電圧計の内部抵抗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/18 19:50 UTC 版)
電圧計を用いて、回路の二点間の電位差を測定する場合、測定したい二点間の回路に対して並列に電圧計を追加することになる。このとき、元の回路を流れる電流に影響を与えないため電圧計の端子間の抵抗はできるだけ大きいことが望ましいのだが、実際には測定を行うためにある程度は電流を流す必要があり、極端に大きな抵抗値とするわけにも行かない。この端子間の抵抗の事を電圧計の内部抵抗と呼び、アナログのもので1MΩ程度、デジタルボルトメーターにおいては10MΩ以上とするのが普通である。 電圧を測ろうとしている二点間の抵抗が電圧計の内部抵抗と比べて十分に小さい場合には、電圧計の読みをそのまま二点間の電位差とすることができるが、2点間の抵抗が電圧計の内部抵抗と同等かよりおおきい場合には単純に測定値を二点間の電位差とすることはできない。 極端な例として、2点間の抵抗が無限大である場合として、電池の端子間の開放電圧を測る場合を考えよう。この場合、電池の内部抵抗(出力インピーダンス)と、電圧計の内部抵抗(入力インピーダンス)が直列に接続され、端子間の電圧は、電池の起電力をその比で抵抗分圧した値となる。電池の内部抵抗が電圧計の内部抵抗に対して十分小さい場合には、測定値は電池の起電力とほぼ等しいが、電池の出力抵抗が電圧計の内部抵抗と同程度の値となる場合、測定値は起電力よりも明らかに低い値となる。電池の内部抵抗と電圧計の内部抵抗が等しい場合で、電圧計の表示は起電力の半分を示す。一般の場合には、測定したい2点間の抵抗が無限大ではない場合が多いので、計算はさらに複雑になるが、抑えておかなければならないのは、測定したい2点間の抵抗値と測定点から見た電源の出力インピーダンスである。
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