集合代数系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 09:52 UTC 版)
詳細は「ブール代数」、「集合の代数学」、「有限加法族」、および「集合環」を参照 冪集合に定義される様々な集合演算は、冪集合を代数系として取り扱う手段を与えてくれる。たとえば、集合の結び ∪ {\displaystyle \cup } や交わり ∩ {\displaystyle \cap } は交換可能で結合的な演算であるから、半群として冪集合を見ることができる。さらに、結びに関する中立元は空集合 ∅ {\displaystyle \emptyset } であり、全体集合 S {\displaystyle S} が交わりに関する中立元となるので、 ( P ( S ) , ∪ , ∅ ) {\displaystyle ({\mathcal {P}}(S),\cup ,\emptyset )} や ( P ( S ) , ∩ , S ) {\displaystyle ({\mathcal {P}}(S),\cap ,S)} はモノイドである。また、対称差 Δ {\displaystyle \Delta } を与えられた演算とする代数系 ( P ( S ) , Δ ) {\displaystyle ({\mathcal {P}}(S),\Delta )} は、空集合を単位元とし、補集合を逆元にもつ群になる。 結び ∪ {\displaystyle \cup } と交わり ∩ {\displaystyle \cap } は互いに他に対して分配的であるので、 ( P ( S ) , ∪ , ∩ ) {\displaystyle ({\mathcal {P}}(S),\cup ,\cap )} に環の構造を見て取ることができる。とくに冪集合 P ( S ) {\displaystyle {\mathcal {P}}(S)} を、集合の結び、交わり、補集合をとる操作および結び・交わりそれぞれに関する中立元を備えた代数系 ( P ( S ) , ∩ , ∪ , c , ∅ , S ) {\displaystyle (P(S),\cap ,\cup ,^{\mathrm {c} },\varnothing ,S)} と考えたものはブール代数の例を与える。一方、事実として、任意の有限ブール代数は有限集合のべき集合が作るこのブール代数によって同型的に実現することができる。
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