6員環カンプトテシンの類似物質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/14 22:13 UTC 版)
「カンプトテシン」の記事における「6員環カンプトテシンの類似物質」の解説
6員環のカンプトテシン類似物質はより強力になることが示されている。例えば、メチレンジオキシ基またはエチレンジオキシ基が10位と11位に結合したものは5員環または6員環を形成するが、これはより水溶性が高い誘導体となり効果が強くなる。またエチレンジオキシ置換体はメチレンジオキシ置換体よりも効果は少ないことが示されている。その理由はエチレンジオキシ置換体と酵素との間にできる望ましくない立体的相互作用のためである。 9位のアミノ基やクロロ基、あるいは7位のクロロメチル基に10,11-メチレンジオキシ類似物質を付加すると細胞毒性を増加させるが、水溶性は低下する。10,11-メチレンジオキシまたはエチレンジオキシ類似物質をよく水に溶けるようにするいい方法は、7位に水溶性置換基を導入することである。 ルートテカン(Lurtotecan)は以下のものを要求する。7位の4-メチルピペラジノ-メチレンを10,11-エチレンジオキシ類似物質にすると非常に強力になることが臨床的研究でしめされている。 7位と9位の間にも、10位と11位と同様に環が形成される。これは水溶性誘導体を作る新たな機会を生み出す。これらの6員環カンプトテシンは電子求引性基が11位に、メチル基またはアミノ基が10位に置かれた場合に最も活性が高くなる。エキサテカン(exatecan)は6員環カンプトテシンの一例で、これは7位と9位に6員環が、10位がメチル基に、11位がフルオロ基に置換されたものである。これがトポテカン(topotecan)よりも水溶性で最も強力である。
※この「6員環カンプトテシンの類似物質」の解説は、「カンプトテシン」の解説の一部です。
「6員環カンプトテシンの類似物質」を含む「カンプトテシン」の記事については、「カンプトテシン」の概要を参照ください。
- 6員環カンプトテシンの類似物質のページへのリンク