Elixir (プログラミング言語)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/10 07:22 UTC 版)
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パラダイム |
関数型プログラミング、並行計算、プロセス指向プログラミング ![]() |
---|---|
登場時期 | 2012年 |
開発者 |
José Valim ![]() |
最新リリース | 1.18.2/ 2025年1月23日 |
型付け | 強い動的型付け |
影響を受けた言語 |
Erlang、Ruby、Clojure ![]() |
プラットフォーム |
クロスプラットフォーム ![]() |
ライセンス |
Apache-2.0 ![]() |
ウェブサイト |
elixir-lang |
拡張子 |
ex、exs ![]() |
Elixir (エリクサー) は並行処理の機能や関数型といった特徴を持つ、Erlangの仮想マシン (BEAM) 上で動作するコンピュータプログラミング言語である。ElixirはErlangで実装されているため、分散システム、耐障害性、ソフトリアルタイムシステム等の機能を使用することができるが、拡張機能として、マクロを使ったメタプログラミング、そしてポリモーフィズムなどのプログラミング・パラダイムもプロトコルを介して実装されている。[1]
歴史
高い拡張性があり、Erlangの仮想環境上で動作するシステムを目標に、José Valimによって開発された。 [2]
特徴
- Erlangの仮想環境 (BEAM) 上で動作する
- Erlangの関数を呼び出せるため、Erlangのシステムにシームレスに統合できる
- LISPのマクロと抽象構文木によるメタプログラミング
- Clojureのようなプロトコルによるポリモーフィズム
- ファーストクラス・ドキュメント
- メッセージ交換アクターモデルによるシェアード・ナッシング・アーキテクチャを採用
- 副作用が起こる循環構造の代わりに、再帰や高階関数に重点を置く
- 構文は全て式として扱われる
- 遅延評価と非同期処理
- パターンマッチング
- 標準でUTF-8ユニコードを採用
例
以下のサンプルはiexシェルまたはファイルに保存した上で elixir <filename>
コマンドにて実行可能である。
iex> IO.puts "Hello World!"
Hello World!
- 内包表記
iex> for n <- [1,2,3,4,5], rem(n,2) == 1, do: n*n
[1, 9, 25]
- パターンマッチング
iex> [1, a] = [1, 2]
iex> a
2
iex> {:ok, [hello: a]} = {:ok, [hello: "world"]}
iex> a
"world"
- モジュール
defmodule Fun do
def fib(0), do: 0
def fib(1), do: 1
def fib(n) do
fib(n-2) + fib(n-1)
end
end
- 1000個のプロセスを順番に立ち上げ
for num <- 1..1000, do: spawn fn -> IO.puts "#{num * 2}" end
- 非同期実行
task = Task.async fn -> perform_complex_action() end
other_time_consuming_action()
Task.await task
参考文献
- ^ “Elixir”. José Valim. 2013年2月17日閲覧。
- ^ “Elixir - A modern approach to programming for the Erlang VM”. 2013年2月17日閲覧。
- Dave Thomas:「プログラミングElixir」、オーム社、ISBN 978-4-274-21915-3(2016年8月19日)。
- Dave Thomas:「プログラミングElixir」(第2版)、オーム社、ISBN 978-4-274-22637-3(2020年12月)。
外部リンク
- Elixir_(プログラミング言語)のページへのリンク