4Fe-4Sクラスター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/19 21:08 UTC 版)
「鉄硫黄タンパク質」の記事における「4Fe-4Sクラスター」の解説
一般的なのは4個の鉄イオンと4個の硫化物イオンがキュバンのように頂点に配置した構造である。Fe中心は一般にシステイニル配位子によってより遠方に配位される。[Fe4S4]電子伝達タンパク質([Fe4S4]フェレドキシン)は低電位(細菌タイプ)と高電位フェレドキシン(HiPIP)にさらに細分することができる。低電位フェレドキシンと高電位フェレドキシンは以下のように関連している。 HiPIPでは、クラスターは [2Fe3+, 2Fe2+] (Fe4S2+4) と [3Fe3+, Fe2+] (Fe4S43+)の間で行き来する。この酸化還元対の電位の範囲は0.4から0.1 Vである。細菌性フェレドキシンでは、酸化状態のペアは[Fe3+, 3Fe2+] (Fe4S+)4 and [2Fe3+, 2Fe2+] (Fe4S42+)で、電位の範囲は-0.3 から -0.7 Vである。この2種のクラスターはFe4S2+4の酸化状態を共有している。酸化還元対の違いは水素結合の数であると考えられ、それはシステイニルチオラート配位子の塩基性を強く修正している。 いくつかの4Fe-4Sクラスターは基質と結びつけられ酵素に分類されている。アコニターゼでは、4Fe-4Sクラスターは1個のFe中心がアコニット酸に結びつきチオラート配位子が不足している。このクラスターは酸化還元を経ず、ルイス酸触媒としてアコニット酸からイソクエン酸への変換に用いられる。ラジカル-SAM酵素(英語版)では、クラスターはラジカルを生成するため還元型S-アデノシルメチオニンと結びつくが、これは多くの生合成で見られる。
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