雨ノ弱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/01 06:04 UTC 版)
雨ノ弱(あまのじゃく)は、日本の3人組ロックバンド。「現代的シネマティックロックバンド」を標榜し、映画のような物語性のある歌詞・楽曲を特徴とする[1]。「RUIDO presents L-1グランプリ 2018」準グランプリ[1]。ART POP ENTERTAINMENT所属。
メンバーらは後にアイドルグループNANIMONOらが所属するプロダクション「OTONA CHILD.」を設立した。
雨ノ弱 | |
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出身地 | ![]() |
ジャンル | ロック (音楽) |
活動期間 | 2017年2月 - |
レーベル |
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事務所 | OTONA CHILD. (2022年 - ) |
共同作業者 | 杉原亮(サウンドプロデューサー) |
公式サイト | 雨ノ弱 official website(Wayback Machine、2023年3月26日) - https://amanojaku.jp/[注 1] |
メンバー | |
旧メンバー |
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YouTube | |
チャンネル | |
活動期間 | 2017年 - |
ジャンル | 音楽 |
登録者数 | 674人 |
総再生回数 | 37,917回 |
チャンネル登録者数・総再生回数は 2025年3月31日時点。 |
来歴
REDMANのギタリスト杉原亮(すぎはら りょう)と親交のあったゆあ(Ba.)が井上結夢(いのうえ ゆめ、Vo.)と組んでバンドを始めることになり、相談役の杉原と共に最初に3人で食事をした店がポポラマーマであったことから「ポポラマーマ」のバンド名で活動した[2]。
ポポラマーマの活動終了後、ゆあと井上の2人がバンド「雨ノ弱」を結成することになり、杉原が最初の楽曲「優雨」を提供した。その後、杉原が2人に教え子のりょうすけ(Gt.)を紹介し、井上(Vo.)・ゆあ(Ba.)・りょうすけ(Gt.)のスリーピースに外部サウンドプロデューサーとして杉原が関わるというバンドの形が出来上がった[2]。正規メンバーにドラマーはいないため、ライブの際はサポートドラマーを迎えて演奏している[1]。
2018年にはライブハウスチェーンRUIDOが主催する「RUIDO presents L-1グランプリ 2018」で準グランプリを獲得[1][3]。
2018年8月、1stシングル「未確認生物」をART POP ENTERTAINMENT内の新レーベル「濱ラボ.レコード」からリリース[4]。
2019年6月19日に1stアルバム『シネマコンプレックス』をリリース[5]。発売に先駆けて6月9日のライブイベント『現状アートポッパー』(東京・SHIBUYA DESEO)で先行販売が行われた[6]。
2021年1月5日、Gt. りょうすけが脱退し、Gt. 杉原が正式にメンバーとして加入[7]。
2022年5月、井上がこゆびちゃん名義でプロデューサーを務めるアイドルグループ「NANIMONO」が結成され、その所属事務所として「OTONA CHILD.(オトナチルドレン)」が設立された。同事務所は井上とゆあが共同で運営している[8]。
2022年9月24日、OTONA CHILD.から2ndアルバム『ボク不在の世界』を配信リリース[9]。
音楽性と評価
「現代的シネマティックロックバンド」を名乗っており、映画のような物語性のある歌詞・楽曲を特徴としている。また、ライブでは必要以上のMCを行わず、楽曲に合わせて用意された「語り」の音源や、演者とステージに映像を投影するプロジェクションマッピングによる演出を行う[1]。
全楽曲の作詞を手掛けるボーカルの井上は「雨ノ弱の場合、先にイメージする映像や物語があり、その映像や物語を彩るテーマソングやBGMを音楽で表現する形を持って、それぞれの楽曲を作っています」と語っている[5]。
ライターの長澤智典は、その音楽性を「どの楽曲も真実であり、綺麗に言うならダークファンタジーな世界観を持っている。別の言い方をするなら、現実社会のレールから逸脱した生き方/人生観を映した物語たちを、雨ノ弱は多種多彩な音をギュウギュウに詰め込んだ、トリッキーな展開を持って進んでゆくシアトリカルな音楽の中へ描き出している。」と評価している[5]。
また、「映画」という観点からは「雨ノ弱が音楽を通して描き出す映画には、正直コメディーやアクション要素は欠けている。その変わり、心に訴えかけ、染み入る想いを求めている人には、とても刺激な愛聴作になるのではと思っている。」と分析している[10]。
メンバー
現メンバー
- 2020年1月よりアイドルグループlonely planetのプロデューサーを務める[11]。グループ活動開始当初は名前を隠していた[12]。
- 2022年5月より「こゆびちゃん」名義で設立したクリエイティブ・プロダクション「OTONA CHILD.」の代表となり、アイドルグループNANIMONO・AZATOY・hakanaiのプロデューサーを務めるほか、コンセプトカフェ「ふらっと」「推ししか勝たん」のプロデュース、映像作品等の制作を行っている[13]。
- 「こゆびちゃん」の由来は「小指が短いので」[14]。
- NANIMONOでもほとんどの楽曲で作詞・作曲を行っている[14]。
- 杉原亮(すぎはら りょう)
- 作詞家・作曲家・編曲家で、ギタリスト。当初はサウンドプローサーとして外部から関与。
- 杉原自身によれば「雨ノ弱が作りたい世界感を持っていて大事にしていて 活動方針やバンドのあり方そういうものは全てバンドが責任、決定権を持っていて 曲や音に関してをサウンドプロデュースしているっていう感じ」であったという[2]。
- 2021年1月5日、りょうすけと入れ替わりでギター担当として正式加入[7]。
- NANIMONOでもこゆびちゃん(井上)と共にほとんどの楽曲で共同作曲を行っている[14]。
元メンバー
作品
ディスコグラフィ
アルバム
No. | タイトル | 発売日 | 規格品番 | 収録曲 |
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1 | シネマコンプレックス | 2019年6月19日 | HMLB-1901G | |
