アポカロテナールとは? わかりやすく解説

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アポカロテナール

(Apocarotenal から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/03 18:48 UTC 版)

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アポカロテナール
識別情報
CAS登録番号 1107-26-2 
PubChem 5478003
ChemSpider 4585625 
UNII V22N3E2U32 
E番号 E160e (着色料)
ChEBI
特性
化学式 C30H40O
モル質量 416.64 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アポカロテナール(Apocarotenal)は、ホウレンソウミカン属の果実で見られるカロテノイドである。他のカロテノイドと同様に、アポカロテナールもビタミンAの前駆体の役割を果たすが、プロビタミンA活性は、β-カロテンと比べて50%以下である。実験的な化学式は、C30H40Oである。

アポカロテナールは、橙色から橙赤色で、食品や医薬品、化粧品を着色するのに用いられる。製品の形態に応じ、油脂食品(マーガリン、ソース、ドレッシング)、飲料、乳製品、菓子等に用いられる。E番号はE160eで、アメリカ合衆国[1]、EU[2]、オーストラリア及びニュージーランド[3]では食品添加物としての利用が認められている。

発癌性

疫学研究により、β-カロテンを多く摂取し、血中β-カロテン濃度が高い人は肺癌になる確率が低いことが示された。しかし、β-カロテンの摂取量の多い喫煙者では、恐らく過剰なβ-カロテンの分解生成物が血中ビタミンA濃度を減らしてしまい、喫煙により誘導される肺細胞の増殖を悪化させるため、癌のリスクを高めることが明らかとなった。この挙動に関与するβ-カロテン分解生成物の主なものは、アポカロテナールであると考えられており、ある研究では、β-カロテン自体では反応を示さなかった細胞培地で、アポカロテナールは変異原性、遺伝毒性を示したことが報告されている[4]

出典

  1. ^ US FDA:Colour Additive Status List”. 2011年10月27日閲覧。
  2. ^ UK Food Standards Agency: Current EU approved additives and their E Numbers”. 2011年10月27日閲覧。
  3. ^ Australia New Zealand Food Standards CodeStandard 1.2.4 - Labelling of ingredients”. 2011年10月27日閲覧。
  4. ^ Alija AJ, Bresgen N, Sommerburg O, Siems W, Eckl PM (2004). “Cytotoxic and genotoxic effects of β-carotene breakdown products on primary rat hepatocytes”. Carcinogenesis 25 (5): 827–31. doi:10.1093/carcin/bgh056. PMID 14688018. http://carcin.oxfordjournals.org/cgi/content/full/25/5/827. 

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