1843年の大彗星 (C/1843 D1)
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「クロイツ群」の記事における「1843年の大彗星 (C/1843 D1)」の解説
1843年の大彗星は、近日点通過からわずか3週間あまり前のその年の2月上旬に発見された。2月27日までには昼間にも簡単に見えるようになり、観測者は、空のまぶしい輝きの中に見えなくなる前に、太陽から離れる方向に2-3°の長さの尾が見えたと記している。近日点通過後、彗星は朝の空に再び現れ、極めて長い尾が発達していた。空に少なくとも50°以上に伸びたその尾は、少なくとも1億5000万km以上の長さに達していたと計算される。2000年になって、百武彗星の尾が3億5000万kmも伸びていたことが判明するまで、これは測定された彗星の尾の長さの最長記録であった。 この彗星は3月中ずっと非常に目立っていたが、4月の始めになって次第に暗くなり肉眼ではほとんど見えなくなった。最後に観測されたのは4月20日である。この彗星は大衆に非常に大きな印象を与えたらしく、最後の審判の日が差し迫っているのではないかという恐怖を抱いたものもいた。また中浜万次郎も救助された米捕鯨船でアメリカ東海岸に向かう途上、ケープホーン沖でこの彗星を見たことを記録に残している。
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