2 | ボク不在の世界 | 2022年9月24日 | - |
- シネマコンプレックス
1stアルバム『シネマコンプレックス』は、いくつもの異なる映画を同時に上映する施設であるシネマコンプレックスと、いくつものコンプレックスを表現した楽曲を収録した作品集という2つの意味を掛け合わせたタイトルである[10]。
例えば3トラック目の「未確認生物」は、前出のライター長澤のレビューでは「観たくない現実から逃れ自分の殻に閉じこもった主人公が、『ボクと似た遺伝子のキミへ』と、じつは人との繋がりを求めている本心を描写している」とされている[10]。
2曲目の「優雨」は後に続く7曲の「目次」の役割を果たし、収録曲をコラージュした1曲目「Prologue」と10曲目「Epilogue」が映画のオープニングとエンディングにあたる[10]。
「未確認生物」は後にNANIMONOに引き継がれている[15]。
シングル
No. | タイトル | 発売日 | 規格品番 | 収録曲 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 未確認生物[16] | 2018年8月22日 | HMLB-1801 |
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ミュージックビデオ
- 『CInDErella story』
- 監督・脚本・出演をボーカルの井上結夢自らが行っている[6]。
- 『籠の鳥』(ドラマMV)
- 『未確認生物』
- 前出のライター長澤は上記2つのMVを紹介して、「とても観念的な世界観だ。いや、その言葉は間違いだ。雨ノ弱の楽曲のベースになっているのは、すべて『ノンフィクション』。生々しすぎる現実へ『フィクション』の要素を描き加えることで、『これは自分のこと』と受け止めやすいようにと、結夢は表現をオブラートに包み込んでゆく。」とレビューしている[10]。
タイアップ
- 「ロンリーポップ」
ワンマンライブ
タイトル | 日付 | 会場 |
---|---|---|
Roadshow-Blue Xmas編-[17] | 2018年12月22日 | Music Lab.濱書房 |
- 全編映像投影(プロジェクションマッピング)演出が行われた[1]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g “シネマティックロックバンド「雨ノ弱」とは? 映画のようなライブの魅力”. KAI-YOU (2019年1月20日). 2025年3月31日閲覧。
- ^ a b c d e 杉原亮 (2018年5月31日). “雨ノ弱のひとたち”. note. 2025年3月31日閲覧。
- ^ “RUIDO presents L-1グランプリ 2018 グランプリアーティスト、受賞アーティスト発表!”. RUIDO. 2025年3月31日閲覧。
- ^ a b “雨ノ弱 / 未確認生物”. OTOTOY. 2025年3月31日閲覧。
- ^ a b c 長澤智典 (2019年6月3日). “それは心の万華鏡のようであり、ときには自分の心を映し出す合わせ鏡でもあること。雨ノ弱の1stアルバム『シネマコンプレックス』は、「事実は小説よりも奇なり」な物語を詰め込んだ衝撃作!!!”. club Zy.. JVK Inc.. 2025年3月31日閲覧。
- ^ a b 長澤智典 (2019年5月18日). “雨ノ弱 1stアルバム『シネマコンプレックス』をライブ会場先行リリース | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス”. spice. eplus. 2025年3月31日閲覧。
- ^ a b c Gt. りょうすけ脱退と新メンバーについて(Wayback Machine、2023年3月26日) - http://amanojaku.jp/news/487.html'.2025年03月31日閲覧。
- ^ a b こゆびちゃん👾 (2024年7月27日). “「 ボクと同じ遺伝子のキミへ 」”. note. 2025年3月31日閲覧。
- ^ “雨ノ弱、「ボク不在の世界」を配信開始”. THE MAGAZINE. TuneCore Japan (2022年9月24日). 2025年3月31日閲覧。
- ^ a b c d e f 長澤智典 (2019年4月15日). “生々しく心痛い現実を物語へ投影。「現代的シネマティックロックバンド」と名乗る雨ノ弱は、現実(ノンフィクション) と非現実(フィクション)が混じり合うシアトリカルなバンド。1stアルバムの発売も決定!!! – DE COLUM”. DE COLUM. 2025年3月31日閲覧。
- ^ 長澤智典 (2021年5月9日). “井上結夢という才能と、朽ちてゆく老木...。”. note. 2025年3月31日閲覧。
- ^ 長澤智典 (2020年1月4日). “「都会の寂しい女の子」たちが集まったlonely planetは、あなたの心の闇へ寄り添い癒してくれる?! | ACTRESS PRESS”. actresspress. 2025年3月31日閲覧。
- ^ “OTONA CHILD.”. OTONA CHILD.. 2025年3月31日閲覧。
- ^ a b c 宮﨑 大樹. “NANIMONO interview”. Skream!. 激ロックエンタテインメント. 2024年12月26日閲覧。
- ^ 冬将軍 (2024年10月31日). “NANIMONO[インタビュー前編]“インキャ”たちがニューアルバムで紡ぐ成長の物語「全体を通して魔法少女になってから魔法が解けるまでのストーリーだと思って楽しんでもらえたら」”. Pop'n'Roll. 2025年3月31日閲覧。
- ^ “雨ノ弱/未確認生物”. TOWER RECORDS. 2025年3月31日閲覧。
- ^ “12-22 雨ノ弱ワンマン開催 -”. 濱書房. ART POP ENTERTAINMENT (2018年11月24日). 2025年3月31日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 雨ノ弱 official website(Wayback Machine、2023年3月26日) - https://amanojaku.jp/
- 雨ノ弱 (@amanojaku_info) - X(旧Twitter)
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