伝子の変異と関係している。このような障害の例として、認知的な障害はほとんど、または全くないものの、言語に必要とされる協調的な運動を適切に行うことができない患者が存在する。このような患者の動詞産出課題と音声反復課題における脳活動を fMRI を用いて計測した結果、(言語課題に関与する脳中枢であるとされる)ブローカ野と被殻の活動の低下が見られた。この結果から、FOXP2 は『言語遺伝子』と呼ばれるようになる。FOXP2 遺伝子に変異を持った人は、言語と関係ない症状も示す(このことは FOXP2 が身体の他の部位の発達にも関わっていることを考えれば驚くに値しない)。また、FOXP2 と自閉症の関連についても、肯定的な結果と否定的な結果の両方が報告されている。 言語障害と FOXP2 遺伝子の変異の関連性が、単なる運動制御の障害による結果ではないことの証拠として、以下のようなものが挙げられる。 言語理解にも障害が現れること。 障害を持った患者の脳機能イメージングの結果から、異常は言語に関する皮質領域と基底核に起きており、問題は単なる運動系を超えたところにあることが示されていること。
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