高縄石とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > ビジネス > 新語時事用語辞典 > 高縄石の意味・解説 

高縄石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/12 09:30 UTC 版)

高縄石(たかなわせき、 Takanawaite-(Y))は2013年に発表された日本産新鉱物で、化学組成はY(Ta,Nb)O4結晶系単斜晶系

東京大学鉱物学者浜根大輔などにより、愛媛県松山市高縄山花崗岩中から発見された[1]。発見地の山の名から命名された。

性質、特徴

褐色板状の結晶外形で、単結晶もしくは放射状に集合した群晶で産出する[2]モース硬度は5.5。ガドリン石ジルコンを伴う。

含まれる放射性元素のため、構造はメタミクト化英語版して非晶質となったものが多い(加熱処理すると結晶構造が戻り、単斜晶系のM相と確認された[2])。

ジルコンに外見が酷似するが、ジルコンが棒状結晶となるのに対して高縄石は板状結晶となるのが特徴である[3]

β-フェルグソン石(Fergusonite-beta, フェルグソン石の低温相)のタンタルニオブに優越したものである。また、岩代石(Iwashiroite-(Y)、単斜晶系M'相)、フォーマン石(Formanite-(Y)、正方晶系[4]、イットロタンタル石(Yttrotantalite-(Y)、斜方晶系[5]同質異像であるともされるが、そのうちフォーマン石、イットロタンタル石は合成実験では存在が確認されておらず、構造、組成などのデータが曖昧なまま情報が混乱しているのが現状である[3]

発見の逸話

2001年芸予地震の際、ガドリン石の産地として知られていた高縄山のペグマタイトが崩落し、瓦礫からガドリン石と共に発見した鉱物を当時愛媛大学に所属していた浜根はフォーマン石と考えて翌2002年に報告した。その後、東京大学に移った浜根は2011年の東日本大震災を機にこの「フォーマン石」を再検討した結果、新鉱物と判明して申請、2012年に承認された[3]

脚注

  1. ^ Nishio-Hamane, D. et al. (2013): Takanawaite-(Y), a new mineral of the M-type polymorph with Y(Ta,Nb)O4 from Takanawa Mountain, Ehime Prefecture, Japan. Jour. Mineral. Petrol. Sci., 108, 335-344.
  2. ^ a b 浜根大輔, 皆川鉄雄, 大越悠数, 「新鉱物 高縄石/Takanawaite-(Y): Y(Ta,Nb)O4日本鉱物科学会2012年年会、日本鉱物科学会年会講演要旨集, doi:10.14824/jakoka.2012.0_33
  3. ^ a b c イットリウム高縄石、浜根大輔、東京大学物性研究所・電子顕微鏡室
  4. ^ Formanite-(Y), mindat.org
  5. ^ Yttrotantalite-(Y), mindat.org

関連項目

外部リンク


高縄石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/13 00:09 UTC 版)

高縄山」の記事における「高縄石」の解説

2001年高縄山遊歩道において採取され鉱物が、2012年国際鉱物学連合により新鉱物として認められた。鉱物の名は、山名から高縄石(タカナワアイト)と命名された。

※この「高縄石」の解説は、「高縄山」の解説の一部です。
「高縄石」を含む「高縄山」の記事については、「高縄山」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「高縄石」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「高縄石」の関連用語

高縄石のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



高縄石のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2025 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの高縄石 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの高縄山 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS