録音技師
(Audio engineer から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/09 17:38 UTC 版)
|
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 (2026年1月)
|
録音技師(ろくおんぎし、英: Audio engineer)は、映画を中心とした映像製作における音響の録音・設計・表現を行う職能における総責任者である。映画製作のシステムは国によって異なり、本項では特に日本の録音技師について詳述する。
略歴・概要
録音技師は、サイレント映画の時代が終了し、トーキーの時代の到来とともに、1920年代後半から1930年代初頭にかけて誕生した職能である。
1931年(昭和6年)、日本初のトーキー作品とされる松竹キネマ蒲田撮影所製作、五所平之助監督の『マダムと女房』が発表されたが、同作のクレジットには「録音技師」の文字はなく、「音響記録」として土橋式トーキーの土橋武夫と土橋晴夫、「ミキサー」として狩谷太郎の名がクレジットされている[1]。土橋兄弟は、翌1932年(昭和7年)、同撮影所製作、島津保次郎監督の『上陸第一歩』では「録音」とクレジットされている。一方、同撮影所の茂原式トーキーで知られる茂原英雄は撮影技師であり[2]、録音の職能は、同撮影所では、トーキー当初の1930年代には、撮影部に属していた。
1934年(昭和9年)、マキノ・プロダクション解散後3年間、東京の映音でトーキーの開発を行っていた映画監督のマキノ雅弘(当時マキノ正博)[3]が、日活太秦撮影所で渡辺邦男監督の『さくら音頭』で録音技師として再スタートしている[4]。マキノは新興キネマ等で技師としてのキャリアを積み[3]、1935年(昭和10年)、トーキー専門の映画会社マキノトーキー製作所を設立、安価で高品質なトーキーの製作を試みた[3]。同社での全作品の録音技師をマキノが務めた[4]。
日本における録音技師のスタイル
日本における録音技師は、ハリウッドの制作システムにおける音響監督(英: Director of audiography)、プロダクション・サウンド・ミキサー(英: Production sound mixer)、およびスーパーヴァイジング・サウンド・エディター(英: Supervising Sound Editor)といった複数の職能を、日本の制作慣行のもとで分担または包括的に担う職能である。[5] ハリウッド映画においては、撮影現場での音声収録を担当するプロダクション・サウンド・ミキサーと、ポストプロダクションにおいて音響設計を統括するスーパーヴァイジング・サウンド・エディターなどが明確に分業されている。 一方、日本の映画・映像制作においては、これらの役割が必ずしも厳密に分離されておらず、録音技師が現場録音とポストプロダクションの両工程での音響調整を担当する体制を基本としつつ、ポストプロダクションを整音技師が引き継ぐケースも近年増えてきている。 現在では環境音、効果音を担当する音響効果技師が別に存在する作品が一般的である。
録音技師
録音技師は、撮影現場における音声収録の責任者であり、同時録音を行う作品では撮影クルーと行動を共にする。 録音助手に指示を出しながら、ブームマイクやワイヤレスマイクを用いて俳優のセリフや現場音、環境音を収録し、音量や音質、ノイズへの対応などを管理する。
日本の制作現場では、現場録音からポストプロダクションまで一貫して音響制作に携わる体制が取られることも多く、作品全体の音響的統一が図られる点が特徴とされる。 録音技師と整音技師が分業されることもあるが、現場録音のみ担当する場合も録音技師(もしくは単に録音)と表記することがあるため、注意が必要。 この役割は、ハリウッドにおけるProduction sound mixerに相当する。
整音技師
整音技師は、撮影後のポストプロダクション工程において、録音された素材を編集・調整し、作品の音響表現を完成させる職能である。 アフレコ収録、台詞編集、ダビング作業などを通じて、最終的なサウンドトラックを構築する。 この役割は、ハリウッドにおけるSupervising Sound Editorや、音響監督(英: Director of audiography)の職能に相当する側面を持つ。 オールアフレコ方式で制作される作品においては、撮影現場での同時録音が行われないため、撮影時に録音技師は配置されず、録音スタジオでのポストプロダクション工程において整音技師を中心に音響制作が行われる。
録音助手
録音助手(ろくおんじょしゅ)とは、録音技師の助手であり、撮影クルーのパート名としての「録音部」に所属する。おもに撮影の現場において、ブーム・マイク、ワイアレスマイク等さまざまな種類のマイクロフォンを設置・操作し、俳優のセリフ、現場音等を拾う。ハリウッドでいうブーム・オペレーター(英: Boom operator)であるか、サウンド・アシスタント(Sound Assistant)であるかは、チーフ録音助手であるか、セカンド以下であるかのランクによる。
他の職能との関係性
日本の映画の職能においては、映画監督、撮影技師(撮影監督)、照明技師、美術デザイナー、編集技師、スクリプターとともに「メインスタッフ」にカテゴライズされる。職能団体は日本映画・テレビ録音協会であり、日本映画撮影監督協会、日本映画テレビ照明協会、日本映画・テレビ美術監督協会、日本映画テレビ編集協会、日本映画・テレビスクリプター協会とともに日本映画メインスタッフ連合会、さらに日本映画監督協会を加えて日本映像職能連合を構成している。
主な録音技師及び整音技師
あ
か
さ
た
な
は
ま
や
ら
- リュック・イェルサン
わ
- 渡会伸
- 和久井良治
|
この節の加筆が望まれています。
|
主な録音技術会社
|
この節の加筆が望まれています。
|
註
参考書籍
- 橋本文雄・上野昻志『ええ音やないか - 橋本文雄・録音技師一代』、リトル・モア (1996年 ISBN 4-947648-32-5
- 林土太郎『映画録音技師ひとすじに生きて - 大映京都六十年』、草思社、2007年 ISBN 4-7942-1571-1
- 紅谷愃一・金澤誠『音が語る、日本映画の黄金時代 映画録音技師の撮影現場60年』、河出書房新社、2022年 ISBN 978-4-309-29186-4
- 日本映画・テレビ録音協会『映画録音技術』、2012年
関連項目
- アカデミー録音賞
- 日本アカデミー賞 - 録音技師を対象とした賞「録音賞」がある
- 東宝効果集団
- 日本映画・テレビ録音協会
- DOLBY ATMOS
- dts:X
- Auro 11.1
- d&b soundscape
- JBL Sculpted Surround
- 音響技術者
外部リンク
- 日本映画・テレビ録音協会 - 職能団体
- 『映画録音技術』日本映画・テレビ録音協会、2012年。
- 録音技師のページへのリンク