2‐オクチン酸メチルとは? わかりやすく解説

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2-オクチン酸メチル


2-オクチン酸メチル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/27 21:42 UTC 版)

2-オクチン酸メチル
Methyl 2-Octynoate[1]
識別情報
3D model (JSmol)
ECHA InfoCard 100.003.488
CompTox Dashboard (EPA)
特性
化学式 C9H14O2
モル質量 154.21 g mol−1
外観 無色ないし淡黄褐色の液体[1]
匂い ムスク様のグリーンな不快臭[1]
沸点

217~220℃ [1]

への溶解度 不溶[1]
溶媒への溶解度 70%アルコールに20%、80%アルコールに50%、プロピレングリコール類に可溶[1]
危険性
引火点 88℃[1]
致死量または濃度 (LD, LC)
1.53g/kg(ラット、経口)[1]
関連する物質
関連する誘導体 C9H14O2を参照
関連物質 2-オクチン
2-オクチン酸イソアミル
2-ノニン酸メチル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2-オクチン酸メチルは分子中に三重結合を持つアセチレンカルボン酸エステルの一つである。ヘプチンカルボン酸メチルとも表記される[1]

香料

グリーン香、バイオレット香を付与する目的で調合香料に使用される。フレーバーではキュウリ、ベリー、ピーチ、洋酒タイプに0.15~2ppmほど使用される。一般に三重結合を持つ化合物は皮膚への刺激性があるため、石鹸ローションへの使用は微量にとどめ、口紅には使用を避けるべきである。国際香粧品香料協会(IFRA)は単独あるいは最終製品中、合計量0.01%以下、芳香剤など皮膚に触れない製品では最終製品中0.1%以下とする制限を設けている[1]。商標名には、ジボダン社の「Folione」がある[3]。自然界には存在しない化合物(Not nature identical)である[1]

福島大学の平修はイメージングMSを使用した研究で、化粧品などに使用された本物質が自己免疫肝臓疾患の原因物質であることを示した[4]

製法

ヘプタナールから製造される[1]。日本の消防法では危険物第4類第三石油類(非水溶性)に区分される[5]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l (合成香料編集委員会 2016, pp. 706–707)
  2. ^ a b c 2-オクチン酸メチルJ-GLOBAL
  3. ^ Folione”. ジボダン. 2024年1月6日閲覧。
  4. ^ 科学研究費助成事業 研究成果報告書 課題番号16K04890” (PDF). 科学研究費助成事業データベース (2019年6月25日). 2024年3月29日閲覧。
  5. ^ 2-オクチン酸メチル”. 東京化成工業 (2022年3月20日). 2024年1月6日閲覧。

参考文献



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