AIM-65とは? わかりやすく解説

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AIM-65

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/22 06:16 UTC 版)

AIM-65。素の、筐体なし状態の図
AIM-65。筐体ありの図
16セグメントLED表示器

AIM-65 は、ロックウェル・インターナショナルが1976年に発売した、MOS 6502 互換のRockwell6502を搭載した開発・学習用コンピュータ(development system)[1]である。

概説

1976年にRockwell社がリリースした開発・学習ボードKIM-1をベースに、その機能を拡張したものである。

ロックウェル自体が販売したAIM-65は、2つの基板で構成されたコンピュータで、メイン基板のほかキーボードを載せた基板があり、両基板をフラットケーブルでつないだ状態で使うものである。サードパーティとして有名だったEnclosures Inc.などの専用筐体に収めてデスクトップコンピュータのような状態にして使うのが当時の一般的な使用法だった。

メイン基板に小型熱転写プリンタが直接組み付けてあることは本機の特徴のひとつである。

ROMソケットは合計で5つあり、標準状態では2つのソケットにROMが挿してあり、そこにモニタプログラム(簡易アセンブラ、簡易逆アセンブラ 込)が書き込まれている[1]。3つの空きソケットは、別売りの、言語入りROMを挿してプログラミング言語(BASICやFORTHなど)を増やすために使ったり、自作アプリケーションソフトのために使える[1]。

仕様
  • RAM ─ 4 KB
  • ROM ─ EPROMチップ用のソケットを5個装備。標準状態ではその2つに4 KB ROMが挿してあり、3つが空いている。
  • ディスプレイ ─ 20桁の英数字表示16セグメントLEDディスプレイ。メイン基板の手前側でケーブル接続され、ユーザが読みやすい角度に配置されている。
  • プリンタ ─ 20桁の熱転写プリンタがメイン基板に直接とりつけられている。プリンタ用ロール紙を保持するための針金も基板から立ち上がっている。
  • キーボード ─ QWERTY配列のフルキーボード
  • インタフェース
    • RS-232 シリアル・インタフェース
    • 6522 VIA チップによるアプリケーションコネクタ(パラレル・インタフェース)
    • 拡張コネクタ
  • 電源 ─ メインのロジック回路用を動かすには +5V (2A)が必要。さらにサーマルプリンターおよびTTYインターフェースを動かすには +24V (2Aピーク / 0.5A平均) が必要。基板上の端子台「TB1」から各電源を供給。電源は別売り。当時はユーザが自分で用意した。
  • 基板の寸法 ─ 幅12インチ(約305 mm) × 奥行 約10インチ(約254 mm)
  • 基板の重量 ─ 約 1.35 kg
  • 筐体外寸 ─ 幅 約12インチ(約 30.5 cm) ✕ 奥行 約 14インチ(約 35.5 cm)✕ 約 2インチ(約 5.1 cm)
  • 筐体込みの重量 ─ 当時の重い電源トランスの重量が加わり、Enclosures Inc.の筐体で総重量は約 10 lbs (4.5 kg 前後)だった。
  • 価格
    • 1978年の発売当時、AIM-65の基本モデル(1KB RAM搭載)が375ドル[2]。4 KB RAM搭載モデルが約 500 ドル。
    • Enclosures Inc.の筐体が43.50 ドル。
    • AIM-65 + 電源 + Enclosures Inc.筐体のセットも、約850ドルで販売されていた。

ソフトウェア

モニタプログラム

標準状態ではROMソケットにROMが2個挿されており、そこにモニタプログラムの「Advanced Interactive Monitor」が書き込まれている。ラインアセンブラ、逆アセンブラ、メモリおよびレジスタの内容表示機能、他のプログラムの起動機能などを備えている。マスク不可割り込み(NMI)を使ったステップ実行も可能であった。コマンドプロンプトは "<" で、1文字のコマンドを受け付け、その文字と ">" を表示する。熱転写プリンタがONになっていると、それが一行として印字される。機械語モニタには各種サービスルーチンがあり、ソースコードと説明文書が添付されていた。

カセットテープ2台を制御可能で、大規模なアセンブリ言語プログラムを2パスのアセンブラROMを使って書くことが可能である。テキスト内のソースコードが入力テープに2回連続して書かれ、アセンブラが呼び出される。入力カセットテープはモーター制御によって起動・停止される。1回目のパスでは、シンボルテーブルが作成され RAM に格納される。2回目のパスでシンボルテーブルが翻訳され、出力用テープにコードが書かれ、このときもモーター制御が使われる。コードを RAM 上に格納せずに済むので、大きなプログラムでもアセンブル可能であった。しかし、RAM は4KBしかないため、シンボル名を短くする必要があった。

プログラミング言語

PL/65 は、ロックウェル・インターナショナルが AIM-65 向けに設計・実装したプログラミング言語である。[3]。ALGOL と PL/I の混合に基づき、6502 の使えるリソース量の限界に合わせるように単純化した言語であった。

ギャラリー

サードパーティ品、アップグレード品

拡張部品としてフロッピーディスクコントローラも販売された。

MTU は1978年、KIM-1 と AIM-65 で使える "Visible Memory" を発売した。これは、グラフィックディスプレイ機能を提供するものである。また、MTU は KIM-1 と AIM-65 でリアルタイム動作するシンセサイザーも発売している。これはデジタル-アナログ変換回路とソフトウェアによる4声のwavetable synthesisを組み合わせたものであった。

1981年、ロックウェルは表示を40桁に拡張した AIM-65/40 を発売した。


他社製派生機

1970年代後半にスペインの企業Comelta社(Compañía Electrónica de Técnicas Aplicadas, S.A.)が、AIM-65をベースに工業用・開発用コンピュータ「Comelta Drac-1」を開発した。主にエンジニアが産業用機器の制御システムを設計・プログラムしたりテストするために使用され、当時のスペインの技術者のハードウェア制御やシステムプログラミングの学習、産業用システム開発を強力に支援するプラットフォームとして機能した。基本モデルは「DRAC」ユニットおよびAIM-65入りのユニットで構成されるが、そのほかに拡張キットや、マイクロカセット、8インチフロッピーディスクドライブなどを組み込んだ、より高度なバージョンも用意された。

脚注

出典
  1. 1 2 3 “AIM-65”. Old Computer Museum. 2026年7月22日閲覧。
  2. ↑ “Rockwell AIM 65”. Steve's Old Computer Museum. 2026年7月22日閲覧。
  3. ↑ “Manual for PL/65” (Text). Motorola 680x0 Resources. 2006年6月23日閲覧。

関連項目

  • TK-80 COMPO BS ─ 日本のNECが生み出した製品。もともとあったトレーニングキット(開発ボード)のTK-80に、BASICインタプリタROM + キーボード + データレコーダ + それを覆う筐体を後からセットにした製品。発想がどことなくAIM-65に似ている製品。1979年4月発売。

外部リンク


「AIM 65」の例文・使い方・用例・文例

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