高畑町
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/14 12:34 UTC 版)
高畑町 たかばたけちょう |
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国 | ![]() |
地方 | 近畿地方 |
都道府県 | 奈良県 |
自治体 | 奈良市 |
旧自治体 | 高畑村、奈良町 |
面積 |
1.13km²
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世帯数 |
1,354世帯
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総人口 |
3,142人
(国勢調査、2020年10月1日現在)
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人口密度 |
2,780.53人/km²
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隣接地区 | 登大路町・春日野町・白毫寺町・池之町・東寺林町・鶴福院町・不審ヶ辻子町・鵲町・公納堂町・福智院町・紀寺町・東紀寺町・南紀寺町 |
高畑町(たかばたけちょう Takabatake-chō)は、奈良県奈良市の中央部、中心市街地の東部に位置する地区である。郵便番号は630-8301。
地理
奈良市の中央部、市街地の東部に位置する、北西-南東方向に広がる地区である。春日山の南西麓にあたる。
地区の一部は、江戸時代までは興福寺の子院「松林院」が立地していた地域であり、近代以降、京都市南禅寺界隈別荘地と並ぶ別荘地開発が進められ、奈良華族や在阪財閥の山口家の別邸や志賀直哉の邸宅があった[1]。山口家当主が志賀直哉や武者小路実篤ら文化人、芸術家を招き、茶の湯を通じた文化交流が盛んに行われていた[1]。現在も邸宅、別邸が広がる他、志賀直哉旧邸宅の公開などなどで歴史的・文化的価値を生かした取り組みが行われてきる。
北部は猿沢池の東から春日大社の南にかけて、奈良ホテルをはじめとするホテル・旅館が多く分布する。中部に奈良教育大学のキャンパスがある。
一部が世界遺産(文化遺産)「古都奈良の文化財」の緩衝地帯(バッファーゾーン)、歴史的風土特別保存地区(春日山地区)、国史跡「興福寺旧境内」、奈良公園、奈良町都市景観形成地区に含まれる。
北は登大路町・春日野町、南は白毫寺町、西は池之町・東寺林町・鶴福院町・不審ヶ辻子町・鵲町・公納堂町・福智院町・紀寺町・東紀寺町・南紀寺町と接している。
河川
- 能登川(のとがわ)- 大和川の支流。南部を西に流れる。
- 菩提川(ぼだいかわ) - 率川(いさがわ)とも称する。大和川の支流で、北部を西に流れる。
池
- 荒池(あらいけ) - 北西部に位置する。中央を南北に国道169号が走り、池はその両側に分かれている。
- 鷺池(さぎいけ) - 北西部に位置する。奈良公園の一部。池の中央北部に浮見堂がある。
地名の由来
域内の地名
域内に江戸期以来の御所馬場町、片原町、北天満町、中天満町、下清水町、中清水町、上清水町、下高畑町、上高畑町、破石町、福井町、丹坂町、閼伽井町、菩提町、山之上町、能登川町などの通称町名があり、ほかに東大路町、下久保町、上久保町、本薬師町、本薬師東町、高畑大道町、橋街道町、高畑南町などもある[3]。多くは現在もそれぞれ自治会を構成している。
歴史
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、添上郡高畑村が添上郡奈良町大字高畑となる。
- 1898年(明治31年)2月1日 - 奈良町の市制施行により奈良市大字高畑となる。
- 1903年(明治36年)- 奈良市高畑町と改称。
- 1970年(昭和45年) - 一部が東紀寺町1~3丁目・南紀寺町1~5丁目となる。
人口の変遷
1882年(明治15年)[4] | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
1980年(昭和55年)[3] | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
2010年(平成22年)[5] | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
施設

- 志賀直哉旧居
- 奈良ホテル
- ホテル尾花
- 菊水楼
- 入江泰吉記念奈良市写真美術館
- 奈良第二地方合同庁舎
- 奈良高畑郵便局
- 柴田歯科医院
-
奈良ホテル
-
菊水楼
-
入江泰吉記念奈良市写真美術館
教育
小・中学校の学区
交通
道路
- 一般国道
- 県道
- その他
- 柳生街道 - 西の入口に位置する。
バス
- 奈良交通
- 市内循環線・中循環線等のバス停に、春日大社表参道、破石町、高畑町がある。
- 他の路線のバス停に、奈良ホテル、高畑社宅前がある。
名所・旧跡

- 吉備塚古墳 - 奈良教育大学高畑キャンパス内に所在。
- 頭塔
- 日輪山新薬師寺
- 南都鏡神社
- 春日山不空院(不空律院)
- 奈良町天神社
- 瑜伽神社
- 高圓山閼伽井庵
- 赤穂神社
- 比賣神社
- 隔夜寺(客養寺)
- 旧大乗院庭園
- 青田家住宅
- 旧栗盛吉蔵邸 - 奈良県内唯一のヴォーリズ建築。
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新薬師寺本堂
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旧大乗院庭園
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旧栗盛吉蔵邸
出身・ゆかりの人物
- ゆかりの人物
- 岡潔 - 数学者。晩年の十数年を高畑町で過ごした[7]。
- 志賀直哉 - 小説家。1925年(大正14年)から1938年(昭和13年)にかけて高畑町で暮らしていた[8]。旧居が文学館等として公開されている。
- 辰野勇 - 登山家・実業家。モンベル創業者・会長。高畑町在住[9]。
参考文献
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店、1990年 ISBN 4-04-001290-9
脚注
- ^ a b “文化財の保護と公開・利活用について”. 国土交通省近畿地方整備局. 2023年12月10日閲覧。
- ^ 山田熊夫(1976)『奈良町風土記 正編』豊住書店,p.18.
- ^ a b 「角川日本地名大辞典」編纂委員会(1990)『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店 ISBN 4-04-001290-9
- ^ 川井景一(1891)『大和国町村誌集』中井文次郎等
- ^ 国勢調査。2010年10月1日現在。
- ^ “通学区域”. 奈良市. 2017年2月5日閲覧。
- ^ 朝日新聞 (2017年1月25日). “(都ものがたり)岡潔の愛した奈良・高畑町 世の移ろいに超然、古き良き情緒”. 2017年2月5日閲覧。
- ^ 奈良学園セミナーハウス志賀直哉旧居. “志賀直哉旧居について”. 2017年2月5日閲覧。
- ^ 毎日新聞 (2017年1月25日). “ならまち暮らし 偉大なる田舎=寮美千子 /奈良”. 2017年2月5日閲覧。
関連項目
外部リンク
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