BG_(航空機)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > BG_(航空機)の意味・解説 

BG (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/17 15:31 UTC 版)

BG

飛行するBG-1 9517号機
(VB-3B爆撃航空隊所属、1930年代後半撮影)

BG Great Lakes BG )は、グレート・レイクス社が開発し、アメリカ海軍海兵隊で運用された艦上爆撃機である。

開発

アメリカ合衆国オハイオ州クリーヴランドのグレートレイクス・エアクラフト社は、以前海軍の依頼で、マーティン社製の艦上雷撃機・T4M[1]をTG-1として18機、TE-1として注文されたエンジン換装型をTG-2として32機製造したことがあった。その経験を活かし、1933年半ばに海軍の要求により試作機XBG-1を提出した[2]

設計は、発動機を750馬力(560 kW)のプラット&ウィトニーR-1535-82ツインワスプレシプロエンジンとし[3]、テーパー翼と固定式テールホイール下部構造を備えた単発複葉機で、競合作のコンソリデーテッド社のXB2Yと比較して優れていると評価され、採用が決定した。同年11月には、プロトタイプの開放式操縦席から、密閉式操縦席へと改めたBG-1の製造が命じられた。

プロトタイプを含め、合計61機が製造された[3][4]

運用

BG-1は1934年10月から空母レンジャー」や「レキシントン」へ配備され、VB-3B(後VB-4へと改称)爆撃飛行隊を編成して運用を開始した[5]。1935年からは、海兵隊でも2個飛行隊を編成して運用が開始された[6]

1938年まで海軍で、1940年まで海兵隊で運用された[7]。その後1941年6月に退役するまでは海上基地からの連絡などに用いられた[8]

派生型

XBG-1
試作型。開放式操縦席で、プラット&ウィトニーのR-1535-64エンジンを搭載[9]。1機製造。
BG-1
生産型。密閉式操縦席へと改められ、プラット&ウィトニーのR-1535-82エンジンを搭載[9]。60機製造。
XB2G-1
XB2G(Great Lakes XB2G)は、グレートレイクス・エアクラフト社がBG-1を元にアメリカ海軍向けに開発した試作艦上爆撃機で、海軍による募集の際、ブルースター社のXSBAカーティス・ライト社のXSBC-3グラマン社のXSBFチャンス・ヴォート社のXSB2Uノースロップ社のXBTと競合したが、性能が他機より劣ることから早々に開発を断念した[10]
製造は1機のみ。他機は大幅に開発の進んでいたXSBCがSBCとして採用されたり、開発が順調に行われたXSB2UがSB2Uとして採用されたほかは、いずれも断念や変更などが生じている。

諸元

量産型 BG-1の諸元[11]

  • 乗員:2名
  • 全長:8.77 m (28 ft 9 in)
  • 全幅:10.98 m (36 ft 0 in)
  • 全高:3.35 m (11 ft 0 in)
  • 翼面積:35.7 m2 (384 ft2)
  • 空虚重量:1,774 kg (3,903 lb)
  • 全備重量:2,885 kg (6,347 lb)
  • エンジン:1 × プラット・アンド・ウィトニー R-1535-82, 560 kw (750 hp)
  • 最大速度:303 km/h (188 mph)
  • 巡航高度:6,100 m (20,100 ft)
  • 航続距離:844 km (549 mi)

脚注・出典

  1. ^ Swanborough and Bowers 1976, p.312.
  2. ^ Swanborough and Bowers 1976, p.193.
  3. ^ a b Donald 1997, p.467.
  4. ^ Grossnick 1995, p.461.
  5. ^ Grossnick 1995, p.51.
  6. ^ Swanborough and Bowers 1976, p.193-194.
  7. ^ Swanborough and Bowers 1976、p.194
  8. ^ Grossnick 1995、p.461。
  9. ^ a b Orbis 1985、p.1999
  10. ^ Donald 1997, p.468.
  11. ^ Swanborough and Bowers 1976, p.194

参考文献

  • Donald, David (editor). The Encyclopedia of World Aircraft. Aerospace Publishing. 1997. ISBN 1-85605-375-X.
  • Grossnik, Roy A. Dictionary of Americal Naval Aviation Squadrons: Volume 1 The History of VA, VAH, VAK, VAL, VAP and VFA Squadrons. Washington DC: Naval Historical Centre, 1995. ISBN 0-945274-29-7.
  • Swanborough, Gordon and Bowers, Peter M. United States Navy Aircraft since 1911. London:Putnam, Second edition 1976. ISBN 0-370-10054-9.
  • The Illustrated Encyclopedia of Aircraft (Part Work 1982-1985), 1985, Orbis Publishing.

関連項目


「BG (航空機)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「BG_(航空機)」の関連用語

BG_(航空機)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



BG_(航空機)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのBG (航空機) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS