大安寺
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大安寺(だいあんじ)は、奈良県奈良市大安寺二丁目にある高野山真言宗の寺院。山号はなし。本尊は十一面観音。開基は舒明天皇と伝える。南都七大寺の1つで、奈良時代から平安時代前半までは、東大寺や興福寺と並ぶ大寺であった。現在は癌封じの寺として有名である。
注釈
- ^ 『大安寺伽藍縁起并流記資財帳』の原本は現存しておらず、奈良市・正暦寺に遺された写本が、国立歴史民俗博物館に保管されている(木下、2005年、p.21)。
- ^ また中心伽藍跡の北部が溜池になっていることもあり、講堂の跡などは確認されていないが、金堂、塔、東・西・南の回廊などの跡が確認されている[8]。金堂跡には礎石は残っておらず、柱の配置は不明だが、基壇は東西が37メートル、南北が25メートルで、南側の張り出し部を含むと南北は28メートルとなる[8]。塔の基壇は一辺32メートルの大規模なもので、規模からみて九重塔が建っていたとみられる[8]。回廊の東西は外側柱間の距離で156.2メートルとなり、高麗尺の440尺に相当する[8]。
- ^ 吉備池廃寺から出土した瓦は、軒丸瓦が重圏文縁単弁八弁蓮華文、軒平瓦が忍冬唐草文型押で、軒丸瓦・軒平瓦ともに、わずかにデザインの異なる2種類がある。このうち、軒丸瓦は四天王寺と海会寺で同笵瓦が使われているが、瓦面の傷などから判断して、四天王寺・海会寺よりも吉備池廃寺出土瓦の方が先行して製作されたとみられる。一方、軒平瓦は2種類のうちの1つは法隆寺の前身である若草伽藍で同笵瓦が使われているが、こちらは吉備池廃寺出土瓦よりも若草伽藍瓦の方が先行する。類似の瓦は山田寺でも使用されているが、山田寺出土瓦の方が様式的に後のものとみられる[8]。以上のことから、吉備池廃寺の建立は、法隆寺の前身の若草伽藍より後で、舒明天皇13年(641年)から建立の開始された山田寺よりは先行する、630年代から640年代初めに位置付けられる。これは前述の百済大寺の建立が開始された年代と符合する[8]。また、建物の規模の大きさに比して瓦の出土量が少なく、金堂や塔の礎石は全く残っておらず、火災に遭った形跡もない。出土した瓦も前述の様式のもののみで、補修用の瓦などはみられない。以上のことは、この寺は創建からあまり時を隔てずに建物ごと別の場所に移転した可能性を示唆している[5]。
出典
- ^ 「笹酒」で無病息災 奈良・大安寺で祭り『日本経済新聞』夕刊2019年1月23日(社会面)2019年1月25日閲覧。
- ^ 木下 2005, p. 21.
- ^ a b 木下 2005, p. 22.
- ^ 木下 2005, p. 18.
- ^ a b 木下 2005, p. 25,237.
- ^ 木下 2005, p. 11,231.
- ^ デジタル版 日本人名大辞典+Plus『恵妙』 - コトバンク
- ^ a b c d e f g h 木下 2005, p. 126-127.
- ^ 大脇 1999.
- ^ 木下 2005, p. 33-34.
- ^ 木下 2005, p. 38-39.
- ^ 木下 2005, p. 53-54.
- ^ a b 木下 2005, p. 217-227.
- ^ 木下 2005, p. 46-50.
- ^ 木下 2005, p. 57-80.
- ^ a b 木下 2005, p. 83.
- ^ 木下 2005, p. 93-94.
- ^ 木下 2005, p. 152.
- ^ 木下 2005, p. 58-61.
- ^ 木下 2005, p. 59,113.
- ^ a b 大安寺. “大安寺 年表”. 2016年3月14日閲覧。
- ^ a b 国指定文化財等データベースによる(2018年2月6日閲覧)
- ^ 『図説日本の史跡 5 古代2』、同朋舎出版、1991、p.161
高市大寺
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天武天皇2年(673年)12月17日、御野王(「みののおおきみ」で美濃王と同じ)と紀訶多麻呂が造寺司に任命され、この時に寺を百済の地から高市の地に移したとあり(『大安寺資財帳』)、『日本書紀』の同じ日の条に、美濃王と紀訶多麻呂が造高市大寺司に任命されたとある。この前年の天武天皇元年(672年)は、壬申の乱で天武天皇(大海人皇子)が勝利している。高市に寺を移した年は、天武天皇の父舒明天皇の三十三回忌、母斉明天皇の十三回忌にあたることが指摘されている。
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