黒色腫データに共変量を使用したCoxモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 21:05 UTC 版)
「生存分析」の記事における「黒色腫データに共変量を使用したCoxモデル」の解説
Coxモデルは、追加の共変量を含めることで、ログランク検定を拡張することができる。この例では、予測変数に連続共変量である腫瘍の厚さ(変数名 = thick)が含まれる黒色腫データセットを使用する。 ヒストグラムでは、厚さの値は正規分布に従っていないように見える。Coxモデルを含む回帰モデルは一般的に、正規分布変数の方がより信頼性の高い結果を得る。この例では、対数変換を使用する。腫瘍の厚さの対数は、より正規分布に従っているように見えるため、Coxモデルは厚さの対数を使用する。Cox PH分析では、図に示す結果が得られる。 3つの総合検定(尤度、ワルド、スコア)の p値 はすべて有意であり、モデルが有意であることを示している。log(thick) の p値 は 6.9e-07 で、ハザード比 HR = exp(coef) = 2.18 となり、腫瘍の厚さと命の危険の増加との間に強い関係があることを示している。 一方、性別の p値 は p=0.088 となる。ハザード比 HR = exp(coef) = 1.58 で、95%信頼区間は 0 .934 から 2.68 である。HRの信頼区間には 1 が含まれているので、これらの結果は、腫瘍の厚さを制御した後の、性別がHRの差に与える影響は小さく、有意な傾向があるのみということを示している。性別による log(thickness) のグラフと、性別による log(thickness) の t検定 を調べると、どちらも最初にクリニックを受診した時の腫瘍の厚さに男女の間で有意な差があることがわかる。 Coxモデルは、ハザードが比例することを前提としている。比例ハザードの仮定は、R関数の cox.zph() を使用して検定できる。p値 が 0.05 未満の場合は、ハザードが比例していないことを示している。黒色腫データの場合は p=0.222 であり、ハザードが少なくとも近似的に比例していることを示している。Coxモデルを検討するためのその他の検定やグラフについては、引用した教科書に記載されている。
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